2017年という1年はアイドルグループAKB48にとって一体どんな年だっただろうかー。長い間、グループをけん引してきた小嶋陽菜(29)や渡辺麻友(23)が卒業し、ついに第1回選抜総選挙の“初代神7”が公式プロフィルから姿を消した。
この事実は間違いなく大きいが、最大のトピックとして、公式ライバルである乃木坂46が東京ドームコンサート2日間を実現させ、“観客動員で敗北を喫した”ことが挙げられる。その原因とはなんなのだろうか?トレンドの移行、ルックスの差異…。理由は多々あるだろうが、最大の要因は“目的意識”の差ではないだろうか。
AKB48の2017年を振り返りながら、彼女たちが今後進んでいくべき道について探っていく。(zakzak編集部)
■ラスボスを倒した状態
乃木坂46は、かつてのAKB48がそうだったように、各メンバーが個性を発揮し、ソロ活動で知ったファンがグループにフィードバックされ、応援するという好循環が起きている。個人の成長とグループを大きくするという目的が両輪となっており、その力が今の乃木坂46を突き動かしているのだ。
一方のAKB48はどうか。一部ファンの間では「1度ラスボスを倒したRPGを延々レベル上げだけしている状態」とも言われている。11、12年には「日本レコード大賞」を2年連続で受賞し、13年にはAKB48と姉妹グループが日本武道館で4日間に渡りライブを開催したほか、福岡、札幌、大阪、名古屋、東京の5都市でドームコンサートツアーも達成。
翌14年もグループとして3日間の東京ドーム公演を行っている。アイドルとしてあらゆることをやり尽した彼女たちに対し、その現状をうまく表現したのが、先のファンの言葉だろう。
そんな中、今月のAKB48グループに新たな試みが投下された。まさに壮大な実験とも思えたのが10日、東京ドームシティホールで行われた「第7回AKB48紅白対抗歌合戦」だった。
このイベントはAKB48年末恒例の企画だが、今回は演出を「FNS歌謡祭」や「HEY!HEY!HEY!」など、フジテレビで数々の音楽番組を手がけてきたきくち伸プロデューサー(55)が担当。“生歌”にこだわるきくちPらしく、メンバーがガチンコの“歌”を披露した。結果、例年以上に歌合戦色が濃いイベントとなり、ファンや審査員らを驚かせ、そして喜ばせたのだ。
■“伸び率”1位の向井地美音は「AKB48の救世主」
この課題を突き付けられ、メンバーたちは歌という目的に必死と向き合い成長を遂げた。中でも大きく飛躍し、圧倒的な“伸び率”を見せたのは、AKB48・向井地美音(19)ではないだろうか。
この日は開演前の影ナレをしながら、ステージに出てくるという異例の演出で登場。かつて大島優子(29)から指名された「ヘビーローテーション」のセンターを務め、オープニングを盛り上げた。さらには渡辺の卒業ソング「サヨナラで終わるわけじゃない」をソロで熱唱。
これまでのイメージになかった高音まで伸びるクリアな歌声を披露し、2コーラス目から参加したAKB48・小栗有以(15)が、途中で泣き出してしまうとアクシデントにも物怖じせず、助け舟を出して歌い上げるなど、先輩としての器の大きさも見せつけた。
今年1月には「向井地美音ソロコンサート〜大声でいま伝えたいことがある〜」としてソロコンサートも経験した彼女。ギターの弾き語りに挑戦し、渡辺から「AKB48の救世主」とのメッセージも寄せられた。ソロコン前からボイストレーニングを受けていることを明かしており、自ら“課題”を見つけて、ブレイクスルーした彼女は歌唱の面でも今後のAKB48を担う1人として期待されそうだ。
■相手の土俵で大健闘!“背中で示す”総監督の面目躍如を見せた横山由依
これまで歌声で注目されてきたメンバーたちもこの日のイベントはいかんなく実力を発揮した。総監督・横山由依(25)は、スターダストプロモーションの3Bjunior・栗本柚希(17)とコラボ。
きくちPはTwitterでこの「AKB48紅白」に関して、「お話いただいたとき『スタダ塗れのあたしに演らせるなんて秋元さんおもしろすぎ!』と思った」と記した。そして横山の相手役にスターダストプロモーション屈指の歌声を持つ栗本を送り込んだのだ。
横山は超ハイトーンボイスが要求される米国人歌手・Sia(42)の「Chandelier」に挑んだ。
この楽曲は栗本の十八番で、いわばアウェーの戦いを強いられながらも、横山はがっぷり四つで互角の美声を聞かせてくれた。“先代”高橋みなみ(26)から引き継いだパフォーマンスはもちろん、歌声でも魅せ、“背中で示す”総監督としての面目躍如たるステージを見せつけた。
この事実は間違いなく大きいが、最大のトピックとして、公式ライバルである乃木坂46が東京ドームコンサート2日間を実現させ、“観客動員で敗北を喫した”ことが挙げられる。その原因とはなんなのだろうか?トレンドの移行、ルックスの差異…。理由は多々あるだろうが、最大の要因は“目的意識”の差ではないだろうか。
AKB48の2017年を振り返りながら、彼女たちが今後進んでいくべき道について探っていく。(zakzak編集部)
■ラスボスを倒した状態
乃木坂46は、かつてのAKB48がそうだったように、各メンバーが個性を発揮し、ソロ活動で知ったファンがグループにフィードバックされ、応援するという好循環が起きている。個人の成長とグループを大きくするという目的が両輪となっており、その力が今の乃木坂46を突き動かしているのだ。
一方のAKB48はどうか。一部ファンの間では「1度ラスボスを倒したRPGを延々レベル上げだけしている状態」とも言われている。11、12年には「日本レコード大賞」を2年連続で受賞し、13年にはAKB48と姉妹グループが日本武道館で4日間に渡りライブを開催したほか、福岡、札幌、大阪、名古屋、東京の5都市でドームコンサートツアーも達成。
翌14年もグループとして3日間の東京ドーム公演を行っている。アイドルとしてあらゆることをやり尽した彼女たちに対し、その現状をうまく表現したのが、先のファンの言葉だろう。
そんな中、今月のAKB48グループに新たな試みが投下された。まさに壮大な実験とも思えたのが10日、東京ドームシティホールで行われた「第7回AKB48紅白対抗歌合戦」だった。
このイベントはAKB48年末恒例の企画だが、今回は演出を「FNS歌謡祭」や「HEY!HEY!HEY!」など、フジテレビで数々の音楽番組を手がけてきたきくち伸プロデューサー(55)が担当。“生歌”にこだわるきくちPらしく、メンバーがガチンコの“歌”を披露した。結果、例年以上に歌合戦色が濃いイベントとなり、ファンや審査員らを驚かせ、そして喜ばせたのだ。
■“伸び率”1位の向井地美音は「AKB48の救世主」
この課題を突き付けられ、メンバーたちは歌という目的に必死と向き合い成長を遂げた。中でも大きく飛躍し、圧倒的な“伸び率”を見せたのは、AKB48・向井地美音(19)ではないだろうか。
この日は開演前の影ナレをしながら、ステージに出てくるという異例の演出で登場。かつて大島優子(29)から指名された「ヘビーローテーション」のセンターを務め、オープニングを盛り上げた。さらには渡辺の卒業ソング「サヨナラで終わるわけじゃない」をソロで熱唱。
これまでのイメージになかった高音まで伸びるクリアな歌声を披露し、2コーラス目から参加したAKB48・小栗有以(15)が、途中で泣き出してしまうとアクシデントにも物怖じせず、助け舟を出して歌い上げるなど、先輩としての器の大きさも見せつけた。
今年1月には「向井地美音ソロコンサート〜大声でいま伝えたいことがある〜」としてソロコンサートも経験した彼女。ギターの弾き語りに挑戦し、渡辺から「AKB48の救世主」とのメッセージも寄せられた。ソロコン前からボイストレーニングを受けていることを明かしており、自ら“課題”を見つけて、ブレイクスルーした彼女は歌唱の面でも今後のAKB48を担う1人として期待されそうだ。
■相手の土俵で大健闘!“背中で示す”総監督の面目躍如を見せた横山由依
これまで歌声で注目されてきたメンバーたちもこの日のイベントはいかんなく実力を発揮した。総監督・横山由依(25)は、スターダストプロモーションの3Bjunior・栗本柚希(17)とコラボ。
きくちPはTwitterでこの「AKB48紅白」に関して、「お話いただいたとき『スタダ塗れのあたしに演らせるなんて秋元さんおもしろすぎ!』と思った」と記した。そして横山の相手役にスターダストプロモーション屈指の歌声を持つ栗本を送り込んだのだ。
横山は超ハイトーンボイスが要求される米国人歌手・Sia(42)の「Chandelier」に挑んだ。
この楽曲は栗本の十八番で、いわばアウェーの戦いを強いられながらも、横山はがっぷり四つで互角の美声を聞かせてくれた。“先代”高橋みなみ(26)から引き継いだパフォーマンスはもちろん、歌声でも魅せ、“背中で示す”総監督としての面目躍如たるステージを見せつけた。