覚せい剤取締法違反(使用)の罪に問われている元タレント、清水良太郎被告(29)の判決公判が22日、東京地裁で開かれ、懲役1年6月、執行猶予3年(求刑懲役1年6月)の有罪判決が言い渡された。公判では、芸能界にはびこる薬物への誘惑の多さが浮き彫りに。状況を重く見た警視庁の捜査線上には、多くの芸能人が浮上している。
良太郎被告はノーネクタイの白いシャツの上にグレーのニットを着た姿で入廷。涙も見せた15日の初公判から一転、淡々とした表情で判決に耳を傾けた。反省の弁などを口にする機会はないまま約2分で閉廷。傍聴席に2度礼をして退廷した。
閉廷後は勾留先の東京拘置所に戻り、黒スーツにネクタイ姿で報道陣の前に現れ「このたびは多くの方々にご迷惑をお掛けして申し訳ありませんでした」と一礼。兄で元所属事務所の清水友人(ともひと)社長の車で、午後5時18分に都内の自宅に戻った。
公判を通じ、取材記者の間では反省の弁と裏腹に「罪悪感が希薄に感じる」との声が上がる場面も多かった。初公判では検察側の冒頭陳述で、初対面の女性の前で覚醒剤を使用し、口移しで吸わせるなど、卑劣極まりない犯行が明らかに。被告人質問でも「芸能人の間で、曲作りがはかどるという噂を聞いた」と犯行動機を語るなど、犯罪意識の薄さが浮き彫りになった。芸能界全体の薬物への規範意識が鈍磨しているかのように感じさせる、象徴的な事件となった。
今年は覚せい剤取締法違反(使用)の罪に問われ有罪判決を受けた俳優の橋爪遼(31)ら芸能人のみならず、音楽プロデューサーや事務所社長など裏方の薬物での逮捕も目立った。
警視庁は昨年に逮捕した大物ミュージシャンが不起訴処分になる事態を招いて以降、捜査の中心を芸能界から暴力団周辺へと転換していた。その中、芸能界の汚染は深刻に。薬物捜査を担当する組織犯罪対策5課の課長が12月に交代したことを機に、今後は芸能界の徹底捜査へシフトしていきそうだ。
関係者によると、良太郎被告は取り調べに対し、薬物の供給元や流れなどを詳細に供述している。捜査線上には中堅人気俳優のFやE、女性モデルのM、女優Mらが挙がっている。アスリートの名も浮上しており、来年は摘発が相次ぐ可能性もある。
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