来日初年に本塁打と打率の2冠を獲得したジャック・ハウエル――。
プロ野球ファンなら、誰でも知っている外国人レジェンドたちだ。彼らはいずれも、巨人やヤクルトで活躍でした国際スカウト中島国章氏(64)が発掘した助っ人である。
中島氏は40年近くスカウトに携わり、かかわった外国人は100人以上。グラウンドだけでなく、
私生活やプライベートの面倒も親身になってみていた。“名伯楽”中島氏が、優良助っ人たちの意外な素顔を明かす。
◆ホーナー「現金500万円を持ち歩きクラブをハシゴ」
‘87年にヤクルトへ入団したボブ・ホーナーは、ブレーブスでクリーンナップを打っていたバリバリのメジャーリーガーです。
来日デビュー戦の阪神戦で初ホーマーを放つと、翌日には3本塁打を記録。メディアも「さすが本物の大リーガー」と絶賛します。
取材はどんどん過熱しました。彼のマンションには連日マスコミが押し寄せ、レストランに入ったら何を食べたのかまで調べる始末。
ホーナーも、ストレスが溜まっていったのでしょう。私にこう言って、マスコミには完全に口を閉ざしてしまいました。
「もうボクから語ることはない。キミが好きなように話しておいてくれ」
もともと酒好きでしが、日本で酒量も増えた。遠征先では500万円の現金を持ち歩き、クラブを何軒もハシゴし泥酔。ホテルに戻っても収まりません。
「すべての部屋のビールを持って来い!」
こう叫んで、朝まで痛飲していました。
結局「地球のウラ側にはもう一つの野球があった」という名言を残し、ホーナーは1年で帰国してしまいます。
ただ、決して日本が嫌いになったワケではありません。翌年限りでメジャーを引退後、私に次のように話していましたから。
「日本では大きなケガをしなくて良かった。(打率3割、30本塁打以上記録し)ヤクルトに迷惑をかけなくて良かったと今でも思っているよ」
環境になじめずともキッチリ結果を残したホーナーの態度に、本物のプロとはどういうものか教えてもらったような気がします。
◆パリッシュ「美空ひばりの唄を聴き『米国に帰りたい……』」
「オレの好物はワニの肉だゼ」
こう公言していたのは、’89年にヤクルトで本塁打王となったラリー・パリッシュです。
東京・新宿に「アフリカ」というレストランがあり、その店でパリッシュは好んでワニの肉をバクバク食べていました。
しかし豪快なイメージと違い素顔はナイーブ。
日本の管理社会になじめなかったのか、酒が入るといつもホームシックになっていました。
よく聴いていたのは、美空ひばりさんの「川の流れのように」です。言葉はわからなくても、哀愁漂うメロディに望郷の思いを募らせていたのでしょう。
「米国に帰りたい……」と言ってシクシク泣いていた。結局ヤクルトでは2年目の契約をせず、帰国してしまいました
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190816-00000001-friday-base
8/16(金) 7:01配信
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