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宗祖親鸞の木像を背に「消息」を発表する大谷光淳門主(京都市下京区・西本願寺御影堂)
浄土真宗本願寺派(本山・西本願寺、京都市下京区)が、昨年10月1日から10期に分けて80回に及ぶ法要を営み、大谷光淳(こうじゅん)門主(39)の第25代門主就任を内外に披露してきた「伝灯奉告法要」が31日、幕を下ろした。
大谷門主は2014年6月、父光真氏(71)から門主を継いだ。
この日は同寺の御影(ごえい)堂と阿弥陀堂に門信徒ら計約2500人が参拝。法要の後、大谷門主は門信徒に宛てた書簡「消息」を発表した。その中で、熊本地震と東日本大震災の犠牲者や被災者に触れたほか、
東京電力福島第1原発事故について「思うままに電力を消費する便利で豊かな生活を追求するあまり、一部の方々に過酷な現実を強いるという現代社会の矛盾があらわになった」と指摘し、原発事故の中に人間の自己中心性を読み取った。
また、念仏者にふさわしい行き方を示し、今後については「自他ともに心安らぐ社会を実現するために精進させていただきましょう」と呼び掛けた。
【 2017年05月31日 22時30分 】
http://www.kyoto-np.co.jp/sightseeing/article/20170531000166