テニスの4大大会の男子シングルス決勝で、「ビッグ4」が1人もいないのは6年ぶり――。13日(日本時間14日)の全米決勝は、世界ランキング3位で27歳のティエム(オーストリア)と同7位で23歳のA・ズベレフ(ドイツ)の対戦になった。どちらが勝っても、4大大会で初の頂点だ。
4大大会のタイトルは近年、フェデラー(スイス)、ナダル(スペイン)、ジョコビッチ(セルビア)、A・マリー(英)の「ビッグ4」がほぼ独占してきた。ジョコビッチが初優勝した08年全豪から、今年の全豪までの4大大会49大会のうち、44大会をこの4人のいずれかが制覇している。30代の4人が、若い世代の前に立ちはだかってきた。「ビッグ4」のいない4大大会決勝だけに限っても、直近は14年全米のチリッチ(クロアチア)―錦織(日清食品)までさかのぼる。
今大会、右ひざを手術したフェデラー、新型コロナウイルスの影響を懸念したナダルは欠場。昨年に臀部(でんぶ)の再手術をしたA・マリーは2回戦敗退。第1シードのジョコビッチは4回戦で4大大会の規則に反したとして失格となった。
ようやく巡ってきたチャンス。4大大会3度準優勝のティエムは「彼らから素晴らしい経験を積んだ。(決勝は)全力で集中したい」。4大大会初の決勝進出となったA・ズベレフは「若い選手はチャンピオンになることに飢えている」と話した。(堤之剛)
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