目覚めよ、清宮!17年ドラフト会議で7球団の指名が競合してから3年。日本ハム・清宮幸太郎内野手(21)がプロの世界で壁にぶつかっている。
入団から3年連続で7本塁打止まり。伸び悩む大砲に、同じ左打者で球団の先輩にもあたる張本勲氏(80=スポニチ本紙評論家)が3つのポイントを挙げて「王貞治になれ!」と激励のエールを送った。
実に、実にもったいない。清宮に持って生まれた素質があるのは衆目の一致するところ。このままでは開花しないまま終わってしまう。「喝!」どころか「大喝!」だよ。
まずは自分に合った「形」。これをつくり上げなければ正確に、強く打つことはできない。清宮には何より必要だ。
私の手元には彼の打撃フォームの連続写真がある。気になるのは3点。(1)オープンスタンスで構え、右足を踏み込めずに右膝と腰が早く開く。
(2)ステップする右足を上げる。(3)トップの位置でバットの先端が投手側を向いている。(2)で足を上げてしまうとタイミングを取るのが難しい。(3)ではヘッドが出てくるのがどうしても遅れる。
いずれも力のある直球に振り負ける要因になっているが、何より修正してほしいのは(1)だ。
理想は王ちゃん。868本塁打の王貞治の打撃を見てほしい。左の長距離打者が外角球を打つ際は、グッと踏み込むことが必要不可欠。逆方向に流すのではない。
踏み込んで、腰の鋭い回転。引っ張って右中間スタンドに放り込む。最も腕が伸び、飛距離も出る。これが王貞治も実践していたホームラン打者の一番いい打ち方だ。
しかし、清宮は最初からオープンに構えており、踏み出した右足をベース寄りに踏み込めず親指が開いている。右膝、腰も開いてしまっており、これでは外角球に対して強い打球は打てない。
清宮は入団時から、早実の大先輩である王ちゃんを目標にしていたのではなかったか。今のままでは外角の弱いボールは打てても、強いボールは引っ張れないだろう。
ステップを直すのには時間がかかる。今の形を変えるともっと打てなくなるのでは、と考えるのが打者心理だ。変えるなら、腹をくくって変えなければならない。
厳しいことを言ったようだが、それも彼の高い素質を買っているがゆえ。これが清宮だ、という形をつくる。全てはそこから始まる。(本紙評論家)
≪苦手の外角高め≫張本氏が指摘するように、清宮は外角球を得意としていない。レギュラーシーズンのストライクゾーン内の打率を見ると、外角のベルト付近は打率.320と打っているものの、低めは.105、高めは安打がない。
特に高めは苦手としており、真ん中も.091、内角は打ったケースがなかった。
12/29(火) 5:30配信 スポニチ
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