プロ野球・広島東洋カープは7月24日、同球団の緒方孝市監督が選手を複数回平手で叩いたことを発表した。事の経緯は、6月30日のDeNA戦で、野間峻祥選手が試合中に怠慢プレーをしたことに怒り、手を上げてしまったようだ。球団は緒方監督を厳重注意。本人も深く反省しており、7月15日の試合前に選手やスタッフに対して謝罪をしている。
コンプライアンス意識が高まる昨今、理由はどうあれ緒方監督の行動は非常に軽率だったように思える。ただ、今回の緒方監督が選手を叩いたことはどれほど重い問題なのだろうか。(文:石川祐介)
パワハラ体罰は当然、暴行罪になる可能性も
7月27日の「中居正広のニュースな会」(テレビ朝日系)では、菅野朋子弁護士がパワハラの定義について「職場で立場が上の人間が下の人間に対して、仕事の枠を超えて精神的・身体的な苦痛を与えること」と解説する。
そして、パワハラにあたるケースを説明する中で、女性スポーツ選手が「全力プレーしなかった」として、複数回男性コーチに叩かれたが、選手本人は「怪我をしていないし自分が悪かった」と被害の意識が低い場合もパワハラになるという。
「叩くということは暴行罪になります。例えば、この様子を見ている他の選手に対しても威圧的な態度になります。本人が思っていなくてもパワハラです」
菅野弁護士の話を聞く限り、緒方監督の行為はパワハラにあたり、暴行罪になる可能性もあるようだ。
プロ野球がこの様子では野球人口は減るばかり
日本中学校体育連盟の調査では、中学校軟式野球部の男子の部員数は、2009年度が30万7053人だったのに対し、2018年度では16万6800人と半数近くまで減少した。少子化の影響や他のスポーツの普及など、様々な要因は想定されるが、高校野球を始めとしたアマチュア野球の指導者が子供に暴力を振るったというニュースを定期的に耳にすることが大きいのではないだろうか。
そのことが、「野球をやりたい」と思う子供や、「子供に野球をやらせたい」と思う保護者の減少につながった可能性も考えられる。アマチュアのお手本にならなければいけないプロで、今回のようなニュースが報じられたことは、野球をする子供の数をより一層減少させるキッカケになりかねない。
菅野氏の話にあったように緒方監督の行為は完全なパワハラであるが、球団は厳重注意をしただけ。「野球に暴力はつきもの」と思っているのであれば、即刻考え方を改めるべきである。
2019.8.1キャリコネニュース
https://news.careerconnection.jp/?p=75994
コンプライアンス意識が高まる昨今、理由はどうあれ緒方監督の行動は非常に軽率だったように思える。ただ、今回の緒方監督が選手を叩いたことはどれほど重い問題なのだろうか。(文:石川祐介)
パワハラ体罰は当然、暴行罪になる可能性も
7月27日の「中居正広のニュースな会」(テレビ朝日系)では、菅野朋子弁護士がパワハラの定義について「職場で立場が上の人間が下の人間に対して、仕事の枠を超えて精神的・身体的な苦痛を与えること」と解説する。
そして、パワハラにあたるケースを説明する中で、女性スポーツ選手が「全力プレーしなかった」として、複数回男性コーチに叩かれたが、選手本人は「怪我をしていないし自分が悪かった」と被害の意識が低い場合もパワハラになるという。
「叩くということは暴行罪になります。例えば、この様子を見ている他の選手に対しても威圧的な態度になります。本人が思っていなくてもパワハラです」
菅野弁護士の話を聞く限り、緒方監督の行為はパワハラにあたり、暴行罪になる可能性もあるようだ。
プロ野球がこの様子では野球人口は減るばかり
日本中学校体育連盟の調査では、中学校軟式野球部の男子の部員数は、2009年度が30万7053人だったのに対し、2018年度では16万6800人と半数近くまで減少した。少子化の影響や他のスポーツの普及など、様々な要因は想定されるが、高校野球を始めとしたアマチュア野球の指導者が子供に暴力を振るったというニュースを定期的に耳にすることが大きいのではないだろうか。
そのことが、「野球をやりたい」と思う子供や、「子供に野球をやらせたい」と思う保護者の減少につながった可能性も考えられる。アマチュアのお手本にならなければいけないプロで、今回のようなニュースが報じられたことは、野球をする子供の数をより一層減少させるキッカケになりかねない。
菅野氏の話にあったように緒方監督の行為は完全なパワハラであるが、球団は厳重注意をしただけ。「野球に暴力はつきもの」と思っているのであれば、即刻考え方を改めるべきである。
2019.8.1キャリコネニュース
https://news.careerconnection.jp/?p=75994