・複雑な降格・昇格条件を改めて整理
J1降格、J2昇格の基本パターン。J2の3〜6位で行なわれるプレーオフの勝者がJ1の16位と入れ替え戦を行なう。
J1降格、J2昇格の基本パターン。J2の3〜6位で行なわれるプレーオフの勝者がJ1の16位と入れ替え戦を行なう。
J1の優勝戦線以上に混沌としているのが残留争い。なにしろ、残り4節で10位のG大阪から18位の長崎までの勝点差は「10」なのである。文字通りの大混戦で、Jリーグ史上空前のサバイバルと言っても過言ではない様相を呈しているのだ。
ここまでの健闘を称えたいのが、最下位ながらも勝点を29まで伸ばしている長崎だ。8月1日の札幌戦(19節)からリーグ戦で7試合続けて白星に見放された際はさすがに「ジ・エンド」と思われたが、26節の名古屋戦に続き、27節の仙台戦も1点差の勝負をモノにするなどして残留に望みをつないでいる。
高木琢也監督の下で戦う今季のJ1でもハードワーク主体のスタイルを貫き、全員守備・全員攻撃を実践。引いて守る「弱者のサッカー」ではない戦い方で食らいついているところがなにより素晴らしい。
長崎の粘り強さは、過去5シーズンのJ1で最下位に沈んだクラブの勝点を見ても明らかだ。13年の大分は勝点14、14年の徳島は勝点14、15年の山形が勝点24で、16年の福岡は勝点19、17年の大宮は勝点25であり、長崎の勝点29に到達しているチームはひとつもない。
ここまで残留争いが読めない状況になっている理由のひとつは、シーズンの最終盤になっても息切れするクラブがいない点にある。開幕前に「降格候補の本命」と目された長崎がそれを覆して残留できれば、それは間違いなく一大快挙だ。
・ポイントはJ1ライセンスの有無
J1ライセンス未所持のチームがJ2を制した場合、J1の16位は残留。17位がJ1参入プレーオフに出場する。
さて、残留争いを読み解くうえで押さえておくべきは、昨季からの変更点だろう。16〜18位の3クラブが自動降格した従来の方式と違って、今季は17〜18位が自動降格、16位がJ1参入プレーオフに回る。ちなみに、J1参入プレーオフとは、J2の3〜6位でトーナメント戦を戦い、その勝者がJ1の16位と“入れ替え戦”を行なうというものだ。
ここでポイントとなるのがJ1ライセンスの有無。18年9月時点、現在J2でJ1ライセンスが交付されていないのは町田と讃岐で、この2クラブは結果に関係なくJ1に自動昇格できない。つまり、今季のJ2で現在21位の讃岐はさて置き、ここまで上位に食い込んでいる町田の最終順位によってはJ1からの降格条件が変わってくるわけだ。
町田が7位以下になった場合は、J1の16位がJ1参入プレーオフに出場し、17〜18位が自動降格という“基本パターン”になる。町田が3〜6位の時も、J1の16位がJ1参入プレーオフに出場、17〜18位が自動降格は変わらない(ただし、J2からプレーオフに参戦するのは町田を除く3クラブで、7位からの繰り上げはなし)。少しややこしいのは、町田が2位以内に入ったケースだ。
その場合、J2からの自動昇格は町田以外の1クラブとなり、J1の16位は残留、17位がJ1参入プレーオフに出場し、18位が自動降格になる。町田の順位次第で、J1の16位も無条件で降格を回避できるのだから、そうなれば残留を争っているチームには朗報だ。
つづく
10/25(木) 11:55サッカーダイジェスト
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20181025-00049307-sdigestw-socc