大一番を前にバヒド・ハリルホジッチ監督(65)が“迷走中”だ。サッカー日本代表は8日にスタッフ会議を開催し、故障者の現状確認や今後の視察方針を話し合った。指揮官はこれまでケガ人の強行招集を続けてきたが、今回は一転して慎重姿勢に。ロシアW杯アジア最終予選オーストラリア戦(31日、埼玉)へ向けて、指揮官のブレブレな姿勢に迷いが透けて見える――。
約2時間のスタッフ会議で議論の的となったのは、ハリルホジッチ監督が「私が来日してから最も難しい」と嘆く故障者の現状だ。
日本サッカー協会の西野朗技術委員長(62)は、右ふくらはぎを痛めて新天地でのデビューが遅れているFW本田圭佑(31=パチューカ)について「今日(8日)MRIを撮って、もうランニングもしている。今週中に(チームに)合流できるかどうか」と説明。左太もも裏を痛めたDF吉田麻也(28=サウサンプトン)も「大丈夫そう」と軽傷を強調したが、右足首の靱帯を損傷してチームから離脱しているFW大迫勇也(27=ケルン)は「ちょっと厳しいかな。足首だし」とオーストラリア戦の招集に黄信号がともった。
こうした状況を受け、ハリルホジッチ監督はW杯切符がかかるオーストラリア戦及びサウジアラビア戦(9月5日、ジッダ)の選考に関し、新たな方針を打ち出した。
西野委員長は「(クラブで)先発で2、3試合出ることを前提として考えたい、と監督は言っていた。MF今野(泰幸=34、G大阪)の例もあるし、今回は調整時間も短い。コンディションがすべて」と話す。
これまで指揮官は、故障者が出た際にクラブが難色を示しても強行招集する方針を頑なに貫いてきた。6月のイラク戦前にも骨折明けの今野を招集。しかし、状態は上がらず限定的な起用にとどまり、プレーも精彩を欠いた。
そうした“失敗”から今回はケガ人に試合出場のノルマを課したわけだが、問題はそのハードルの高さ。メンバー発表まで約2週間のタイミングから“クラブで先発して2、3試合”となると大迫は完全にアウトで、本田やMF香川真司(28=ドルトムント)、MF長谷部誠(33=Eフランクフルト)らの招集も難しくなる。
あまりにも振れ幅が大きい方針転換は現場の混乱を招きかねない。だからといって前言撤回して主力を強行招集すれば、それこそ選手やスタッフに動揺を招いてしまう。「日本サッカー界の将来がかかっている」と意気込む決戦を前に、指揮官自身に隙が生じている。
8/9(水) 16:45配信 東京スポーツ
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