日本シリーズはソフトバンクが無傷の3連勝で、2年ぶりの日本一へ一気に王手をかけた。主催の日本野球機構(NPB)は真っ青だ。
「4戦決着だけは避けてもらいたい。最低でも5試合。できれば6試合。7試合なんてぜいたくなことは言わないから…」とNPB関係者は悲痛な声を上げた。
NPBにとって日本シリーズは、オールスターと並ぶ“2大財源”。4戦決着だと財政危機に直結するからだ。
直近の日本シリーズ4戦決着は2005年。バレンタイン監督率いるロッテが、岡田彰布監督指揮下の阪神を4連勝で下している。
それ以降は昨年まで最悪の事態は回避してきた。特に、2010年には西村ロッテが落合中日を4勝2敗1分で破り、リーグ3位から下克上日本一を達成。翌11年も秋山ソフトバンクが4勝3敗の“フルセット”で落合中日に勝利。2年連続7試合という、これぞNPBにとっては万々歳の展開だった。
左うちわはまだ続く。原巨人が4勝2敗で栗山日本ハムを破った12年を挟み、星野楽天が球界参入後初の日本一を達成した13年は、原巨人相手にまたもや4勝3敗だった。
ところが、14年は秋山ソフトバンクが4勝1敗で和田阪神、15年も工藤ソフトバンクが同じく4勝1敗で真中ヤクルトを破り、2年連続5戦の早期決着。昨年は栗山日本ハムが緒方広島に4勝2敗で勝利。黒田の現役引退と二刀流・大谷の新旧スター対決でテレビ視聴率も好調で、NPBは大喜びだった。
そして、今年は05年以来12年ぶりの4戦決着危機だ。パ・リーグは交流戦のみならず、日本シリーズでもセ球団に4連勝中。格下のセの3位チームがパ優勝チームを相手に下克上の夢を見る方が甘いと言ってしまえばそれまでだが、「4試合決着だけはご勘弁」というNPB関係者の願いが勝利の女神に届くか。(江尻良文)
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