国際オリンピック委員会(IOC)が東京五輪の延期を含めて4週間以内に結論を出すと発表したことを受け、五輪金メダリストら海外選手から23日、最終判断を先送りしたIOCに対し「無責任」「意味不明」と非難する声が相次いだ。新型コロナウイルスの終息が見えず、厳しい練習環境に置かれる選手は通常開催ではなく、延期を強く訴えた。
東京五輪延期の決断を先送りにしたIOCに対し、世界のアスリートから非難の声が相次いだ。
「周囲の人を危険にさらしながら練習し続けなければいけない。意味不明だ。延期は不可避に思える。なぜ待つの」
そうツイートしたのは、アテネでの聖火引き継ぎ式で最終走者を務めた2016年リオデジャネイロ五輪陸上女子棒高跳び金メダルのエカテリニ・ステファニディ(30)=ギリシャ=だ。新型コロナが深刻化する欧米では既に練習施設が閉鎖されている現状を踏まえ、反発した。
陸上女子200メートルで昨年の世界選手権覇者のディナ・アシャースミス(24)=英国=は「すごく無責任。2021年への延期発表を待っていたのに」と失望感を示した。
16年リオ五輪レスリング女子75キロ級金メダルのエリカ・ウィーブ(30)=カナダ=は、通常開催ならボイコットを表明した自国のオリンピック委員会(COC)の考えに共感。「リーダーシップを取ることに敬意を払うし、正しいサイドにいると信じている」とつぶやいた。
一方、陸上女子で五輪経験があるロロ・ジョーンズ(37)=米国=は「正直言うと、もう一年走り続けるために足が持つかわからない。より年を取って五輪を迎える候補者たちには難しい決断がある」と、延期した場合の再調整の難しさを指摘した。
国内では、日本陸連の麻場一徳強化委員長が「8、9合目まで来て今更(山を)下りろと言われても選手たちには酷だ。延期が2年先になら(調整を)一回リセットしないといけなくなる」と話した。
体操は来季にルール変更の可能性があり、日本協会の山本宜史専務理事は「選手のことを考えれば、1年や2年の延期でなく年内にやってもらいたい」。置かれた立場の違いで、反応はさまざまだった。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200324-00000021-sanspo-spo
3/24(火) 7:00配信