「ひとと会うのがつらい」「大勢が集まる場所で動悸がする」「外に出るのが怖い」など……ひとに話しにくい症状に苦しんでいる方々に、エールをお送りしたい。そんな思いから、この対談は実現しました。過去にパニック障害を克服した経験がある西内まりやさんに、精神科医の安田雄一郎先生を交えて心の悲鳴に耳を傾けることの大切さについて語っていただきました。
パニック障害とは?
パニック障害を克服した西内まりやさん「勇気を出して、自分の心と向き合う時間を」
突然起こる動悸、めまい、不安感、胸の圧迫感などの「パニック発作」が長期に渡って起こると「パニック障害」と診断される
―パニック障害とは、医学的にどのような状態?
安田先生:
突然起こる動悸、めまい、不安感、胸の圧迫感、そういった症状をパニック発作と呼びます。緊張する場面とか、大勢の人がいる場所などで起こることが多いのですが、パニック発作が長期にわたって頻繁に起こって困るとなると、パニック障害と診断されます。
西内さん:
パニック発作が連続するとパニック障害に……
安田先生:
緊張する必要がないときでも電車の中や楽しむために出かけたライブ会場などでパニック発作が起きるなど、パニック障害になると「広場恐怖」というものに苦しんだりもします。
―自覚症状は様々なのでしょうか?
安田先生:
動悸とか不安、緊張が強いとかですけど、パニック発作的な症状が出たりとか、うつ病と併発したりとか……。職場に行けない、電車に乗れない、外出しづらいとか、そういった形での症状が多いですね。
正しい治療を 勇気をだして向き合おう
パニック障害を克服した西内まりやさん「勇気を出して、自分の心と向き合う時間を」
「理解してくれる人が少しでもいるだけで、全然違いました」
―西内さんの自覚症状はどのようなものでしたか?
西内さん:
すごく頑張りすぎちゃう性格だったので、それが結局自分の中の限界を超えちゃうというか、バケツが溢れちゃった時に、パニック発作のような症状が出ました。不安な気持ちになったり、眠れなかったりとか、頻繁に起きていた時期というのはすごく苦しかったです。
安田先生:
頑張り過ぎちゃう……そういう方は、多いです。ご自身で対策を練ったのでしょうか?
西内さん:
初めはすごく、ネットで調べました。それでメンタルクリニックに行って、診断してもらった時に、すごく安心したんです。先生が理解してくれたことへの安心と、私だけじゃないんだって思えた安心がありました。もらった薬も「お守り」みたいな存在で、心強かったです。
―メンタルクリニックに行くことで気持ち的にも変わった?
西内さん:
少し客観的に自分を見ることで、楽になりましたね。薬はお守りにして、ポジティブになれる生活を心がけました。
安田先生:
薬との距離の取り方が上手だったんだと思います。薬だけで改善するのは難しいので、日光に当たったり、体を動かしたりできると、より良いですから。
西内さん:
それと、私は環境を変えて、自分の心と向き合う時間を作ったことがよかったと思います。以前は自分自身が自分を大切にできなくなってしまうところまで頑張りすぎていたので……。誰かのためとか、何かのためにって、自分を後回しにしてました。素直に心が喜ぶ環境作りが私の救世主でしたね。
安田先生:
それは素晴らしいことだと思います。
西内さん:
あと、運動しました! すごくスッキリするんですよね。最初は運動する気力がわかなかったり、外出自体がつらかったんですけど、このままでいるのは悔しいって思ったんです。
―悔しさがバネになったんですね。それで自分にとって大事なものが見えてきた……。
西内さん:
はい。朝日を見に行ったり、海の音を聞いたり、川に行ったり、自然と触れ合った時に、忘れていた大切なものをすごい思い出して。頑張ることや、仕事が成功することだけが幸せじゃないな、ここにも幸せあるじゃん、なんで気づかなかったんだろうみたいな。
安田先生:
日光照射量が少ないと人間は鬱になりやすくなるので、医学的にも理にかなってますね。だから引きこもるのは良くないんです。
続きまーす
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