うちこそが日本一寒い町――。
北海道東部の内陸のまち・陸別町の住民が、そう結論づけた論文を気象学会誌に発表した。
40年近く前から寒さを楽しむイベントを開いてきた住民らは、過去10年の全国の冬の気象データを比較し、
「日本一の寒さ」を裏付けた形だ。
上空に強い寒気が入り込んだ1月下旬。
気温は零下22度。
「今夜はしばれる(寒い)ね」。
陸別町の山あいで午後9時すぎ、男女約30人が直径2・5メートルほどの氷のかまくらに高圧洗浄機で水を吹きつけていた。
2月4、5の両日、町では極寒を楽しむ催し「しばれフェスティバル」が開かれた。
恒例のイベント「人間耐寒テスト」では、「バルーンマンション」と名づけられた氷のかまくら100個に約250人が一晩泊まり込んだ。
フェスティバルが始まったのは1982年。
当時、町商工会青年部にいた旅館業浜田始(はじめ)さん(66)が仲間らと手がけた。
林業で栄えた町の人口は昭和30年代、9千人近かった。
旧国鉄池北線・陸別駅は、高倉健さん主演の映画「幸福の黄色いハンカチ」のロケ地にもなった。
だが林業が衰退し、人口は約2500人に減った。
一方、町では自動車メーカー数社が氷結した路面での走行試験をしていた。
「寒さは町の資源になる」。
そう感じた浜田さんは「日本一寒い町」をキャッチフレーズに打ち出した。
写真:観測史上最も低い気温ランキング
写真:極寒イベントに向け、零下22度の中、水を吹きつけて凍らせ、「氷のかまくら」を作っていく町民ら
以下ソース:朝日新聞 2017年2月28日11時44分
http://www.asahi.com/articles/ASK1T4CTHK1TIIPE00R.html