人情に厚い大工の棟梁が、シングルマザーとその息子のために家を建てる物語だという。長渕剛(63)が棟梁を演じる映画「太陽の家」は、来年1月に全国公開予定である。しかしどういうわけか、劇場公開に先駆けて、今月末からどんどん“公開”してしまうのだ。
「太陽の家」の公式サイトには、〈2020年1月、TOHOシネマズ 日比谷他 全国公開〉とある。感動作との触れ込みだし、ちょっと観に行ってみようかと上映予定の映画館をチェックして……いや、チェックできない。〈劇場情報〉の文字がクリックできないのだ。
ならば、と「TOHOシネマズ 日比谷」の公開予定作品情報を見ても来年1月の公開予定の掲載はナシ。そこで長渕剛のHPを訪れると、〈業界初! 映画観覧後のライヴ・ツアー!〉〈全国10都市17公演/シネマ&ライヴツアー決定!〉といった文字が飛び込んできた。〈本公演は20年振りに長渕剛が主演する映画「太陽の家」を上映(約120分)した後に、長渕剛がライヴ(約60分)を行う予定〉だとか。
10月31日、長渕の故郷である鹿児島での公演を皮切りに12月17日までのスケジュールがびっしり。要は、ライブが「映画付き」になったというわけである。
■映画業界で孤立
「やっぱり、おかしいですよねえ」
と、スポーツ紙の芸能担当記者が首を傾げる。
「『太陽の家』の製作発表は今年4月に行われましたが、映画業界では、配給会社の仕切りで製作発表会を開いてからクランクインするのが一般的。ですが、『太陽の家』の場合、配給会社は公表されなかったんです。芸能担当記者のあいだでは、“またトラブルになったか”と言い合っていました」
そのトラブル遍歴は、映画業界では誰もが知る話で、
「長渕さんは、『英二』や『ウォータームーン』といった主演映画で、ベテランの監督たちと衝突して決裂しています。それで作品のクオリティが落ちるのはもちろん、配給会社の協力も満足に得られずに興行成績も散々でした。早い話、彼には映画業界で孤立してしまった過去があるわけです」
実際のところはどうなのか。「太陽の家」の配給会社に訊ねると、
「劇場情報公開は映画によってまちまちで、遅れているわけではありません。情報解禁前というだけです」
“映画付きライブ”について「映画『太陽の家』製作委員会」に聞いても、
「長渕剛40周年プロジェクトの一環として当初からの企画となります」
と、すべては予定通りと強調する。先の記者によると、今回、監督とのトラブルなどは聞こえていないが、
「どうしても、配給会社と揉めたりして劇場が押さえられなかったのでは、と疑ってしまいます。長渕ファンなら確実に足を運び、映画の興行的にもペイするわけですからね」
ライブ&シネマのチケット代は1万2500円也。長渕ファンなら映画ナシでも払いそうな金額ではある。
「週刊新潮」2019年10月31日号 掲載
11/4(月) 5:57配信 デイリー新潮
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20191104-00590617-shincho-ent