中学からG大阪のジュニアユース入りしたが、同期の井手口陽介(独2部=グロイター・フュルトMF)という怪物に出会い、ユース昇格がかなわずに高校経由でプロ入り……。
鎌田大地(シントトロイデンFW=22)の経歴は、やはりG大阪で天才・家長昭博(川崎MF)の前に一度は挫折し、星稜高で頭角を現した本田圭佑(メルボルンMF)と酷似している。
W杯3大会4得点という偉大な記録を残した先輩に対して、「全然意識はしません」と言い切る負けん気の強さを武器に、新鋭FWは森保ジャパン定着を狙う。
◇ ◇ ◇
日本五輪代表がブラジルから金星を奪った「マイアミの奇跡」の2週間後の96年8月に生まれた鎌田。
「ソウル五輪金メダリスト・鈴木大地(現スポーツ庁長官)のように力強く生きてほしい」という両親の願いから大地と名付けられた。
小学生の頃から独特の間合いを持ったテクニシャンとして知られ、卒業時には複数のJ下部組織から誘いを受けたが、大阪体育大サッカー部出身の父・幹雄さんが
「開校したばかりのJFAアカデミー福島に進んだ方がいい」と提案。本人も意気揚々と受験したものの、最終選考で不合格。熱心に誘ってくれたG大阪に入って、岸和田市の祖父母の家から通った。
「大地は体幹が細いのにスルスルッとゴール前に顔を出し、点の取れる攻撃センスのある選手。貴史(宇佐美=デュッセルドルフMF)と同じ生粋のサッカー小僧やなと感じました」と中学時代に指導した梅津博徳ジュニアユース監督は言う。
だが、その後は手の骨折や急激な成長に伴う体のバランスが崩れたことで「チームで一番走れない選手」と言われた。
「陽介みたいにフィジカル的にも技術面でもスーパーな選手には、全然かなわなかった」と本人も認めるしかなかった。結局ユース昇格はならず、父の大学の後輩である福重良一監督が指導する東山高校で再起を懸けた。
まずは、人見知りの性格を直すところから福重監督はアプローチした。
「鎌田に話したことの8〜9割が人間性に関することでした。そこが変わればプレーの幅も質も間違いなく変化する。そういう確信がありました」
鎌田は高3に進級する前に「主将をやらせてほしい」と申し出た。
「3年間でここまで変わったヤツはいない」と恩師をうならせた男は、高校時代にゴールを量産。鳥栖からのオファーを射止めた。
プロ1年目から「点の取れる若きファンタジスタ」と高評価。本人は「早く代表に入りたい」と目をギラつかせていたが、ハリルホジッチ、西野監督から招集はなかった。
同い年の井手口や北川航也(清水FW)、三竿健斗(鹿島MF)らに比べると遅咲きでも、潜在能力の高さは一級品。
先輩・本田をしのぐ存在になってほしい。
公開日:2019/03/20 06:00 更新日:2019/03/20 06:00
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/sports/249976
写真
本田以来の抜てき!代表初選出FW鎌田1トップ「目に見える結果がほしい」
日本代表は19日、親善試合の22日・コロンビア戦(日産ス)に向けて横浜市内で合宿2日目を行った。ベルギー1部・シントトロイデンで12得点を挙げて初選出されたFW鎌田大地(22)が、
人生初の1トップでゴール奪取を誓った。未経験者の1トップ抜てきは、2010年南アフリカW杯のMF本田圭佑(32)以来。今回未招集のエースFW大迫勇也(28)とはタイプの違う点取り屋として代表に新風を巻き起こす。
鎌田は冷静に言った。1トップについて「僕のキャリアでは1回もない。代表は細かくパスを回すので、うまくはまればできる。前で使われるなら目に見える結果がほしい」。驚くほど落ち着いた言葉の中に自信があふれた。
未経験者の1トップ抜てきは南アW杯の本田以来。本田は大会直前に主戦場の2列目から最前線にポジションを移し2得点と活躍した。当時とチームもプレースタイルも全く違うが、チャンスをものにできるポテンシャルが鎌田にはある。
鳥栖時代はトップ下が中心だったが、昨年9月に移籍したシントトロイデンでは2トップやウィングと、よりゴールに近い位置で起用される。裏への抜け出し、ゴール前で冷静にドリブルで交わすプレーで、
ここまで得点ランク5位タイの12得点と点取り屋として覚醒。欧州移籍後は上半身を中心に筋トレを重ね「体つきもそうだし、ボールを取られない体の入れ方が身についた」という。
3/20(水) 6:11配信 スポーツ報知
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190319-00000258-sph-socc
鎌田大地(シントトロイデンFW=22)の経歴は、やはりG大阪で天才・家長昭博(川崎MF)の前に一度は挫折し、星稜高で頭角を現した本田圭佑(メルボルンMF)と酷似している。
W杯3大会4得点という偉大な記録を残した先輩に対して、「全然意識はしません」と言い切る負けん気の強さを武器に、新鋭FWは森保ジャパン定着を狙う。
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日本五輪代表がブラジルから金星を奪った「マイアミの奇跡」の2週間後の96年8月に生まれた鎌田。
「ソウル五輪金メダリスト・鈴木大地(現スポーツ庁長官)のように力強く生きてほしい」という両親の願いから大地と名付けられた。
小学生の頃から独特の間合いを持ったテクニシャンとして知られ、卒業時には複数のJ下部組織から誘いを受けたが、大阪体育大サッカー部出身の父・幹雄さんが
「開校したばかりのJFAアカデミー福島に進んだ方がいい」と提案。本人も意気揚々と受験したものの、最終選考で不合格。熱心に誘ってくれたG大阪に入って、岸和田市の祖父母の家から通った。
「大地は体幹が細いのにスルスルッとゴール前に顔を出し、点の取れる攻撃センスのある選手。貴史(宇佐美=デュッセルドルフMF)と同じ生粋のサッカー小僧やなと感じました」と中学時代に指導した梅津博徳ジュニアユース監督は言う。
だが、その後は手の骨折や急激な成長に伴う体のバランスが崩れたことで「チームで一番走れない選手」と言われた。
「陽介みたいにフィジカル的にも技術面でもスーパーな選手には、全然かなわなかった」と本人も認めるしかなかった。結局ユース昇格はならず、父の大学の後輩である福重良一監督が指導する東山高校で再起を懸けた。
まずは、人見知りの性格を直すところから福重監督はアプローチした。
「鎌田に話したことの8〜9割が人間性に関することでした。そこが変わればプレーの幅も質も間違いなく変化する。そういう確信がありました」
鎌田は高3に進級する前に「主将をやらせてほしい」と申し出た。
「3年間でここまで変わったヤツはいない」と恩師をうならせた男は、高校時代にゴールを量産。鳥栖からのオファーを射止めた。
プロ1年目から「点の取れる若きファンタジスタ」と高評価。本人は「早く代表に入りたい」と目をギラつかせていたが、ハリルホジッチ、西野監督から招集はなかった。
同い年の井手口や北川航也(清水FW)、三竿健斗(鹿島MF)らに比べると遅咲きでも、潜在能力の高さは一級品。
先輩・本田をしのぐ存在になってほしい。
公開日:2019/03/20 06:00 更新日:2019/03/20 06:00
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/sports/249976
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本田以来の抜てき!代表初選出FW鎌田1トップ「目に見える結果がほしい」
日本代表は19日、親善試合の22日・コロンビア戦(日産ス)に向けて横浜市内で合宿2日目を行った。ベルギー1部・シントトロイデンで12得点を挙げて初選出されたFW鎌田大地(22)が、
人生初の1トップでゴール奪取を誓った。未経験者の1トップ抜てきは、2010年南アフリカW杯のMF本田圭佑(32)以来。今回未招集のエースFW大迫勇也(28)とはタイプの違う点取り屋として代表に新風を巻き起こす。
鎌田は冷静に言った。1トップについて「僕のキャリアでは1回もない。代表は細かくパスを回すので、うまくはまればできる。前で使われるなら目に見える結果がほしい」。驚くほど落ち着いた言葉の中に自信があふれた。
未経験者の1トップ抜てきは南アW杯の本田以来。本田は大会直前に主戦場の2列目から最前線にポジションを移し2得点と活躍した。当時とチームもプレースタイルも全く違うが、チャンスをものにできるポテンシャルが鎌田にはある。
鳥栖時代はトップ下が中心だったが、昨年9月に移籍したシントトロイデンでは2トップやウィングと、よりゴールに近い位置で起用される。裏への抜け出し、ゴール前で冷静にドリブルで交わすプレーで、
ここまで得点ランク5位タイの12得点と点取り屋として覚醒。欧州移籍後は上半身を中心に筋トレを重ね「体つきもそうだし、ボールを取られない体の入れ方が身についた」という。
3/20(水) 6:11配信 スポーツ報知
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190319-00000258-sph-socc