2020年4月8日 17時48分
https://news.biglobe.ne.jp/sports/0408/spn_200408_6042570881.html
ヤクルトで選手兼任監督を務めた野球評論家の古田敦也氏が(54)、恩師である野村克也さんとの思い出を振り返った。
最も思い出に残っている場面は、92年のオープン戦でのこと。
ある試合で捕邪飛を捕ろうとしたが、壁にぶつかるのを避けながら捕球を試みたため落球。
それに激怒した野村監督が呼び出し、「去年までのお前なら壁に激突しても捕っていた。あの頃のお前はもういないのか!」とまくし立てられたという。
古田は「来週から開幕だからケガしちゃいけない、とこっちにも言い分があった」といい、その不満げな表情に気がついた野村監督から
「お前はキャッチャーくびだ!明日から(キャッチャー)ミット持ってくんな!」と通告され、翌日から外野練習に参加するはめになった。
そして「開幕の3日ほど前にコーチが来て、古田謝ってくれ」と諭されたので、監督室に謝罪に行くと、同監督から「そこに座れ」と一言。
おもむろにソファーに座ると「そこじゃない。ここだ!」と床を指さされた。
「それから正座して2時間、説教されました。謙虚さがなくなったやつにチームは任されへん、と」。
古田も見返したい一心で練習に取り組み、その年ヤクルトの14年ぶりにリーグ優勝に貢献し、「手綱を締められましたね」と懐かしそうに振り返った。
野村さんは84歳で、2月に逝去したばかりで「いつかは来るものだと思っていたが、まだ先かなと思っていたのでびっくりした」と悲しそうな表情を見せた。
練習で笑顔を見せる古田敦也(左)と野村克也監督(1994年6月)