特に大阪には、吉本興業や松竹芸能のような老舗の芸人事務所が存在するため、大阪で活躍する芸人が多い。
大阪で活動している芸人・タレントたちは、いつかは東京に進出しようと考えている。その理由は東京に進出に成功すると、全国的に名が知れて有名になれるからである。
テレビ局のキー局は全て東京にあり、そこで制作された番組は全国放送か関東地区で放送される。
関東地区の視聴率1%は約40万人、関西地区の1%は約16万人と言われており、知名度を上げるためにはやはり東京に進出するのが一番手っ取り早いのである。
そして番組のギャラも東京の方が断然高い。今はテレビ業界全体が不況と言われており、東京と大阪の番組のギャラの差は昔ほどではないが、それでも東京の方が同じ時間帯の番組でも2倍〜3倍高いということもある。
しかし、東京進出はそう簡単に成功するわけではない。大阪で爆発的な人気があったとしても、東京で成功するのは難しい。
今でこそ全国区に知れ渡り、芸能界の第一線で活躍している明石家さんまでさえも、大阪弁が受け入れられず、東京に進出した当初は苦労したのである。
かつて大人気であったお笑いコンビB&Bも東京進出を強く願い、そして成功したうちの一組である。彼らは東京進出の前から大阪で売れっ子となっていたが、故郷である広島での知名度はなかった。
そこでB&Bの島田洋七は「大阪で売れていてもダメだ。東京に出ないと有名にはなれない」と思うようになり、東京進出を果たしたのである。彼らの東京進出がなければ1980年代に起こった漫才ブームはなかったと言われている。
その後、ダウンタウンやナインティナインなど大阪でアイドル的な人気があった芸人が東京進出を果たし、全国ネットで何本もレギュラー番組を持つようになった。
東京進出に一旦は失敗し、大阪に戻る芸人も多い。有名なところではTKOや千鳥である。彼らも大阪では大人気であり、東京に進出しない理由がなく、胸を張って東京に進出をした。
しかし、レギュラー番組が終わったなどの理由で東京に定着することなく、最初は失敗。
彼らのすごいところは、失敗してもめげずに何度も東京進出を決行した点だ。実力はあったのでその後、徐々に受け入れられていき、今の活躍につながっている。
■東京進出を果たした大泉洋
俳優、タレント、コメディアン、歌手と幅広く活躍する大泉洋も東京進出を果たした人物である。彼は『水曜どうでしょう』(北海道テレビ放送)の出演により北海道で一躍有名となったが、
その噂が東京まで届き、本人が強く願っていたわけではないのだが、いつの間にか東京進出に成功した珍しい例である。
東京進出に成功した人に共通するのは「地方を捨てたわけではない」ということ。東京進出は全国区になるための手段であり、そこから地元を活性化させようと考えている。
その証拠に東京進出をしても地方ローカルのレギュラーを持っていたり、地方のイベントに出演したりと、地元でも活躍している。
東京進出をして全国区になった芸能人で、東京で番組に出ている顔と、地方で番組に出ている顔とでテイストが違う人もいる。地方に旅行や仕事で出掛けた際に、比べてみるのも面白いかもしれない。
10/29(日) 8:00配信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171029-00010000-abema-ent
写真
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