4か月前、あなたは何をしていただろうか。幼い頃から丸刈りがトレードマークの小さなストライカーは「まだ4か月しか経っていないのか」と新たなユニフォームを着た決断を振り返って、笑みを浮かべた。
全国高校総体(インターハイ)は30日、サッカー2回戦を行い、青森山田(青森)は3-1で東福岡(福岡)を下し、3回戦へ駒を進めた。注目度の高い一戦を乗り越えたが、青森山田のFW中村駿太(3年)に満足感はなかった。勝利は素直に喜んだが「最後に自分が点を取れれば、一番スッキリできたかなと思います」という一言が付いてきた。
前線で攻撃の起点になり、タイミングの良いパスなどでチームに貢献したが、ストライカーとしては自分の得点がなかったことは無視できない。プロへ行くために、大きな決断をした。だから、プロのスカウトが集まるこの大会で、自分の力をアピールしたい。しかし、ノーゴールからのスタートとなった。
U-18世代のサッカー大会は、3種類存在する。1つは、夏のインターハイや冬の全国高校選手権といった高校の部活動が参加する大会だ。もう1つは、これら2つの大会とほぼ同時期に行われる日本クラブユース選手権、Jユースカップといったクラブチームが参加する大会。最後の1つが、高校もクラブも一緒に参加して通年で行う高円宮杯U-18サッカーリーグである。通常、選手は高校かクラブのどちらかに在籍するため、2種類の大会しか出場ができない。しかし、中村はすべての大会を経験しようとしている。
U-19代表FWが感じた初体験の高校サッカー「今までに感じたことのない雰囲気」
中村は、小学生の頃から柏レイソルの育成組織で育ってきた。小学生のとき、全日本少年サッカー大会で日本一に輝き、歴代最多得点を更新して注目を浴びた。当時は体が大きくて技術だけでなく、身体能力も目立った。丸刈りの風貌で次々にゴールを陥れる様から、当時最強のストライカーと呼ばれたブラジル代表FWになぞらえて「和製ロナウド」と呼ばれた。
年代別の日本代表もU-16から経験。昨年12月にもU-19日本代表に選ばれていた。当然、今年は柏レイソルU-18のエースとしての活躍するものと思われていた。しかし、中村は青森山田への“移籍”を決断。今春、中村はクラブ内で続けてもトップチーム昇格は難しいのではないかと判断したことを理由に挙げていた。
理由はさておき、中村がインターハイに出ることになるとは、誰も思っていなかったことだ。初戦は東福岡との強豪対決で、3000人超が来場した。高校サッカーは、クラブユースに比べて歴史が長く、ファンも多い。
中村は「僕は去年まで(この時期は)クラブユース選手権に出ていて、インターハイは決勝戦をニュースで見るものだった。いざ、自分が立ってみると、こんなにたくさんの人がいた。今日は特別なのかもしれないけど、クラブユースで強豪同士がやっても、こんなに人は来ない。モチベーションが上がるし、チームも勝ちたいし、自分ももっともっと良いプレーをしたいという欲がどんどん出てくる、今までに感じたことのない雰囲気で楽しかった」と、初めてのインターハイの感想を語った。
“移籍”を成功に導くプレッシャー…夢はプロ「自分がどこまで進化できるか」
青森山田の一員として初めて試合に出たのが4月の始め。約4か月前だ。少しずつ手応えを得てきているという。
「1か月前くらいから、味方が僕の動きを完全に理解してくれるようになってきた。なかなかプレーが合わなくて苦しい時期もあったけど、パスが出てこなくても見えていたとか、コミュニケーションを取れるようになって、少しずつ合ってきたところ。4か月と言われて、まだ4か月しか経っていないのかと思った」と話す素振りから、移籍を成功に導かなければならないというプレッシャーの中で、いかに濃密な時間を過ごしたかが伺えた。その手応えを、結果で示す場こそが、このインターハイだ。
「自分がどこまで進化できるか。背が高くないので、FW一本ではプロに行ったときに厳しいかもしれないと考えていて、少し下がった位置のプレーも考えている。その中で、僕の特徴であるゴールするという部分をなくさずにやっていけば、もっと(監督にとって)使いやすくて、幅の広い選手になれるのかなと思う」と話した中村は、ゴールでアピールしたいと考えている。
31日に行われる3回戦も、昨季の全国高校選手権を2年生主体で優勝した前橋育英高校(群馬)との対戦でビッグマッチが続く。相手の最終ラインには、新潟への加入が内定したDF渡邊泰基らもいる。大きな決断を経て、プロ入りへのアピールを狙う中村のプレーが注目される。
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170730-00010007-theanswer-socc&p=2
全国高校総体(インターハイ)は30日、サッカー2回戦を行い、青森山田(青森)は3-1で東福岡(福岡)を下し、3回戦へ駒を進めた。注目度の高い一戦を乗り越えたが、青森山田のFW中村駿太(3年)に満足感はなかった。勝利は素直に喜んだが「最後に自分が点を取れれば、一番スッキリできたかなと思います」という一言が付いてきた。
前線で攻撃の起点になり、タイミングの良いパスなどでチームに貢献したが、ストライカーとしては自分の得点がなかったことは無視できない。プロへ行くために、大きな決断をした。だから、プロのスカウトが集まるこの大会で、自分の力をアピールしたい。しかし、ノーゴールからのスタートとなった。
U-18世代のサッカー大会は、3種類存在する。1つは、夏のインターハイや冬の全国高校選手権といった高校の部活動が参加する大会だ。もう1つは、これら2つの大会とほぼ同時期に行われる日本クラブユース選手権、Jユースカップといったクラブチームが参加する大会。最後の1つが、高校もクラブも一緒に参加して通年で行う高円宮杯U-18サッカーリーグである。通常、選手は高校かクラブのどちらかに在籍するため、2種類の大会しか出場ができない。しかし、中村はすべての大会を経験しようとしている。
U-19代表FWが感じた初体験の高校サッカー「今までに感じたことのない雰囲気」
中村は、小学生の頃から柏レイソルの育成組織で育ってきた。小学生のとき、全日本少年サッカー大会で日本一に輝き、歴代最多得点を更新して注目を浴びた。当時は体が大きくて技術だけでなく、身体能力も目立った。丸刈りの風貌で次々にゴールを陥れる様から、当時最強のストライカーと呼ばれたブラジル代表FWになぞらえて「和製ロナウド」と呼ばれた。
年代別の日本代表もU-16から経験。昨年12月にもU-19日本代表に選ばれていた。当然、今年は柏レイソルU-18のエースとしての活躍するものと思われていた。しかし、中村は青森山田への“移籍”を決断。今春、中村はクラブ内で続けてもトップチーム昇格は難しいのではないかと判断したことを理由に挙げていた。
理由はさておき、中村がインターハイに出ることになるとは、誰も思っていなかったことだ。初戦は東福岡との強豪対決で、3000人超が来場した。高校サッカーは、クラブユースに比べて歴史が長く、ファンも多い。
中村は「僕は去年まで(この時期は)クラブユース選手権に出ていて、インターハイは決勝戦をニュースで見るものだった。いざ、自分が立ってみると、こんなにたくさんの人がいた。今日は特別なのかもしれないけど、クラブユースで強豪同士がやっても、こんなに人は来ない。モチベーションが上がるし、チームも勝ちたいし、自分ももっともっと良いプレーをしたいという欲がどんどん出てくる、今までに感じたことのない雰囲気で楽しかった」と、初めてのインターハイの感想を語った。
“移籍”を成功に導くプレッシャー…夢はプロ「自分がどこまで進化できるか」
青森山田の一員として初めて試合に出たのが4月の始め。約4か月前だ。少しずつ手応えを得てきているという。
「1か月前くらいから、味方が僕の動きを完全に理解してくれるようになってきた。なかなかプレーが合わなくて苦しい時期もあったけど、パスが出てこなくても見えていたとか、コミュニケーションを取れるようになって、少しずつ合ってきたところ。4か月と言われて、まだ4か月しか経っていないのかと思った」と話す素振りから、移籍を成功に導かなければならないというプレッシャーの中で、いかに濃密な時間を過ごしたかが伺えた。その手応えを、結果で示す場こそが、このインターハイだ。
「自分がどこまで進化できるか。背が高くないので、FW一本ではプロに行ったときに厳しいかもしれないと考えていて、少し下がった位置のプレーも考えている。その中で、僕の特徴であるゴールするという部分をなくさずにやっていけば、もっと(監督にとって)使いやすくて、幅の広い選手になれるのかなと思う」と話した中村は、ゴールでアピールしたいと考えている。
31日に行われる3回戦も、昨季の全国高校選手権を2年生主体で優勝した前橋育英高校(群馬)との対戦でビッグマッチが続く。相手の最終ラインには、新潟への加入が内定したDF渡邊泰基らもいる。大きな決断を経て、プロ入りへのアピールを狙う中村のプレーが注目される。
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170730-00010007-theanswer-socc&p=2