ハリル流選考”は裏目に出てしまうのか。
日本代表は27日、ロシアW杯アジア最終予選オーストラリア戦(31日、埼玉)に向けた合宿を埼玉県内でスタートさせた。
故障明けのFW大迫勇也(27=ケルン)が元気に合流する一方で、DF長友佑都(30=インテル)がクラブの試合で負傷するアクシデントも発生。攻撃陣を多く招集した指揮官の編成方針が、日本にとって致命傷になるかもしれない。
合宿初日は国内組の一部と大迫、MF長谷部誠(33=Eフランクフルト)、DF酒井高徳(26=ハンブルガーSV)の欧州組を加えた12選手が参加。ランニングやボール回しといった軽めのメニューで約1時間、汗を流した。
右足首の靱帯損傷が心配された大迫も元気いっぱいで、25日のハンブルガーSV戦ではフル出場して復活をアピール。バヒド・ハリルホジッチ監督(65)は、復帰初戦でいきなりフル出場した反動を心配するが、大迫は「大丈夫。何も問題はない」と強調。オーストラリア戦に向けても「コンディションは悪くないので」と出場に意欲を見せた。
日本の貴重な得点源が決戦に間に合ってホッとひと安心…とはいかないのが今のハリルジャパン。今度は長友が26日のローマ戦で後半11分に左太ももの張りを訴えて途中交代。長友が自ら交代を申し出るのは珍しく、大一番の出場が危ぶまれる状況になっている。
ここで問われるのが、指揮官の“危機管理能力”だ。大迫は右足首の負傷で出遅れこそしたが、驚異的なスピードで回復。10日前に送り込んだ代表スタッフからも「オーストラリア戦には十分、間に合う」との報告が上がっていた。ハリルホジッチ監督もメンバー発表会見で「プレシーズンの準備をしていたのでトップフォームを早めに取り戻せる」と状態に問題がないことを把握している。
にもかかわらず、大迫の状態に神経質になり過ぎてFWを大量9人も招集。そのシワ寄せを食ったのが守備陣だ。ケガ人や層の薄さにより、本来の懸案は守備陣だったはずだが、DFの招集は通常の8人のみ。
しかもその内訳は、左サイドバックの控えとしてセンターバックが本職のDF槙野智章(30=浦和)をあて、さらに国際Aマッチの出場経験のないDF植田直通(22=鹿島)とDF三浦弦太(22=G大阪)も招集。1人でもケガ人が出れば一気に崩壊しかねない布陣だ。
そんな中で、DF陣で最も頼りになる選手が、まさかのアクシデントに見舞われた。長友の欠場は最悪のシナリオだが、すべてはハリルホジッチ監督の場当たり的な選考が生んだもの。決戦を前に、ちぐはぐさが目立つハリルジャパンに勝機はあるのか。
8/28(月) 16:45配信 東京スポーツ
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