どうした「週刊文春」、これでは朝日新聞と変わらないではないか
花田紀凱の週刊誌ウォッチング〈626〉2017.7.16 09:00
http://www.sankei.com/smp/premium/news/170716/prm1707160010-s1.html
『週刊文春』ともあろうものが、と言いたくなった。
7月20日号、トップが「安倍首相にNO!」。今、これでは朝日新聞となんにも変わらないではないか。大手メディアの報道に異を唱える、「ちゆようわょっと違うんじゃないか」、というのが週刊誌の原点だったのでは。
内容も「政治部デスク」やら「ナントカ関係者」やら匿名コメントをつないだもので新味はない。サブタイトルの「自民王国茨城で退陣建白書」「創価学会中枢幹部が『ざまあみろ』」も噂話程度。
ちなみに『文春』、今号は和田誠さんの表紙になって2000回。カラーグラビアで回顧特集。1977年5月12日号がスタートだから、もう40年前か。
編集長は田中健五さんで、ぼくはデスクのひとりだった。「エアメール」の表紙を最初に見た時の感激は今も忘れられない。クルマにハネられて死んだわが愛猫ブン太の表紙も懐かしい。
一方の『週刊新潮』(7月20日文月増大号)、右柱が「逃げ隠れする『加計孝太郎理事長』の疑惑のスイカ」。
妻とともに岡山市内のスーパーでスイカなどを買ったところを捉まえたまではよかったが、〈何度、質問を投げかけてみても、最後まで黙して語らず〉。
要は逃げられたということ。
それにしても「疑惑のスイカ」、わからないタイトルだ。
『週刊ポスト』(7・21/28)の大特集「完全版『落選運動』その破壊力とその実践法」。
〈「特定の候補を政治家に相応しくないと訴え、当選させないようにする行為、つまり『落選運動』は選挙運動とみなされないため、公選法に抵触しません。告示前は特定の候補を当選させる選挙運動(事前運動)は禁じられていますが、落選運動は可。いつでも始められるし年齢制限もない」(上脇博之・神戸学院大学教授)〉
しかし、組織的に実行できるのは共産、公明くらいだろう。
松居一代、怖い女だ。『文春』『新潮』、左柱だが、ワイドショーで食傷。船越英一郎がお気の毒。
(月刊『Hanada』編集長)