『バットマン フォーエヴァー』と『バットマン&ロビン Mr.フリーズの逆襲』を手がけたジョエル・シュマッカー監督。なぜ、両作品は失敗作となってしまったのでしょうか?
物事をランク付けしたいという衝動は、人間の欲求の1つであり、正しい答えも間違った答えもありません。
しかしながら「バットマン」シリーズの各作品で、主役を演じた俳優たちをランク付けするとなると話は別であり、誤った答えが生まれてしまうと従来から言われてきています。その間違った答えとは、「最悪のバットマンと言えば、ヴァル・キルマーかジョージ・クルーニーのどちらか」というものです。
しかし、ヴァル・キルマー主演『バットマン フォーエヴァー』(1995年)とジョージ・クルーニー主演『バットマン&ロビン Mr.フリーズの逆襲』(1997年)の両作品で監督を務めたジョエル・シュマッカーの考えは異なるようで、キルマーもクルーニーもテーブルを支えるべきではなく、そして特にキルマーに関しては「とても素晴らしかった」と述べています。
「ジョージ(・クルーニー)は『バットマン&ロビン Mr.フリーズの逆襲』が失敗に終わったのは、自分の責任だと必ず言っています。しかしながら実際はそうではありません」と、シュマッカーはオンラインメディア「Vulture」に語っています。
シュマッカーは「あの発言はとてもジョージらしい」と言いつつ、しかし、クルーニーが着ていた乳首付きのバットスーツ(バットマンのコスチューム)以外にも多くの問題があったと説明しています。
また、「バットマンは1939年にコミックが誕生し、それからずっと生き残ってきているものです。バットマンの行く手を阻めるものはひとつもありませんでした」と、シュマッカーはコメントしています。
ジョエル・シュマッカー監督、「バットマン」シリーズ2作の失敗について語る
『バットマン フォーエヴァー』で悪役トゥーフェイスを演じたトミー・リー・ジョーンズ(左)とリドラーを演じたジム・キャリー。(c) Warner Bros.
では実際には、一体どんなことがあったのでしょうか?
「そもそも続編をつくるべきではありませんでした…それがすべてです」と、シュマッカーは話します。また、「私はここで、『続編をつくる理由はたったひとつしかない』ということを私は学びました。『バットマン フォーエヴァー』が、同シリーズの中で最も低予算でつくられた作品であることは間違いないと思います。ヴァル(・キルマー)もニコール(・キッドマン)もクリス(・オドネル)も、そして私も、大したギャラはもらえませんでした。トミー(・リー・ジョーンズ)のギャラはいくらか良いものでしたが、それは彼が『逃亡者』に出演し、アカデミー賞助演男優賞を受賞した後だったからであり、またジム・キャリーもすでに『ジム・キャリーのエースにおまかせ!』で主役を務めた後でしたので…」と、シュマッカーは当時の状況を振り返りました。
『バットマン&ロビン Mr.フリーズの逆襲』や1990年代後半につくられた他の「バットマン」シリーズの作品については、登場人物が弱々しい演技をする場面や彼らが同性愛者であることを仄めかす場面がたくさんあり、そして、それらのシーンに主人公のブルース・ウェインがゲイであることが言外に示されているという声が以前からあります。
しかしながらシュマッカーはそうした考えを否定しながら、「もし私がゲイでなかったら、決してそんな噂はなかったでしょう…」と述べています。また、「ある特定のコミュニティには、ジョージ・クルーニーがゲイであることをとても強く望む人間がたくさんいました」とも彼は付け加えています。
シュマッカーは『バットマン フォーエヴァー』の撮影について振り返り、「ジョーンズがカメラの前で「ひどい演技」をしたことは一度もありませんでしたが、キルマーの場合はまったく「話が別」であった」と話しつつ、「それでもキルマーは、実に素晴らしいバットマンだった」と、シュマッカーは彼のことを擁護してもいます。
シュマッカーが手がけた2作品の後に公開された「バットマン」映画が、高い人気を誇るクリストファー・ノーラン監督の「ダークナイト」3部作であっただけに、少し気の毒ではあります。
次の「バットマン」映画を手がけるのは、「猿の惑星」シリーズを手がけてきたマット・リーブス監督です。さて、どんな作品になるでしょうか? 楽しみで仕方ありません。
9/15(日) 22:40配信 エスクァイア
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190915-00010005-esquire-movi
物事をランク付けしたいという衝動は、人間の欲求の1つであり、正しい答えも間違った答えもありません。
しかしながら「バットマン」シリーズの各作品で、主役を演じた俳優たちをランク付けするとなると話は別であり、誤った答えが生まれてしまうと従来から言われてきています。その間違った答えとは、「最悪のバットマンと言えば、ヴァル・キルマーかジョージ・クルーニーのどちらか」というものです。
しかし、ヴァル・キルマー主演『バットマン フォーエヴァー』(1995年)とジョージ・クルーニー主演『バットマン&ロビン Mr.フリーズの逆襲』(1997年)の両作品で監督を務めたジョエル・シュマッカーの考えは異なるようで、キルマーもクルーニーもテーブルを支えるべきではなく、そして特にキルマーに関しては「とても素晴らしかった」と述べています。
「ジョージ(・クルーニー)は『バットマン&ロビン Mr.フリーズの逆襲』が失敗に終わったのは、自分の責任だと必ず言っています。しかしながら実際はそうではありません」と、シュマッカーはオンラインメディア「Vulture」に語っています。
シュマッカーは「あの発言はとてもジョージらしい」と言いつつ、しかし、クルーニーが着ていた乳首付きのバットスーツ(バットマンのコスチューム)以外にも多くの問題があったと説明しています。
また、「バットマンは1939年にコミックが誕生し、それからずっと生き残ってきているものです。バットマンの行く手を阻めるものはひとつもありませんでした」と、シュマッカーはコメントしています。
ジョエル・シュマッカー監督、「バットマン」シリーズ2作の失敗について語る
『バットマン フォーエヴァー』で悪役トゥーフェイスを演じたトミー・リー・ジョーンズ(左)とリドラーを演じたジム・キャリー。(c) Warner Bros.
では実際には、一体どんなことがあったのでしょうか?
「そもそも続編をつくるべきではありませんでした…それがすべてです」と、シュマッカーは話します。また、「私はここで、『続編をつくる理由はたったひとつしかない』ということを私は学びました。『バットマン フォーエヴァー』が、同シリーズの中で最も低予算でつくられた作品であることは間違いないと思います。ヴァル(・キルマー)もニコール(・キッドマン)もクリス(・オドネル)も、そして私も、大したギャラはもらえませんでした。トミー(・リー・ジョーンズ)のギャラはいくらか良いものでしたが、それは彼が『逃亡者』に出演し、アカデミー賞助演男優賞を受賞した後だったからであり、またジム・キャリーもすでに『ジム・キャリーのエースにおまかせ!』で主役を務めた後でしたので…」と、シュマッカーは当時の状況を振り返りました。
『バットマン&ロビン Mr.フリーズの逆襲』や1990年代後半につくられた他の「バットマン」シリーズの作品については、登場人物が弱々しい演技をする場面や彼らが同性愛者であることを仄めかす場面がたくさんあり、そして、それらのシーンに主人公のブルース・ウェインがゲイであることが言外に示されているという声が以前からあります。
しかしながらシュマッカーはそうした考えを否定しながら、「もし私がゲイでなかったら、決してそんな噂はなかったでしょう…」と述べています。また、「ある特定のコミュニティには、ジョージ・クルーニーがゲイであることをとても強く望む人間がたくさんいました」とも彼は付け加えています。
シュマッカーは『バットマン フォーエヴァー』の撮影について振り返り、「ジョーンズがカメラの前で「ひどい演技」をしたことは一度もありませんでしたが、キルマーの場合はまったく「話が別」であった」と話しつつ、「それでもキルマーは、実に素晴らしいバットマンだった」と、シュマッカーは彼のことを擁護してもいます。
シュマッカーが手がけた2作品の後に公開された「バットマン」映画が、高い人気を誇るクリストファー・ノーラン監督の「ダークナイト」3部作であっただけに、少し気の毒ではあります。
次の「バットマン」映画を手がけるのは、「猿の惑星」シリーズを手がけてきたマット・リーブス監督です。さて、どんな作品になるでしょうか? 楽しみで仕方ありません。
9/15(日) 22:40配信 エスクァイア
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190915-00010005-esquire-movi