スペインの名門・Rマドリードに加入した日本代表MF久保建英(18)は14日、カナダ・モントリオールキャンプで5日目の練習を行った。今回の北米ツアーを取材するスペインの大手スポーツ紙「マルカ」のミゲランヘル・ララ記者(49)は「マドリーのDNAにふさわしい選手」と評価。Bチームで3部リーグ相当のカスティージャが主戦場になる今季の久保を「見た」。
* * * *
キャンプがスタートしてから、みんなが久保に注目している。私には少し恥ずかしがり屋で、溶け込むのに苦労しているように見えるが、真剣な態度は好感が持てる。このプレシーズンは貴重なものになるだろう。バイエルン、アーセナル、Aマドリードとの対戦で今後の方向を見つけられるはずだ。
私の意見は、非常にクオリティーの高い選手ということだ。それはマドリーのDNAにふさわしい。だが冷静に見よう。彼はまだ18歳だ。バルセロナでの経験があるとしても、アジアから来た選手だ。育成にゆっくり時間をかけなければならない。技術だけなら今すぐにでもトップで通用する。スピードがあって判断が良い。しかし、まだフィジカルを鍛えなければならない。日本で肉体を作り始めてきたと思うが、さらにスペインサッカーに必要な体を作る必要がある。
注意点は彼がプレーする2部B(3部リーグ相当)は非常にハードだということだ。1部を経験しサッカーを知り尽くしたベテランがたくさんいる。激しい当たりが多く、その上相手がマドリーのスター候補生なら絶対に蹴られるし、口汚い言葉で挑発される。そこで我慢する精神が必要になる。昨季18歳でデビューしたブラジル人のビニシウスも洗礼を受けた。どこに行っても「年俸100万ユーロ(約1億2000万円)の選手」という看板はついて回る。
それでも彼は2部Bでとどまる選手ではない。ラウル監督が作るカスティージャは、久保+10人のチームになると言っても過言ではない。クラブはスポーツ面だけでなく、社会面でも彼が日本向けの顔となるべく期待をしている。18歳に看板としての活躍を求めている。
マドリーのトップでプレーはできるだろう。だが成功できるかとなると、話は違う。マドリーは他のどのクラブとも比べられない。(クラブOBで元フランス代表MFの)マケレレは、この前「マドリーの1か月は、他のチームの30〜40か月分ぐらい力がいる」と話していた。これからは持っている力を全て示していかなければならない。そして日々の努力が、未来の栄光への道を切り開く。
◆スペインリーグ 1部が20チーム、2部が22チーム、久保の所属する「カスティージャ」など2部B(3部相当)は80チームある。3部にはプロ契約でない選手も多く、クラブの経済的問題による消滅、選手への給料未払いにより4部へ自動降格することもある。カスティージャと同じ2部BのバルセロナBには、かつて元スペイン代表DFプジョル、同MFシャビ、イニエスタ、同FWメッシらがプレーし、トップ昇格を果たした。
7/16(火) 5:33配信 スポーツ報知
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190716-00000017-sph-socc
写真