【芸能界クロスロード】
芸能人の不倫といえば、かつては俳優や歌手など「スター」と呼ばれる人のステータスのようなもので、「愛人」とも呼ばれ、発覚しても、仕事に支障を来す人はいなかった。平成・令和に替わり女性タレントも芸人も不倫で騒がれる時代。「また」と不倫にすっかり慣れたなか、今度は前代未聞の芸人の妻の不貞が発覚した。
落語家・立川志らく(56)の18歳年下の妻と弟子の不貞現場を「週刊文春」が報じた。車チュー写真など詳細な逢瀬の様子は、おかみさんと弟子の一線を越えているようにしか見えない。日頃、テレビで政界・芸能界と独自の観点で斬ってきた志らく。自分のことは「スルー」では世間は納得しない。昨年秋から司会を務める朝の情報番組「グッとラック!」(TBS系)で釈明した。
「妻はお酒を飲むとわけがわからなくなる」とファンキーな幼妻を擁護。「離婚は1億%ありません」と、聞き覚えのある言い回しで否定した。やはり本人の言葉はスキャンダル対応にはベストな形。不貞騒動は沈静化に向かい、「お後がよろしいようで」と落語家らしく幕を下ろした。
落語家・志らくを多くの人が知ったのは昼の情報番組に出てきた頃だった。坂上忍を筆頭にした毒舌ブームに乗るように故・立川談志の弟子の触れ込みで登場。それまで談志の弟子といえば、志の輔や談春が知られていたが、志らくは普段の話し方からしぐさまで談志師匠にそっくり。「弟子は落語だけでなく、話し方まで習うものか」と感心したが、一方でタレントとして売る意図的なものも感じた。
志らくは老舗大手芸能プロに所属する。近年、芸能プロも文化人からスポーツ選手までさまざまなジャンルの人を所属させ窓口を広げている。志らくの事務所にも予備校講師の林修先生や元将棋棋士の加藤一二三も所属する。落語では師匠でも、テレビは新人タレントと変わらない。どう売り出すかも志らくサイドの手腕。志らくは高座と変わらぬ着物で登場。志らくの高座を見たことがない人でも一目で「落語家」とわかる。そこに談志の弟子の肩書と毒舌が加われば最強。認知されるのも早かった。
勢いに乗り帯番組の司会に就いた。そんなテレビ界を席巻する落語家に毒舌の先輩・ビートたけしが先月、自身の番組後の会見で鋭い指摘をした。志らくの番組について聞かれたたけしは開口一番「面白くないね」とバッサリ。続けて「落語家が着物着て出ているうちはダメ」と批判した。
説得力のある言葉だった。確かに、桂文枝も笑福亭鶴瓶も落語以外のタレントとしての仕事は洋服。着物は神聖な落語家の衣装のように、高座や落語関連の仕事に限っている。即座に志らくもツイッターで、妻から「着物をきてるから昔の良き時代の価値観で喋っている事に説得力がある」と言われたことを明かし「着物で押し通します。もっと上のステージに行けたら洋服も考えます」と反応した。
着物を着なくとも昔の価値観は言葉で伝えられると思うが――。
(二田一比古/ジャーナリスト)
3/12(木) 9:26配信 日刊ゲンダイ
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200312-00000002-nkgendai-ent
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芸能人の不倫といえば、かつては俳優や歌手など「スター」と呼ばれる人のステータスのようなもので、「愛人」とも呼ばれ、発覚しても、仕事に支障を来す人はいなかった。平成・令和に替わり女性タレントも芸人も不倫で騒がれる時代。「また」と不倫にすっかり慣れたなか、今度は前代未聞の芸人の妻の不貞が発覚した。
落語家・立川志らく(56)の18歳年下の妻と弟子の不貞現場を「週刊文春」が報じた。車チュー写真など詳細な逢瀬の様子は、おかみさんと弟子の一線を越えているようにしか見えない。日頃、テレビで政界・芸能界と独自の観点で斬ってきた志らく。自分のことは「スルー」では世間は納得しない。昨年秋から司会を務める朝の情報番組「グッとラック!」(TBS系)で釈明した。
「妻はお酒を飲むとわけがわからなくなる」とファンキーな幼妻を擁護。「離婚は1億%ありません」と、聞き覚えのある言い回しで否定した。やはり本人の言葉はスキャンダル対応にはベストな形。不貞騒動は沈静化に向かい、「お後がよろしいようで」と落語家らしく幕を下ろした。
落語家・志らくを多くの人が知ったのは昼の情報番組に出てきた頃だった。坂上忍を筆頭にした毒舌ブームに乗るように故・立川談志の弟子の触れ込みで登場。それまで談志の弟子といえば、志の輔や談春が知られていたが、志らくは普段の話し方からしぐさまで談志師匠にそっくり。「弟子は落語だけでなく、話し方まで習うものか」と感心したが、一方でタレントとして売る意図的なものも感じた。
志らくは老舗大手芸能プロに所属する。近年、芸能プロも文化人からスポーツ選手までさまざまなジャンルの人を所属させ窓口を広げている。志らくの事務所にも予備校講師の林修先生や元将棋棋士の加藤一二三も所属する。落語では師匠でも、テレビは新人タレントと変わらない。どう売り出すかも志らくサイドの手腕。志らくは高座と変わらぬ着物で登場。志らくの高座を見たことがない人でも一目で「落語家」とわかる。そこに談志の弟子の肩書と毒舌が加われば最強。認知されるのも早かった。
勢いに乗り帯番組の司会に就いた。そんなテレビ界を席巻する落語家に毒舌の先輩・ビートたけしが先月、自身の番組後の会見で鋭い指摘をした。志らくの番組について聞かれたたけしは開口一番「面白くないね」とバッサリ。続けて「落語家が着物着て出ているうちはダメ」と批判した。
説得力のある言葉だった。確かに、桂文枝も笑福亭鶴瓶も落語以外のタレントとしての仕事は洋服。着物は神聖な落語家の衣装のように、高座や落語関連の仕事に限っている。即座に志らくもツイッターで、妻から「着物をきてるから昔の良き時代の価値観で喋っている事に説得力がある」と言われたことを明かし「着物で押し通します。もっと上のステージに行けたら洋服も考えます」と反応した。
着物を着なくとも昔の価値観は言葉で伝えられると思うが――。
(二田一比古/ジャーナリスト)
3/12(木) 9:26配信 日刊ゲンダイ
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200312-00000002-nkgendai-ent
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