2017年のJリーグ王者は、鹿島アントラーズかもしれないシーズンは前半戦を終えたところだが、見逃せないデータがあるのだ。
過去10シーズンの前半戦終了時(17節終了時)の順位と、最終的な順位に着目してみる。
2ステージ制で争われた'15年と'16年は、第1ステージの順位を前半戦終了時とし、年間順位を最終的な順位とする。
Jリーグ最多8度の年間王者に輝いている鹿島は、前半戦終了時の順位よりも最終順位が悪かったことが、わずかに1度しかない。
2010年の前半戦を3位で折り返しながら、4位でシーズンを終えたことがあるだけなのだ。後半戦にとりわけ強いのが、データから見えてくる鹿島のチームカラーなのである。
昨年は第1ステージを制したものの、第2ステージは11位に沈む。年間順位は3位だった。それでも、チャンピオンシップ(CS)で川崎フロンターレと浦和レッズを連破し、
7年ぶりにリーグ戦のタイトルを獲得している。1点差ゲームを2度制したうえでのCS制覇は、クラブに息づく勝負強さを示すものだった。
■鹿島の勝負どころを見極める戦術眼は相変わらず。
第14節から指揮を執る大岩剛監督のもとで、鹿島はリーグ戦5連勝を飾っている。通算では12勝5敗の勝点36で、“夏の王者”に輝いたのだった。
第17節の柏レイソル戦では、アウェイでの撃ち合いを3-2で制した。柏戦から中2日で臨んだガンバ大阪とのアウェイゲームでは、遠藤康のゴールを守り切って1-0で勝点3をつかんでいる。
試合ごとに選手を入れ替えつつもチームのレベルを保ち、勝負どころを見極めるチームとしての戦術眼が、現在の好調を支えている。押し込まれた時間帯を硬軟自在にしのぐ試合運びは、他チームには見られないものだ。
■前半戦4位以下から逆転したのはここ10年で1度だけ。
ちなみに、シーズン中に監督を交代しながら優勝したチームは、1990年代にいくつかの例がある。'95年の横浜マリノス(現F・マリノス)、'97年のジュビロ磐田、'98年の鹿島アントラーズだ。
ただ、いずれも2ステージ制のシーズンである。前監督の成績を引き継いだうえで1シーズンを勝ち抜いた監督は、これまでひとりもいない。大岩監督が優勝のシャーレを掲げれば、リーグの歴史に残る偉業となるだろう。
データが裏付けるリーグ優勝の条件には、「前半戦を3位以内で終える」というものもある。過去10年の優勝チームは、ひとつの例外を除いて3位以内で後半戦へ進んでいった。
その例外とは、'14年のガンバ大阪である。
第17節終了時の成績は7勝3分7敗の8位だったが、ケガから復帰した宇佐美貴史と途中加入のパトリックが攻撃を活性化し、ブラジルW杯の中断明け(第15節)からは15勝3分2敗のハイペースで駆け抜けた。
17節終了時点で首位の浦和レッズとは勝点12の開きがあったが、浦和を勝点1差で抑えて優勝をさらったのである。
>>2以降につづく
7/8(土) 7:01配信 NUMBER
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