12/4(金) 16:05
NEWS ポストセブン
流行語大賞トップ10入りのフワちゃん「新奇性」が人気の秘訣
流行語大賞トップテンにに選出され大喜びするフワちゃん(写真/時事通信社)
臨床心理士・経営心理コンサルタントの岡村美奈さんが、気になったニュースや著名人をピックアップ。心理士の視点から、今起きている出来事の背景や人々の心理状態を分析する。今回は人気急上昇中の芸人でYouTuberのフワちゃん(27才)について。
* * *
「あたしが2020年のリーダーってこと!?」と、自撮り棒片手に満面の笑みを見せたのは、若者を中心に人気を集めているフワちゃん。12月1日に発表された『2020ユーキャン新語・流行語大賞』(現代用語の基礎知識選)で、自身の名前「フワちゃん」がトップテン入りし受賞した。
流行語大賞で人名やグループ名が受賞するのは2010年のAKB48以来のことらしい。今やその顔をテレビで見ない日はないほどの人気者のフワちゃんは、12月2日に発表された『2020テレビ番組出演本数ランキング』(ニホンモニター)でも堂々の2位。個人的には、フワちゃんがテレビに出る度に見たいような見たくないような、何が飛び出るか分からない怖いもの見たさという感覚に襲われるのだが、フワちゃんの何が人を惹きつけるのだろう。
授賞式では、持参した自撮り棒をくるくるとバトンのように回したかと思えば、渡された記念盾を抱え「撮れた!」と自撮りし大はしゃぎ。喜びの感想を聞かれると、「とっても嬉しい。2020年はフワちゃんとみんなの年でした」と弾けた笑顔を見せた。「アンミカさんに報告する」と話し始めるも、司会者が「ありがとうございました」とそれをあっさり切り上げてしまうと、「おじさんがあしらってる」と苦笑い。最後は左足を高く持ち上げ、V字バランスのようなポーズをしながら「おめでとう!」とはっちゃけた。
いつものお団子ヘアにカラフルなヘアアクセサリーを着け、ビビッドなブルーにピンクの縁取りが付いた半袖のチャイナドレス風トップスと牛柄模様のホットパンツ姿のフワちゃん。寒さが厳しくなってきたこの時期でも、へそ出しの奇抜なフアッションで現れた。さすがにスポーツブラではなかったが、この独特なファッションこそがフワちゃんの特徴を端的に表している。見た目通りにキャラも奇抜で良くいえば自由奔放、天衣無縫、天真爛漫。無邪気で常識やルールに縛られない。
相手が誰であろうとタメ口をきき、名前は呼び捨て。受賞式でも「さんまもたけしも徹子も小池百合子も写メ撮った」と、相手が大御所だろうが都知事だろうが臆することなく呼び捨てだ。それを失礼だ、非常識だと言う人もいるが、タレントによくある作られたキャラではなく、フワちゃんにとってこれが自然体だという。
社会的な標準や平均からずれた、統計的に見れば「外れ値」みたいな存在の彼女だが、それだけにやることなすこと、話すこと全てが想定外。底抜けに明るく屈託なく、破天荒ゆえに、次に何をするのか、どう動くのか、どんな言葉を発するのか、何に反応するのか分からない。そういう常に視聴者の予想を裏切ってくるような「新奇性」が彼女の魅力だろう。
人が何かに興味を持ったり惹かれたり、それを選んだりするのには、目新しいかなじみ深いかという要因が大きく影響していると言われる。心理学では目新しさを「新奇性」といい、なじみ深さを「親近性」という。フワちゃんの魅力は前者の新奇性。YouTuberならではとも言えるが、普段あまり接したことのない珍しさ、目新しさが彼女の持ち味だ。
反対に、親近性は繰り返し触れることによる慣れや親しみから来る愛着や好感であり、ブレイクした芸人の持ちネタやリズム芸などを何度でも楽しみたい、見たいと思うのは親近性によるもの。だが、芸人枠ながら持ちネタのないフワちゃんが人を惹きつけ続けるには、親近性ではなく新奇性こそが勝負のカギとなる。
まだまだ勢いの止まらないフワちゃん。コロナ禍の暗いムードを持ち前の破天荒な明るさで吹き飛ばしてほしい。
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https://news.yahoo.co.jp/articles/e217acb16188e8747a28040ed918d140c88ce86f
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流行語大賞トップ10入りのフワちゃん「新奇性」が人気の秘訣
流行語大賞トップテンにに選出され大喜びするフワちゃん(写真/時事通信社)
臨床心理士・経営心理コンサルタントの岡村美奈さんが、気になったニュースや著名人をピックアップ。心理士の視点から、今起きている出来事の背景や人々の心理状態を分析する。今回は人気急上昇中の芸人でYouTuberのフワちゃん(27才)について。
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「あたしが2020年のリーダーってこと!?」と、自撮り棒片手に満面の笑みを見せたのは、若者を中心に人気を集めているフワちゃん。12月1日に発表された『2020ユーキャン新語・流行語大賞』(現代用語の基礎知識選)で、自身の名前「フワちゃん」がトップテン入りし受賞した。
流行語大賞で人名やグループ名が受賞するのは2010年のAKB48以来のことらしい。今やその顔をテレビで見ない日はないほどの人気者のフワちゃんは、12月2日に発表された『2020テレビ番組出演本数ランキング』(ニホンモニター)でも堂々の2位。個人的には、フワちゃんがテレビに出る度に見たいような見たくないような、何が飛び出るか分からない怖いもの見たさという感覚に襲われるのだが、フワちゃんの何が人を惹きつけるのだろう。
授賞式では、持参した自撮り棒をくるくるとバトンのように回したかと思えば、渡された記念盾を抱え「撮れた!」と自撮りし大はしゃぎ。喜びの感想を聞かれると、「とっても嬉しい。2020年はフワちゃんとみんなの年でした」と弾けた笑顔を見せた。「アンミカさんに報告する」と話し始めるも、司会者が「ありがとうございました」とそれをあっさり切り上げてしまうと、「おじさんがあしらってる」と苦笑い。最後は左足を高く持ち上げ、V字バランスのようなポーズをしながら「おめでとう!」とはっちゃけた。
いつものお団子ヘアにカラフルなヘアアクセサリーを着け、ビビッドなブルーにピンクの縁取りが付いた半袖のチャイナドレス風トップスと牛柄模様のホットパンツ姿のフワちゃん。寒さが厳しくなってきたこの時期でも、へそ出しの奇抜なフアッションで現れた。さすがにスポーツブラではなかったが、この独特なファッションこそがフワちゃんの特徴を端的に表している。見た目通りにキャラも奇抜で良くいえば自由奔放、天衣無縫、天真爛漫。無邪気で常識やルールに縛られない。
相手が誰であろうとタメ口をきき、名前は呼び捨て。受賞式でも「さんまもたけしも徹子も小池百合子も写メ撮った」と、相手が大御所だろうが都知事だろうが臆することなく呼び捨てだ。それを失礼だ、非常識だと言う人もいるが、タレントによくある作られたキャラではなく、フワちゃんにとってこれが自然体だという。
社会的な標準や平均からずれた、統計的に見れば「外れ値」みたいな存在の彼女だが、それだけにやることなすこと、話すこと全てが想定外。底抜けに明るく屈託なく、破天荒ゆえに、次に何をするのか、どう動くのか、どんな言葉を発するのか、何に反応するのか分からない。そういう常に視聴者の予想を裏切ってくるような「新奇性」が彼女の魅力だろう。
人が何かに興味を持ったり惹かれたり、それを選んだりするのには、目新しいかなじみ深いかという要因が大きく影響していると言われる。心理学では目新しさを「新奇性」といい、なじみ深さを「親近性」という。フワちゃんの魅力は前者の新奇性。YouTuberならではとも言えるが、普段あまり接したことのない珍しさ、目新しさが彼女の持ち味だ。
反対に、親近性は繰り返し触れることによる慣れや親しみから来る愛着や好感であり、ブレイクした芸人の持ちネタやリズム芸などを何度でも楽しみたい、見たいと思うのは親近性によるもの。だが、芸人枠ながら持ちネタのないフワちゃんが人を惹きつけ続けるには、親近性ではなく新奇性こそが勝負のカギとなる。
まだまだ勢いの止まらないフワちゃん。コロナ禍の暗いムードを持ち前の破天荒な明るさで吹き飛ばしてほしい。
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https://news.yahoo.co.jp/articles/e217acb16188e8747a28040ed918d140c88ce86f