テレビ番組は視聴率が命である。特に、視聴率が広告収入に直結する民放では、それは絶対的なものだと見なされる。
バラエティ番組の視聴率が下がってくると真っ先に行われるのが「テコ入れ」と言われるものだ。
新しい企画を試したり、出演者を入れ替えたりすることで、危機的な状況から脱しようとするのである。
それでも視聴率が伸び悩んでいる場合には、局として対処をしなければいけない。視聴率が低いバラエティ番組がたどる道にはいくつかのパターンがある。
1つ目は、そのまま打ち切りにするということ。2つ目は、レギュラー放送を終了して、特番として不定期で復活する形にすること。
企画自体が悪くはないと判断されている場合には、その方法が選ばれることがある。
3つ目は、放送枠を移動してレギュラーを継続するということだ。視聴率が上がらない原因の1つとして、裏番組が強いということが考えられる。
同じ時間帯で支持者の多い裏番組がある場合には、どうがんばっても視聴率を伸ばすのが難しいことがある。
それならば、放送枠を変えることで、新しい層を開拓して視聴率を取る、ということが考えられるのだ。
もちろん、放送枠移動にはリスクもある。もともと放送されている番組には、十分ではないとしても一定数の視聴者がついている。
放送枠を移動すると、その人たちが別の放送枠で始まった番組の存在に気付かず、離れていってしまう可能性もある。
だからこそ、これは追い込まれた番組の最後の手段ということになる。
『金曜★ロンドンハーツ』(テレビ朝日系)は3つ目の道を選ぶことになった。
この番組は、1999年の放送開始以来、『イナズマ! ロンドンハーツ』
『ロンドンハーツ』などと番組名と放送枠を変えながらゴールデンタイムで続いてきたのだが、最近は視聴率低迷に悩まされてきた。
2016年には、もともと火曜夜9時に放送されていた『ロンドンハーツ』が放送枠を金曜夜9時に移動して『金曜★ロンドンハーツ』になっていた。
かつて火曜から金曜に移ったのは、視聴率低迷を打開するための苦肉の策だった。
金曜夜8時には若者向けの音楽番組『ミュージックステーション』が放送されている。この直後の枠に移動することで、若い世代の視聴者を取り込もうとしたのだろう。
だが、それでも視聴率が上向きになることはなかった。そこで、4月から火曜夜11時台に降格することが発表された。
ゴールデンから深夜に落ちるというのは、明らかに「都落ち」の感がある。
番組の制作費も大幅に下がってしまうため、大がかりな企画はやりづらくなるだろう。
この枠でも結果を残せなければ、いよいよ打ち切りしか選択肢がない背水の陣の状態ではある。
ただ、それでも、番組が面白くなるかどうかということに関して言えば、この枠に落ち着いたのは必ずしも悪いことではない。
そもそも、テレビ朝日の夜11時台は「ネオバラエティ」と呼ばれる伝統的な人気枠である。
テレビ朝日はこの枠でバラエティ番組を次々に立ち上げて、若い世代の視聴者を獲得することに成功した。
ここで当たった番組がゴールデンに昇格する例もあった。
ここ10年あまりの間、テレビ朝日が民放の視聴率争いでトップに迫っている理由の1つは、バラエティが好調だからだ。それを支えているのがこの「ネオバラエティ枠」なのだ。
今の時代、学生や20〜40代の社会人はゴールデンタイムにテレビをあまり見ていない。
それよりも、学校や会社から家に戻って食事をして落ち着いた後、眠りにつく前の夜11時台こそが、彼らにとってテレビ視聴に最も適した時間帯なのだ。
本来、若者向けのバラエティ番組である『ロンハー』がこの枠に落ち着くというのは、決して悪い話ではない。
むしろ、幅広い視聴者層を狙わなくてはいけないゴールデンでは試せなかった挑戦的な企画を行うこともできるようになる。
深夜枠に落ちたことで、番組の面白さは上がる可能性もある。
過去にはテレビ朝日の夜11時台で『ぷらちなロンドンブーツ』というロンドンブーツ1号2号の冠番組が放送されていた。
この番組では、一般の若者の浮気調査をする「ガサ入れ」など、過激な路線の企画が行われていた。
一般人に対して友達感覚で容赦なくズケズケと切り込んでいく田村淳の素人扱いが新鮮だった。
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190201-00000079-sasahi-ent&p=2
2/2(土) 11:30配信
バラエティ番組の視聴率が下がってくると真っ先に行われるのが「テコ入れ」と言われるものだ。
新しい企画を試したり、出演者を入れ替えたりすることで、危機的な状況から脱しようとするのである。
それでも視聴率が伸び悩んでいる場合には、局として対処をしなければいけない。視聴率が低いバラエティ番組がたどる道にはいくつかのパターンがある。
1つ目は、そのまま打ち切りにするということ。2つ目は、レギュラー放送を終了して、特番として不定期で復活する形にすること。
企画自体が悪くはないと判断されている場合には、その方法が選ばれることがある。
3つ目は、放送枠を移動してレギュラーを継続するということだ。視聴率が上がらない原因の1つとして、裏番組が強いということが考えられる。
同じ時間帯で支持者の多い裏番組がある場合には、どうがんばっても視聴率を伸ばすのが難しいことがある。
それならば、放送枠を変えることで、新しい層を開拓して視聴率を取る、ということが考えられるのだ。
もちろん、放送枠移動にはリスクもある。もともと放送されている番組には、十分ではないとしても一定数の視聴者がついている。
放送枠を移動すると、その人たちが別の放送枠で始まった番組の存在に気付かず、離れていってしまう可能性もある。
だからこそ、これは追い込まれた番組の最後の手段ということになる。
『金曜★ロンドンハーツ』(テレビ朝日系)は3つ目の道を選ぶことになった。
この番組は、1999年の放送開始以来、『イナズマ! ロンドンハーツ』
『ロンドンハーツ』などと番組名と放送枠を変えながらゴールデンタイムで続いてきたのだが、最近は視聴率低迷に悩まされてきた。
2016年には、もともと火曜夜9時に放送されていた『ロンドンハーツ』が放送枠を金曜夜9時に移動して『金曜★ロンドンハーツ』になっていた。
かつて火曜から金曜に移ったのは、視聴率低迷を打開するための苦肉の策だった。
金曜夜8時には若者向けの音楽番組『ミュージックステーション』が放送されている。この直後の枠に移動することで、若い世代の視聴者を取り込もうとしたのだろう。
だが、それでも視聴率が上向きになることはなかった。そこで、4月から火曜夜11時台に降格することが発表された。
ゴールデンから深夜に落ちるというのは、明らかに「都落ち」の感がある。
番組の制作費も大幅に下がってしまうため、大がかりな企画はやりづらくなるだろう。
この枠でも結果を残せなければ、いよいよ打ち切りしか選択肢がない背水の陣の状態ではある。
ただ、それでも、番組が面白くなるかどうかということに関して言えば、この枠に落ち着いたのは必ずしも悪いことではない。
そもそも、テレビ朝日の夜11時台は「ネオバラエティ」と呼ばれる伝統的な人気枠である。
テレビ朝日はこの枠でバラエティ番組を次々に立ち上げて、若い世代の視聴者を獲得することに成功した。
ここで当たった番組がゴールデンに昇格する例もあった。
ここ10年あまりの間、テレビ朝日が民放の視聴率争いでトップに迫っている理由の1つは、バラエティが好調だからだ。それを支えているのがこの「ネオバラエティ枠」なのだ。
今の時代、学生や20〜40代の社会人はゴールデンタイムにテレビをあまり見ていない。
それよりも、学校や会社から家に戻って食事をして落ち着いた後、眠りにつく前の夜11時台こそが、彼らにとってテレビ視聴に最も適した時間帯なのだ。
本来、若者向けのバラエティ番組である『ロンハー』がこの枠に落ち着くというのは、決して悪い話ではない。
むしろ、幅広い視聴者層を狙わなくてはいけないゴールデンでは試せなかった挑戦的な企画を行うこともできるようになる。
深夜枠に落ちたことで、番組の面白さは上がる可能性もある。
過去にはテレビ朝日の夜11時台で『ぷらちなロンドンブーツ』というロンドンブーツ1号2号の冠番組が放送されていた。
この番組では、一般の若者の浮気調査をする「ガサ入れ」など、過激な路線の企画が行われていた。
一般人に対して友達感覚で容赦なくズケズケと切り込んでいく田村淳の素人扱いが新鮮だった。
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190201-00000079-sasahi-ent&p=2
2/2(土) 11:30配信