中国で覚醒剤を持っていたとして麻薬運搬罪に問われた元稲沢市議の桜木琢磨被告(73)が、中国の1審の裁判が結審してから28日で3年を迎え、被告の知人や議員の元同僚らも、判決が出ないままの裁判の行方を注視している。
桜木被告と長年の友人という小牧市のコンサルティング会社社長・佐々木賢治さん(68)は「共犯関係も複雑で判断が難しいのかもしれないが、3年以上も拘束が続くのは異常事態だ」と憤り、「(桜木被告は)体調がすぐれず、高齢でもある。一日も早く判決を出すべきだ」と語った。
桜木被告は市議を5期務めたが、中国で拘束され、2015年9月の市議選に立候補しなかった。拘束された当時の議長だった野村英治市議(63)は「私たちの仲間で、本人も無罪を主張している。無罪で帰って来てほしいという気持ちだ」と気遣っていた。
中国の司法制度に詳しい早稲田大学社会安全政策研究所の高橋正義招聘研究員(刑事法)は
「中国の刑事学者の間では近年、『運び屋』を死刑とする判決について議論が起こっている。中国国内で刑法を改正して薬物密輸犯罪の死刑は避けたほうがいいという意見も出ている中、桜木被告をどう裁くかは日中関係を含めて政治的な考慮が出てくる。判決の延期は、こうした考慮が最大の要因だろう」と指摘している。
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