オーストラリア代表は、8月31日に行われた2018FIFAワールドカップ ロシア・アジア最終予選にて、日本代表に0-2で敗れた。この結果、オーストラリアが自力でW杯出場権を勝ち取るためには、ホーム・メルボルンで行われるタイ代表戦で圧倒的な勝利を収めるしかなくなった。
アジア最終予選における最大のライバルを相手に敗戦を喫した“サッカールーズ”(オーストラリア代表の愛称)。一体、何がいけなかったのか。オーストラリア『ヘラルド・サン』紙が、元代表選手にその答えを求めた。
オーストラリア代表は、41分に先制され、82分に決定的な追加点を奪われた。1失点目について、元オーストラリア代表FWで、名古屋グランパスでもプレーした経験のあるジョシュア・ケネディ氏は、「最後まで戦わないといけないね。でなければ、ああいったミスを生みかねないんだ……。さもないと自らああいったミスを招くことになる」と語った。
元オーストラリア代表GKのマーク・ボスニッチ氏は、より踏み込んだ意見を述べる。
「2失点目については、どの試合でも起こり得ることに見えるが、それは違う。GKマシュー・ライアンはDFをおかしなポジションに置いていたね。これはアンジ・ポステコグルー監督が奇妙な指導をしていたことに、全ての原因があるだろう。あれではトップレベルのサッカーなんてできない。あんなところに置いていたら、DFは疲弊してしまうよ。リスクばかりが上回るところに選手を配置しているんだからね」と、ポステコグルー監督の指導法に苦言を呈した。
さらに「ライアンには同情するよ。最終ラインは監督の言う通りにしていたんだ。『聞いていなかったのか?』って言われてしまうからね。彼は監督が指示した通りにプレーしなければならない。だが、もしそうすれば、彼はチーム全体を今夜、彼が受けたようなプレッシャーに晒してしまうことになる。後方から全力で戦い続けることは悪いことではないよ。だが全ての時間でそうプレーすることは無理なんだ」と続けた。
日本代表とタイ代表は全く別のチームだ。そのため、オーストラリア代表が取るべき守備戦術も変わってくる。しかし、ディフェンスに致命的な問題を抱えているのなら、早急な改善が求められるだろう。
さて、オーストラリア代表はタイ代表を相手に、“圧倒的な勝利”を挙げられるか。
元オーストラリア代表MFのロビー・スレーター氏は、「(病気で日本代表戦を欠場した)MFアーロン・ムーイは現在の我々の主力選手で、とても重要なプレーヤーだ」と話す。そして「ムーイの復帰が最重要だろうね。そして私ならアレクサンダー・ガーズバックを左サイドバックに入れたい。(日本代表戦で先発出場した)ブラッド・スミスはボーンマスで試合に出られていないからね」と、先発メンバーの変更によるチームの改善を求めた。
ボスニッチ氏も「まずガーズバック、そしてムーイを先発させる。トミ・ユリッチかジェイミー・マクラーレンもだ。ティミー(ティム・ケーヒルの愛称)はフィットネスの問題があるからベンチからだろう」と、先発メンバーの変更を提言。ケネディ氏も「マシュー・レッキーをもう1つ前で見てみたいね。彼は日本代表戦で、守備に追われすぎた。ストライカーを変える必要があるだろう。(日本代表戦で先発出場した)ジャクソン・アーバインが抜けるだろうね。彼の働きは十分だったとは言えない」と語った。
窮地に立たされているオーストラリア代表は、どの選手をスタメンとして起用し、どのような布陣でタイ代表との一戦に臨むのか。アンジ・ポステコグルー監督の采配に注目が集まるところだ。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170902-00000003-goal-socc