日本代表は本日23時、AFCアジアカップ決勝でカタール代表と対戦する。2022年ワールドカップの開催国でもあるカタールは、育成年代から急激に力をつけてきている難敵だ。
組織戦術と個の力を併せ持つ今回のチームが決勝まで勝ち上がってきたことは、何ら不思議ではない。
高度なパスワークとポジショニング
決勝で日本代表と対戦するカタールは、組織力と個人能力がアジアとしてはかなり高いレベルで融合した手強い相手だ。ここまで16得点無失点と圧倒的な結果を残しているが、
ラウンド16のイラク戦、準々決勝の韓国戦はともに1-0で、苦しい時間帯もあったなか、粘り強く勝ち抜いて来た勝負強さとスピリットも備えている。
ここまで高度なパスワークをベースとしながらも状況に応じて4バックと5バックに近い3バックを使い分け、守備から攻撃に移行する流れでも中盤が可変するなど柔軟にフォーメーションやポジショニングを使い分けて来た。
そうした柔軟な戦い方がハイレベルにできるのは、一つのクラブチームばりに戦術理解や連係意識が選手に浸透しているから。
主力のほとんどがアル・サッドとアル・ドゥハイルというカタールリーグの強豪クラブに所属していることも、連係面でアドバンテージになっていることは間違いなさそうだ。
「ここまで6試合で異なる戦いをしてきた。明日も異なる試合になるだろう」と語るフェリックス・サンチェス監督は、20代前半から指導者としての道を志してバルセロナの育成に携わり、
2006年からカタールが国家的な育成プロジェクトとして設立した『アスパイア・アカデミー』で指導して来た。
そして2013年からアンダーカテゴリーの監督に就任すると、2014年のAFC・U-19選手権に優勝。2017年7月からU-20、U-23、A代表の兼任監督に指名された。
カタールでは大半のサッカーエリートがアスパイア・アカデミーで育成されており、またA代表のほとんどはアンダーカテゴリーの代表を経験した選手たちでもある。
その意味でA代表の監督をサウジアラビアやUAEのように外部で実績を挙げた監督ではなく、育成から長く携わるフェリックス・サンチェス監督が率いる意味は非常に大きい。
つまり現在のA代表を構成する選手のほとんどは、フェリックス・サンチェス監督の指導を経験した選手たちなのだ。
■移民2世、アフリカ系帰化選手も
ただ、もともと人口の大半を移民労働者が占めるカタール。それゆえ、代表チームもキャプテンのMFハサン・アルハイドスのように両親がカタール国籍の選手、トップ下を担うスーダン系のアブドゥラジズ・ハティムのような移民2世の選手、
そして外国生まれの”帰化選手”で構成される。例えば左サイドバックのアブドゥルカリム・ハッサンもスーダン系だがカタール生まれの選手。一方でセンターバックもこなす長身MFのブアーラム・フーヒーなど7選手はアルジェリア生まれの”帰化選手”となる。
今回、準決勝でカタールに0-4と大敗した開催国のUAE協会が1月31日、スーダン出身のFWアルモエズ・アリ、そしてイラク生まれのCBバサム・アルラウィの2選手がアジアカップの出場資格を満たしていないという異議申し立てを行ったと報道された。
この問題が事実であれば、カタールのアジア杯での成績が無効になり、今後の大会追放もありうるとの情報も出て来ている。ただ仮に事実としても大会中、このタイミングで現在国交を断絶しているUAEのサッカー協会から異議申し立てをされることには
不自然さもある。
アルモエズ・アリは7歳でカタールに移り住み、9歳からアスパイア・アカデミーの指導を受けている選手であり、アンダーカテゴリーから代表キャリアを積み上げている。
また、元イラク代表選手を父に持つバサム・アルラウィはカタールの名門アル・ラーヤンの下部組織で育ち、2015年にU-19代表に選ばれ、2017年からA代表に名を連ねる。
2人とも外国生まれではあるものの、ここ最近カタールにやって来た選手ではない。ただし、欧州クラブでプレーしている期間があり、基準を審議する一つの焦点になるかもしれない。
いずれにしても今大会のカタールがここまで見事な戦いぶりで躍進して来た事実に疑いの余地はなく、”完全アウェイ”だった準決勝のUAE戦で動じない戦いぶりも見事だった。
同じく多彩な戦い方で勝ち上がって来た森保一監督が率いる日本代表にとっても不足ない好敵手であることは間違いない。
2/1(金) 16:41配信 GOAL
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190201-00010019-goal-socc&p=1
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組織戦術と個の力を併せ持つ今回のチームが決勝まで勝ち上がってきたことは、何ら不思議ではない。
高度なパスワークとポジショニング
決勝で日本代表と対戦するカタールは、組織力と個人能力がアジアとしてはかなり高いレベルで融合した手強い相手だ。ここまで16得点無失点と圧倒的な結果を残しているが、
ラウンド16のイラク戦、準々決勝の韓国戦はともに1-0で、苦しい時間帯もあったなか、粘り強く勝ち抜いて来た勝負強さとスピリットも備えている。
ここまで高度なパスワークをベースとしながらも状況に応じて4バックと5バックに近い3バックを使い分け、守備から攻撃に移行する流れでも中盤が可変するなど柔軟にフォーメーションやポジショニングを使い分けて来た。
そうした柔軟な戦い方がハイレベルにできるのは、一つのクラブチームばりに戦術理解や連係意識が選手に浸透しているから。
主力のほとんどがアル・サッドとアル・ドゥハイルというカタールリーグの強豪クラブに所属していることも、連係面でアドバンテージになっていることは間違いなさそうだ。
「ここまで6試合で異なる戦いをしてきた。明日も異なる試合になるだろう」と語るフェリックス・サンチェス監督は、20代前半から指導者としての道を志してバルセロナの育成に携わり、
2006年からカタールが国家的な育成プロジェクトとして設立した『アスパイア・アカデミー』で指導して来た。
そして2013年からアンダーカテゴリーの監督に就任すると、2014年のAFC・U-19選手権に優勝。2017年7月からU-20、U-23、A代表の兼任監督に指名された。
カタールでは大半のサッカーエリートがアスパイア・アカデミーで育成されており、またA代表のほとんどはアンダーカテゴリーの代表を経験した選手たちでもある。
その意味でA代表の監督をサウジアラビアやUAEのように外部で実績を挙げた監督ではなく、育成から長く携わるフェリックス・サンチェス監督が率いる意味は非常に大きい。
つまり現在のA代表を構成する選手のほとんどは、フェリックス・サンチェス監督の指導を経験した選手たちなのだ。
■移民2世、アフリカ系帰化選手も
ただ、もともと人口の大半を移民労働者が占めるカタール。それゆえ、代表チームもキャプテンのMFハサン・アルハイドスのように両親がカタール国籍の選手、トップ下を担うスーダン系のアブドゥラジズ・ハティムのような移民2世の選手、
そして外国生まれの”帰化選手”で構成される。例えば左サイドバックのアブドゥルカリム・ハッサンもスーダン系だがカタール生まれの選手。一方でセンターバックもこなす長身MFのブアーラム・フーヒーなど7選手はアルジェリア生まれの”帰化選手”となる。
今回、準決勝でカタールに0-4と大敗した開催国のUAE協会が1月31日、スーダン出身のFWアルモエズ・アリ、そしてイラク生まれのCBバサム・アルラウィの2選手がアジアカップの出場資格を満たしていないという異議申し立てを行ったと報道された。
この問題が事実であれば、カタールのアジア杯での成績が無効になり、今後の大会追放もありうるとの情報も出て来ている。ただ仮に事実としても大会中、このタイミングで現在国交を断絶しているUAEのサッカー協会から異議申し立てをされることには
不自然さもある。
アルモエズ・アリは7歳でカタールに移り住み、9歳からアスパイア・アカデミーの指導を受けている選手であり、アンダーカテゴリーから代表キャリアを積み上げている。
また、元イラク代表選手を父に持つバサム・アルラウィはカタールの名門アル・ラーヤンの下部組織で育ち、2015年にU-19代表に選ばれ、2017年からA代表に名を連ねる。
2人とも外国生まれではあるものの、ここ最近カタールにやって来た選手ではない。ただし、欧州クラブでプレーしている期間があり、基準を審議する一つの焦点になるかもしれない。
いずれにしても今大会のカタールがここまで見事な戦いぶりで躍進して来た事実に疑いの余地はなく、”完全アウェイ”だった準決勝のUAE戦で動じない戦いぶりも見事だった。
同じく多彩な戦い方で勝ち上がって来た森保一監督が率いる日本代表にとっても不足ない好敵手であることは間違いない。
2/1(金) 16:41配信 GOAL
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190201-00010019-goal-socc&p=1
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