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2018-07-29
先日、“ガンダム”がハリウッドで映画化されることが発表された。現在、ガンダムの40周年イヤーとして、NHKの「ガンダム特番」や、スティーブン・スピルバーグ監督の映画『レディ・プレイヤー1』にも登場するなど、さまざまな取り組みを実施してガンダムコンテンツが盛り上がりを見せている。そんな、世界でも類を見ないコンテンツの“機動戦士ガンダム”40年のファン層の変化や今後の取り組みについて、サンライズ代表取締役社長の宮河恭夫氏に話を聞いた。
――NHKで5月に行った『ガンダム大投票』番組は社長自ら動かれたとお聞きしましたが。
宮河社長:NHKさんからガンダム大投票の話が持ち上がった時は、やりましょうと二つ返事でした。NHKさんが『ガンダム』を特集するというのは、『ガンダム』が“文化”になったということ。すごくうれしかったですね。
――番組では計174万投票されて、女性票を獲得した『新機動戦記ガンダムW』、『機動戦士ガンダムSEED』、『機動戦士ガンダム00』といった作品が上位にランクインしました。近年のガンダムシリーズは女性ファンを獲得している傾向にありますね。
宮河社長:女性票がここまで入るとは思わなかった。NHKかつテレビの特質で40・50代の男性が圧倒的に強いと想像していたんです。『SEED』、『00』の女性ファンは多いけれど、オルガにここまで票が集まるとは。(※キャラクター作品別ランキング1位、キャラクター総合ランキング3位)
――この結果を受けて、今後のガンダムコンテンツの展開に生かそうという考えは?
宮河社長:そういう考えはありません。ガンダムは、“こういう傾向が今ウケている”とか、“女性ファンを意識する”とか、トレンドを追いかけることは絶対にしないんです。だからこそ、『SEED』に女性ファンがついたのは我々も驚いたんですよ。
――2002年の『SEED』以降は美形キャラが多数登場しているので、女性ファン獲得を狙った戦略なのかと思っていました。
宮河社長:トレンドを追いかけると、“本質”から離れていくんです。僕がガンダムコンテンツで監督にいつも言っているのは、“3つの憲法”を守る事。「戦争状態」「青春群像劇」「ガンダムというロボットが出る」こと。あとは監督と脚本家が、その時代に合わせて作っていくというスタンスです。
――ガンダムの中でも“正史”と言える宇宙世紀シリーズを超える人気の作品が結果としてまだ出てきてない点についてはどうでしょうか?(※作品別ランキング1位『機動戦士ガンダム』、2位『機動戦士Zガンダム』、3位『機動戦士ガンダムSEED』、4位『機動戦士ガンダム00』、5位『機動戦士ガンダム逆襲のシャア』)
宮河社長:例えば“年齢の差”じゃないでしょうか。『00』(2008年)より『SEED』(2002年)が上なのは6年の差がある。だから、オルガは人気キャラに入っているけど作品で見ると『鉄血のオルフェンズ』(2015年)は5位までに入ってない。20年後は”ファーストガンダム”が1位ではないかもしれません。
――なるほど。ガンダムは世に出てから人気が熟成するということですね。
宮河社長:キャラクターは瞬発力ですが、作品人気は熟成する時間と比例していますね。
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