1965年から9連覇した巨人以来2球団目となる日本シリーズ4連覇を達成した工藤公康監督 photograph by Hideki Sugiyama
雑誌「Sports Graphic Number」と「NumberWeb」に掲載された記事のなかから、トップアスリートや指導者たちの「名言」を紹介します。今回は日本一4連覇を達成した福岡ソフトバンクホークスにまつわる3つの言葉です。
【貴重写真】高校時代ガリガリな柳田にヤンチャそうな工藤&坂本に原、投手だった岡本・丸、イケメンな和田、超無名の甲斐…名選手60人超の高校時代
<名言1>
工藤公康はシミュレーションの天才ですからね。
(川崎宗則/Number Web 2020年11月14日配信)
◇解説◇
今季のクライマックスシリーズ直前、Number Webの取材で古巣ソフトバンクの強さを熱く語っていた川崎(記事はこちら)。中でも指揮官・工藤公康の采配を見所に挙げていた。
「こうきたらこうくる、このピッチャーがきたらこれをやる、このピッチャーとこのバッターはこうこうで、何回裏に何をやって、バントしてって、全てシミュレーションが済んでるんです」
日本シリーズ連勝記録を「12」に伸ばした
4連覇が懸かった日本シリーズ第4戦。初回から球数がかさんだ先発の和田毅を2回48球で見切ると、成長著しい2番手・松本裕樹にスイッチ。5回には巨人のキーマン丸佳浩に対して、“左キラー”の嘉弥真新也を早々に投入。右打者が続く6回表にはアンダースロー高橋礼を、下位打線には岩嵜翔をマウンドに送って追いすがる巨人打線を封じ込め、モイネロ→森という勝利の方程式につないでいった。
ハマったのは投手陣だけではない。打線も10月の好調そのまま、選球眼に優れるベテラン中村晃を2番に置くことで1番・周東佑京の脚を際立たせると、柳田悠岐とグラシアルの後ろには序盤の調子を取り戻していた栗原陵矢を5番で起用し続け、シリーズMVPの活躍を後押しした。
日本一決定後のインタビューでは周囲への感謝を口にするなど、最後まで抜け目なく締めくくった工藤監督。
ムネリンの予言通り(? )ソフトバンクは2018年から続く日本シリーズ連勝記録を「12」に伸ばした。
「世界の王」が植え付けた勝利への探求心
<名言2>
オマエら負けて悔しくないのか。
(王貞治/Number989号 2019年10月31日発売)
◇解説◇
ダイエー、ソフトバンクと親会社の変化こそあったが、ホークスは2019年に福岡移転30周年のメモリアルイヤーを迎えた。今季は球団として初となる日本シリーズ4連覇を達成するなど、いまや“常勝軍団”のイメージが定着している。
しかし、移転当初はいわゆるパ・リーグの“お荷物チーム”とも揶揄されていた。1995年に監督に就任した王も「プロは勝つことが目的なんだ」と叱責することも多かったという。
そんなチームに勝者のメンタリティを植え付けたのが、秋山幸二や工藤公康という黄金時代の西武ライオンズを知る面々だった。チームは次第に強豪の仲間入りと果たし、2010年代になると、その秋山と工藤が監督として“強さ”を継承していった。
ソフトバンクという時代を牽引する企業のバックアップを受けながら、チームの核となる選手を次々に育て上げ、V9時代の巨人や黄金時代の西武に次ぐ存在と呼ばれるほどにまで飛躍したホークス。強さの根幹には「世界の王」が植え付けた勝利への探求心がある。
https://news.yahoo.co.jp/articles/d820236d3c49f8bd2ff1176e1119551f19326e5d
11/29(日) 17:05配信
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規格外同士の夢の対談
<名言3>
ギータが打席に立つと、3、4歩下がる。バットがスタンドまで飛びそうな振りだから。
(糸井嘉男/Number865号 2014年11月13日発売)
◇解説◇
同業者たちに「あのふたりはモノが違う」と、半ば呆れながら太鼓判を押されるのが糸井嘉男と柳田悠岐だ。今回の言葉は、そんな規格外同士の夢の対談で語られたエピソードである。
今から6年前、指揮官・秋山幸二に連れられた若き日の柳田は、対戦相手である糸井の打撃練習をよく観察していたという。
ふたりの視線を感じていた糸井は……
「監督は『これなんだよ』『軸がぶれねえだろ』、言ってました。自分とタイプが似ている糸井さんを見習えということだったんです」
打撃ケージの中からふたりの視線を感じていたという糸井は「めっちゃやりづらかった」と苦笑しながらも、当時から柳田のスイングには一目置いていた。
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20201129-00846038-number-base