【NBAに続きNCAAバスケが開幕】
日本人として史上初のドラフト1巡目指名を受けた八村塁選手がNBAデビューを飾り、さらに開幕以降も期待通りの活躍を続け、日本でもNBAへの関心が高まりを見せているようだ。
そんな中NBAから少し遅れて、11月6日にNCAAバスケもシーズン開幕を迎えたのをご存じだろうか。大学の男子バスケは米国ではNBAに負けないほどの人気を誇り、毎年3月に実施されるNCAAトーナメント(全米大学選手権)は米国最大のスポーツイベントの1つになっている。
八村選手がNBA入りしてしまったものの、今シーズンもディビジョン1(NCAAで最も高いレベルを指す)に、日本代表にも選出されているテーブス海選手(ノースカロライナ大ウィルミントン校)らが在籍しており、彼らの活躍が注目されるところだ。
また八村選手がそうだったように、NCAAはNBAを目指す選手たちの登竜門ともいえる舞台だ。ここで活躍した選手たちがドラフト候補選手になり、プロの道に進んでいく。そのため多くのスカウト達がNCAAに熱い眼差しを向けている。
【NBA屈指の伝説選手の息子がNCAAデビュー】
そんなNCAAで、個人的に高校時代から動向を追っていた1人の選手がデビューを飾った。UCLAに所属する1年生、シャリーフ・オニール選手だ。
チームの開幕戦となった11月7日のロングビーチ州立大戦で、ベンチスタートからわずか6分間の出場(得点無しで3リバウンド、1スティール)に留まったが、ようやくNCAAの公式戦のコートに立つことができた。
この選手こそ、NBAで史上最強のセンターと謳われ、殿堂入りも果たしているシャキール・オニール氏の息子さんなのだ。
今更シャキール・オニール氏の説明をする必要はないと思うが、1992年のドラフトでオーランド・マジックから全体の1巡目指名を受けると、ルーキーシーズンから圧倒的なパワーと216センチとは思えない俊敏な動きでチームの大黒柱として活躍し、瞬く間にリーグ屈指の人気選手に躍り出た。
最終的にNBAに20シーズン在籍し、NBA王座4回、MVP受賞1回、オールスター戦選出15回等々輝かしい戦績を残し、2014年に殿堂入りも果たしている。引退後も彼の人気は絶大で、TV解説者をはじめ各方面でマルチな活躍をしている。
【昨シーズンは開幕直前に心臓疾患で不運の離脱】
前段でシャリーフ選手のNCAAデビューを、“ようやく”と表現したのにはワケがある。
彼は1年生といっても“レッドシャツ1年”(前シーズンは一度も公式戦出場のロースターに入らずに終わったため、もう一度1年からスタートできる)であり、彼は実質UCLA2年目の選手なのだ。
実はシャリーフ選手は、昨シーズンの開幕直前に心臓疾患が見つかり、それを治すには手術が必要であることが判明。病気治療に専念するためシーズンを棒に振っていたのだ。
そして手術は無事成功し、今年3月に再びチームに合流することが許可され、こうしてシーズン開幕を迎えることができたのだ。
心臓自体は問題なくプレーできるまで回復しているものの、地元紙の報道によると、今でも心臓の鼓動を計測する器具を装着して練習を行っている状態だという。
【父シャキールとはまったく違うプレースタイル】
シャリーフ選手は身長が206センチしかなく体つきも細身で、ポジションも父シャキール氏とは違いスモールフォワードを務めている。
父のようにダンクシュートを決めることもあるが、フリースローが苦手だった父とは違いシュートタッチも柔らかく、外からのシュートも得意にしている。ポジションの違いもあるので当然ではあるが、そのプレースタイルは父とはまったく異なっている。
それだけにシャリーフ選手にシャキール氏を重ね合わせるのは、かなり無理があるといっていい。
>>2以降に続きます
菊地慶剛 | スポーツライター/近畿大学法学部非常勤講師
11/8(金) 15:28
https://news.yahoo.co.jp/byline/kikuchiyoshitaka/20191108-00150043/
日本人として史上初のドラフト1巡目指名を受けた八村塁選手がNBAデビューを飾り、さらに開幕以降も期待通りの活躍を続け、日本でもNBAへの関心が高まりを見せているようだ。
そんな中NBAから少し遅れて、11月6日にNCAAバスケもシーズン開幕を迎えたのをご存じだろうか。大学の男子バスケは米国ではNBAに負けないほどの人気を誇り、毎年3月に実施されるNCAAトーナメント(全米大学選手権)は米国最大のスポーツイベントの1つになっている。
八村選手がNBA入りしてしまったものの、今シーズンもディビジョン1(NCAAで最も高いレベルを指す)に、日本代表にも選出されているテーブス海選手(ノースカロライナ大ウィルミントン校)らが在籍しており、彼らの活躍が注目されるところだ。
また八村選手がそうだったように、NCAAはNBAを目指す選手たちの登竜門ともいえる舞台だ。ここで活躍した選手たちがドラフト候補選手になり、プロの道に進んでいく。そのため多くのスカウト達がNCAAに熱い眼差しを向けている。
【NBA屈指の伝説選手の息子がNCAAデビュー】
そんなNCAAで、個人的に高校時代から動向を追っていた1人の選手がデビューを飾った。UCLAに所属する1年生、シャリーフ・オニール選手だ。
チームの開幕戦となった11月7日のロングビーチ州立大戦で、ベンチスタートからわずか6分間の出場(得点無しで3リバウンド、1スティール)に留まったが、ようやくNCAAの公式戦のコートに立つことができた。
この選手こそ、NBAで史上最強のセンターと謳われ、殿堂入りも果たしているシャキール・オニール氏の息子さんなのだ。
今更シャキール・オニール氏の説明をする必要はないと思うが、1992年のドラフトでオーランド・マジックから全体の1巡目指名を受けると、ルーキーシーズンから圧倒的なパワーと216センチとは思えない俊敏な動きでチームの大黒柱として活躍し、瞬く間にリーグ屈指の人気選手に躍り出た。
最終的にNBAに20シーズン在籍し、NBA王座4回、MVP受賞1回、オールスター戦選出15回等々輝かしい戦績を残し、2014年に殿堂入りも果たしている。引退後も彼の人気は絶大で、TV解説者をはじめ各方面でマルチな活躍をしている。
【昨シーズンは開幕直前に心臓疾患で不運の離脱】
前段でシャリーフ選手のNCAAデビューを、“ようやく”と表現したのにはワケがある。
彼は1年生といっても“レッドシャツ1年”(前シーズンは一度も公式戦出場のロースターに入らずに終わったため、もう一度1年からスタートできる)であり、彼は実質UCLA2年目の選手なのだ。
実はシャリーフ選手は、昨シーズンの開幕直前に心臓疾患が見つかり、それを治すには手術が必要であることが判明。病気治療に専念するためシーズンを棒に振っていたのだ。
そして手術は無事成功し、今年3月に再びチームに合流することが許可され、こうしてシーズン開幕を迎えることができたのだ。
心臓自体は問題なくプレーできるまで回復しているものの、地元紙の報道によると、今でも心臓の鼓動を計測する器具を装着して練習を行っている状態だという。
【父シャキールとはまったく違うプレースタイル】
シャリーフ選手は身長が206センチしかなく体つきも細身で、ポジションも父シャキール氏とは違いスモールフォワードを務めている。
父のようにダンクシュートを決めることもあるが、フリースローが苦手だった父とは違いシュートタッチも柔らかく、外からのシュートも得意にしている。ポジションの違いもあるので当然ではあるが、そのプレースタイルは父とはまったく異なっている。
それだけにシャリーフ選手にシャキール氏を重ね合わせるのは、かなり無理があるといっていい。
>>2以降に続きます
菊地慶剛 | スポーツライター/近畿大学法学部非常勤講師
11/8(金) 15:28
https://news.yahoo.co.jp/byline/kikuchiyoshitaka/20191108-00150043/