光の届かない暗闇で数日間過ごした猫が救出され、地域住民に安堵(あんど)が広がっている。
今月上旬、深谷市瀬山の小菅茂さん(74)方の敷地にある井戸に、1匹の猫が転落した。
井戸の深さは10メートル近く。
最大1メートル幅の井戸の口は日頃、木材や鉄板でふたをしていたが、何らかの拍子で身をくぐらせたとみられる。
隣家の住民は3日間ほど、「ニャー」という鳴き声を耳にしていた。
声の主の居場所は分からなかったが、
12日午前、隣家の小学5年生男児(11)が井戸にソーセージを落とすと、動く気配があった。
同日の地区の会合で猫を心配する声が上がり、近所に住む馬場詔二さん(73)が管轄の寄居署に相談した。
同日午後6時ごろ、署員2人が現場に到着。
試行錯誤の結果、馬場さん方にあった全長12メートルの2連はしごを使用し、
1人の署員が井戸の中に入り、もう1人の署員がはしごを支えながら懐中電灯の光を照らした。
署員が井戸の底近くまで到達すると、携えた袋に猫を入れ抱き抱えるなどして、地上へと運んだ。
現在は井戸水がなかったことも幸運だった。
馬場さんは
「みんな心配していたので、警察の方には感謝の気持ちでいっぱい。
救ってもらった命だから、大切にしないとね」と猫に言葉を掛けた。
写真:井戸の底から助け出された猫
写真:救助活動の様子を語る馬場詔二さん(左)と小菅茂さん
以下ソース:埼玉新聞 2017年2月23日(木)
http://www.saitama-np.co.jp/news/2017/02/23/07_.html