今や芸能界のご意見番、美川憲一(73)。ものまね歌合戦に初出演したのが平成元年、新たなステージの始まりだったという美川が昭和、平成の芸能界を振り返り、令和への思いを語る。
美川の知名度は抜群。つい先日も新曲リリースイベントではなんと1800人が集まった。
「タダだから集まるのよ、怖いもの見たさで(笑い)。『こんなに集まって、よっぽどヒマだったのね』って笑いにしてますが、本当にありがたいことです。
転機になったのは、ものまね歌合戦の“ご本人登場”企画でしたね。
そのあとCMの『もっと端っこ歩きなさいよ』でブレークし、平成はキャラクターに助けられましたね」
平成の30年で印象に残っていることは?
「時代が目まぐるしくなって常に凶悪な事件が続いた印象が大きいですね。
中でもオウム真理教の事件が象徴的に思います。不安を抱えているから何かにすがりたい、心の隙間に入り込んだ一種の“悪魔のささやき”でしょう。薬物の事件もそのひとつだと思います」
大麻所持でどん底を味わった美川は、ピエール瀧のコカイン逮捕にも憤まんやるかたない。
「『テンション上げるためにコカインを使っていた』という発言には“何でそこまで言ってしまうのか”と呆れました。(ピエール瀧は)小心者なんでしょうね。
もし本心だとしても、それじゃステージに上がるために薬を使ってきたのか、って話になってしまう。
あれは芸能人として禁句だと思います。芸能リポーターも“もっと聞きゃあいいのに”と思いますよ。
私が逮捕された頃は毎日ワイドショーに追いかけられ、キツイ質問攻めが続きましたから。でないと悪魔が近寄ってくるんだから」
悪魔とは?
「薬物は繰り返すのが普通で、懐かしさというか、高揚感を体が覚えています。また薬を渡そうとする人も寄ってきます。
そういった悪魔を断ち切るにはよっぽど精神を強くしないとならないんです。でも、私もあの時逮捕されなかったら、芸能生活55周年を迎えることなく“あの人は今”になっていたかもしれません。
あの時、地獄を見て這い上がったことは自分の誇りなので、30年以上経った今でも薬物についてお話しするんです」
“雲隠れ”は芸能界復帰を遅らせるだけだという。
「新井浩文さんも、ピエール瀧さんも、もっと人前に出るべきだと思います。ネットなんかいちいち気にしてはダメ。
今以上に落ちることはないし、そのくらい腹くくっていないとね。外に出れば『捕まった美川よ』って耳に入ることもありました。
世間に出ることによって反省することがあるし、しっかり受け止めることができて、復帰も更生も早い。ひとつのつまずきをバネにやり続ければいいんです。
ショーケンだって実力があるから、ヤンチャがアダにもなっていますが、戻ることができたのは事実です。
新井さんも役者として実力があるのだから、時間が経てば手を差し伸べてくれる人がいるはず。
その時のために反省して待つべき。これからの生き方が問題だと思います」
(あすにつづく)
▽みかわ・けんいち 1946年、長野県生まれ。64年大映ニューフェースに合格、66年「柳ケ瀬ブルース」が120万枚を売り上げ、
「新潟ブルース」「釧路の夜」「お金をちょうだい」「さそり座の女」など次々とヒットを記録。
90年に金鳥「タンスにゴン」のCMのセリフ「もっと端っこ歩きなさいよ」がブームに。現在、新曲「愛染橋を渡ります」で全国キャンペーン中。
http://news.livedoor.com/article/detail/16471891/
2019年5月17日 9時26分 日刊ゲンダイDIGITAL
美川の知名度は抜群。つい先日も新曲リリースイベントではなんと1800人が集まった。
「タダだから集まるのよ、怖いもの見たさで(笑い)。『こんなに集まって、よっぽどヒマだったのね』って笑いにしてますが、本当にありがたいことです。
転機になったのは、ものまね歌合戦の“ご本人登場”企画でしたね。
そのあとCMの『もっと端っこ歩きなさいよ』でブレークし、平成はキャラクターに助けられましたね」
平成の30年で印象に残っていることは?
「時代が目まぐるしくなって常に凶悪な事件が続いた印象が大きいですね。
中でもオウム真理教の事件が象徴的に思います。不安を抱えているから何かにすがりたい、心の隙間に入り込んだ一種の“悪魔のささやき”でしょう。薬物の事件もそのひとつだと思います」
大麻所持でどん底を味わった美川は、ピエール瀧のコカイン逮捕にも憤まんやるかたない。
「『テンション上げるためにコカインを使っていた』という発言には“何でそこまで言ってしまうのか”と呆れました。(ピエール瀧は)小心者なんでしょうね。
もし本心だとしても、それじゃステージに上がるために薬を使ってきたのか、って話になってしまう。
あれは芸能人として禁句だと思います。芸能リポーターも“もっと聞きゃあいいのに”と思いますよ。
私が逮捕された頃は毎日ワイドショーに追いかけられ、キツイ質問攻めが続きましたから。でないと悪魔が近寄ってくるんだから」
悪魔とは?
「薬物は繰り返すのが普通で、懐かしさというか、高揚感を体が覚えています。また薬を渡そうとする人も寄ってきます。
そういった悪魔を断ち切るにはよっぽど精神を強くしないとならないんです。でも、私もあの時逮捕されなかったら、芸能生活55周年を迎えることなく“あの人は今”になっていたかもしれません。
あの時、地獄を見て這い上がったことは自分の誇りなので、30年以上経った今でも薬物についてお話しするんです」
“雲隠れ”は芸能界復帰を遅らせるだけだという。
「新井浩文さんも、ピエール瀧さんも、もっと人前に出るべきだと思います。ネットなんかいちいち気にしてはダメ。
今以上に落ちることはないし、そのくらい腹くくっていないとね。外に出れば『捕まった美川よ』って耳に入ることもありました。
世間に出ることによって反省することがあるし、しっかり受け止めることができて、復帰も更生も早い。ひとつのつまずきをバネにやり続ければいいんです。
ショーケンだって実力があるから、ヤンチャがアダにもなっていますが、戻ることができたのは事実です。
新井さんも役者として実力があるのだから、時間が経てば手を差し伸べてくれる人がいるはず。
その時のために反省して待つべき。これからの生き方が問題だと思います」
(あすにつづく)
▽みかわ・けんいち 1946年、長野県生まれ。64年大映ニューフェースに合格、66年「柳ケ瀬ブルース」が120万枚を売り上げ、
「新潟ブルース」「釧路の夜」「お金をちょうだい」「さそり座の女」など次々とヒットを記録。
90年に金鳥「タンスにゴン」のCMのセリフ「もっと端っこ歩きなさいよ」がブームに。現在、新曲「愛染橋を渡ります」で全国キャンペーン中。
http://news.livedoor.com/article/detail/16471891/
2019年5月17日 9時26分 日刊ゲンダイDIGITAL