昨年七月の参院選広島選挙区を巡る買収事件で、前法相の衆院議員河井克行容疑者(57)と妻の参院議員案里容疑者(46)がそれぞれ支部長を務めていた自民党の政党支部が、選挙前に党本部から入金された計一億五千万円について、使途を記載しないまま法定の報告書を広島県選挙管理委員会などに対し、五月までに提出していたことが関係者への取材で分かった。夫妻側は「家宅捜索で領収書を押収されたことが理由」と説明しているという。
一億五千万円を巡っては、夫妻が地元議員や首長らに配布した現金の原資となったかどうかが注目されている。検察はひも付けは困難とする一方、少なくとも巨額買収の引き金になったとみている。関係者によると、報告書は既に受理されており、今秋をめどに公表されるが、使途が検証できない状態になっている。
関係者によると、一億五千万円は克行前法相が支部長だった「自民党広島県第三選挙区支部」と、案里議員が支部長だった「自民党広島県参議院選挙区第七支部」に昨年四〜六月に入金された。うち八割に当たる一億二千万円は、税金から党本部に交付された政党交付金。残る三千万円は党費収入などによる党本部の自主財源だった。
使途が明示されていないのは、昨年分の両政党支部の政党交付金使途等報告書と政治資金収支報告書。政党交付金は政党助成法に基づく公的な助成金で、使途等報告書には支出目的や金額、支払先などを記載しなければならない。一方、政治資金収支報告書には、政治団体の収入や支出、保有資産などを記す必要があり、政党交付金も対象になる。
東京新聞
2020年6月20日 14時13分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/36838
一億五千万円を巡っては、夫妻が地元議員や首長らに配布した現金の原資となったかどうかが注目されている。検察はひも付けは困難とする一方、少なくとも巨額買収の引き金になったとみている。関係者によると、報告書は既に受理されており、今秋をめどに公表されるが、使途が検証できない状態になっている。
関係者によると、一億五千万円は克行前法相が支部長だった「自民党広島県第三選挙区支部」と、案里議員が支部長だった「自民党広島県参議院選挙区第七支部」に昨年四〜六月に入金された。うち八割に当たる一億二千万円は、税金から党本部に交付された政党交付金。残る三千万円は党費収入などによる党本部の自主財源だった。
使途が明示されていないのは、昨年分の両政党支部の政党交付金使途等報告書と政治資金収支報告書。政党交付金は政党助成法に基づく公的な助成金で、使途等報告書には支出目的や金額、支払先などを記載しなければならない。一方、政治資金収支報告書には、政治団体の収入や支出、保有資産などを記す必要があり、政党交付金も対象になる。
東京新聞
2020年6月20日 14時13分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/36838