文春 VS レプロ レプロ側圧勝の裁判記録
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/701/088701_hanrei.pdf 【被告(文春)らの認否・反論】
真実と論評を書いただけで、レプロを貶めるような事実の適示をしたわけではない。
記事を読んだ読者もレプロが悪いなんて思わないはずだから名誉棄損してない。
【真実性・相当性等の抗弁 文春側】
この記事を書く前から能年には洗脳騒動があり、すでに国民の関心は非常に高かったので、
能年について書くことは公共の利益に資するものである。
そして、その公益のために書いた数々の事実は真実であるか、
あるいは我々が真実と信じるに十分な取材を行っており過失も存在しない。
【真実性・相当性等の抗弁 レプロ側】
公共の利益となる事実とは多数の一般人の利害に関わるものでなければならず、
好奇心を集めるだけのゴシップ記事は公共の利益に関わる事実とは言えない。
給与面については、小遣い5万の他に家賃、食費、光熱費、交通費、他様々な経費を負担しており真実と大きく乖離している。
送迎に関する記事については全く事実確認を欠いており、信じるに十分な取材が行われたとは思えない。
進撃の巨人は生ゴミ先生が勝手に東宝と話を進めた闇営業なので東宝にクレーム入れるのは当たり前。
パワハラ報道に関しては負け犬発言を含め事実無根。
【東京地裁判断 認定事実】
・下積み時代から小遣い5万、家賃、光熱費、食費、など事務所は年間360万円相当を支給していた。
・あまちゃん開始から3か月の時点で月給は20万に増額されボーナスも支給された。
・あまちゃん終了後にはボーナスが200万支給され、家賃30万の部屋に引っ越させた。
・リハーサルや打ち合わせに送迎車が出ないのは能年だけでなくレプロ全員共通のルールである。
・マネージャーが6人も変わったが、それはマネージャー自身の申告か能年の要望によるものだった。
・事務所は少なくとも映画2本、戦争ドラマ1本、人形劇(声優)の仕事を提案していた。
・進撃の巨人の監督が生ゴミ先生と出演交渉を進め、レプロがこれに抗議してオファーは立ち消えとなった。
・マネージャは戦争ドラマと人形劇(声優)出演の説得と、進撃の巨人に関する説明をメールで伝えた。
・能年はマネージャーからのメールに対して「事務所は私の意見をいつも無視している。
あまちゃんという死を描かずに絆を確認するというテーマの中に生きた私が戦争ものに出るなんてあり得ない。
なぜ戦争ものなのか、なぜ人形劇(声優)なのか。」と不満を返信した。
・原告会社は能年のかたくなな拒否を受けてドラマと人形劇のオファーを断っている。
(ちなみに能年がレプロを逆恨みするほど出たがった進撃の巨人は戦争ものであり、
後に引き受けた「この世界の片隅に」は戦争物で声優。)_(┐「ε:)_ズコー
・能年と生ゴミ先生は個人事務所カリントウを立ち上げ、原告はそれをネットニュースで知った。
・能年は2018年10月にレプロに謝罪し、マネジメントを依頼したい旨を申し入れている。
【東京地裁判断 名誉毀損該当性】
被告はレプロが悪いと書いたわけじゃないし、そう感じる読者もいないと主張しているが
『パンツも買えない』『パワハラ』などの大見出しは、明らかに極悪事務所と印象付けるもので、
記事を読んだ者がレプロを嫌悪するのは明らかであり、社会的地位を失墜させるものと認められる。
【東京地裁判断 真実性・相当性】
被告の主張が真実かつ公益性が認められるか、
真実と信じるに相当する理由があれば名誉棄損を免れるため、個別に検証する。
・下着を買えないほどの酷い経済状態だったとする部分の真実性は認められない。
出版社は実質360万円の内訳をほぼ把握していたので相当性も認められず、
読者の認識を誘導するためにあえて5万円以外の出費部分を伏せたとも推認できる。
・仕事を与えず干していたという部分はメールのやり取りから仕事の提案をしていたのは明らかであり事実に反する。
進撃の巨人に関してはそもそも正式オファーが入っていないので妨害されたというのは想像でしかない。
干されてるというのは生ゴミ先生側の主張だけを聞いたもので明らかに偏った取材であり、
また多大な投資をして育てたタレントに仕事を与えないなどという事は理屈として筋が通っておらず、
その主張を鵜呑みにして他方への取材を行わなかったことは短絡的で相当性も認められない。
・パワハラについては一方的な主張なので真実性も相当性も認められない。
【東京地裁 判決】
被告に名誉毀損を理由とする不法行為に基づく損害賠償として660万円の支払いを命じる