https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180112-00536199-shincho-cn
日本と中国どちらが侵略回数が多いのか
時事ネタを扱った年末の漫才で話題を呼び、また「朝まで生テレビ」での発言が物議を醸しているのがウーマンラッシュアワーの村本大輔氏だ。「朝生」では、「尖閣を(中国に)取られてもいい」と言い、また沖縄はもともと中国のものだったという認識を表明したことから、彼の歴史認識そのものが問われる事態ともなっている。
そんな中、4日、村本氏は自身のツイッターでこんな疑問を表明した。
「その前におれも純粋な疑問なんなけど、なぜ侵略してくると思ってるんだろう、歴史からしたら、って言うけど、日本と中国、どっちが多く過去にほかの国を侵略したんだろう。中国の友達と話したらそんなことを言っていた、侵略するわけない、いまイケイケなのに、デメリットしかねーわって」(原文ママ)
要は、現在「イケイケ」の中国が、日本を侵略してくるわけがないのでは、という疑問を呈しているのである。この場合の「日本」と「中国」あるいは「ほかの国」の定義がどうなのかは不明なので、村本氏の疑問は大雑把すぎるかもしれないが、とりあえず国連発足後の「日本」と「中華人民共和国」を比べてみたらどうだろうか。要は現在の国際秩序が生まれて以降の話である。そして、それを知れば村本氏もなぜ、今なお多くの人が「中国の侵略」を心配しているのかがわかるかもしれない。
テキストは『歴史問題の正解』(有馬哲夫・著)。有馬氏は早稲田大学教授で公文書研究の第一人者である。
同書の第9章のタイトルはズバリ「現代中国の歴史は侵略の歴史である」。村本氏の疑問に正面から答える形となっている。有馬氏は、2014年に公開されたダグラス・マッカーサー記念アーカイヴズ所蔵の文書(「アメリカ極東軍司令部電報綴1949-1952」)を読み解くと、1949年に生まれた現在の中国が、誕生直後から「極めて貪欲にアジアの周辺諸国に侵略の手を伸ばし、これらの国々の間に紛争を起こしていく姿が鮮明に浮かび上がってくる」としている。
以下、同書をもとにその侵略の姿を見てみよう(引用はすべて同書より)
1949年以降一貫して侵略をしている中国
中国がアジアの他国に軍隊を送った事例として有名なのは朝鮮戦争だろう。この時、中国は朝鮮半島に約30万もの軍隊を派遣している。しかし実は中国は同時期に別の動きも見せている、
「中国は朝鮮戦争とほぼ同時進行で、ヴェトナム北部に大軍を送り、ミャンマー(当時はビルマ、以下同)北部・タイ・ラオス・中国南部の国境地帯で領土拡張の浸透作戦を行い、台湾に侵攻するための艦船の供与をソ連に求めていた。
しかも、前年の1949年にはすでにチベット東部を侵略していて、朝鮮戦争のさなかにも中央チベットまで侵攻し、チベット征服を完成させているのだ。まさしく貪欲そのものだ。
こういった中国の侵略的動きの全体を眺めてみると、朝鮮戦争への中国の参戦がこれまでとは違ったものに見えてくる。つまり、この参戦は、自衛というよりは、中国が周辺諸国に対して起こしていた一連の拡張主義的動きの一部だったと見ることができるということだ。事実この戦争のあと、中国はソ連に代わって北朝鮮の宗主国となる。
その後、中国はさらにヴェトナム、ラオス、ミャンマー、タイ、インドへとターゲットを変えつつ、侵略的動きを継続させていく。
近年の西沙諸島や南沙諸島の島々の強奪、そして尖閣諸島への攻勢は、この延長線上にあるのだ」
歴史が教えてくれるのは、少なくとも「中国」は誕生後、一貫して他国を侵略しつづけている、ということだ。これが、「正解」であり、決して偏った見方ではない。「チベット」「フリー」といった単語でネット検索をすれば、洋の東西、あるいは保守リベラル関係なく、多くの先進国の人達が中国の侵略あるいは人権侵害への懸念を表明してきたことがすぐにわかるはずだ。また、中国がどれだけ多くの国と国境で紛争を起こしているかも、調べればすぐにわかる。
(略)
日本と中国どちらが侵略回数が多いのか
時事ネタを扱った年末の漫才で話題を呼び、また「朝まで生テレビ」での発言が物議を醸しているのがウーマンラッシュアワーの村本大輔氏だ。「朝生」では、「尖閣を(中国に)取られてもいい」と言い、また沖縄はもともと中国のものだったという認識を表明したことから、彼の歴史認識そのものが問われる事態ともなっている。
そんな中、4日、村本氏は自身のツイッターでこんな疑問を表明した。
「その前におれも純粋な疑問なんなけど、なぜ侵略してくると思ってるんだろう、歴史からしたら、って言うけど、日本と中国、どっちが多く過去にほかの国を侵略したんだろう。中国の友達と話したらそんなことを言っていた、侵略するわけない、いまイケイケなのに、デメリットしかねーわって」(原文ママ)
要は、現在「イケイケ」の中国が、日本を侵略してくるわけがないのでは、という疑問を呈しているのである。この場合の「日本」と「中国」あるいは「ほかの国」の定義がどうなのかは不明なので、村本氏の疑問は大雑把すぎるかもしれないが、とりあえず国連発足後の「日本」と「中華人民共和国」を比べてみたらどうだろうか。要は現在の国際秩序が生まれて以降の話である。そして、それを知れば村本氏もなぜ、今なお多くの人が「中国の侵略」を心配しているのかがわかるかもしれない。
テキストは『歴史問題の正解』(有馬哲夫・著)。有馬氏は早稲田大学教授で公文書研究の第一人者である。
同書の第9章のタイトルはズバリ「現代中国の歴史は侵略の歴史である」。村本氏の疑問に正面から答える形となっている。有馬氏は、2014年に公開されたダグラス・マッカーサー記念アーカイヴズ所蔵の文書(「アメリカ極東軍司令部電報綴1949-1952」)を読み解くと、1949年に生まれた現在の中国が、誕生直後から「極めて貪欲にアジアの周辺諸国に侵略の手を伸ばし、これらの国々の間に紛争を起こしていく姿が鮮明に浮かび上がってくる」としている。
以下、同書をもとにその侵略の姿を見てみよう(引用はすべて同書より)
1949年以降一貫して侵略をしている中国
中国がアジアの他国に軍隊を送った事例として有名なのは朝鮮戦争だろう。この時、中国は朝鮮半島に約30万もの軍隊を派遣している。しかし実は中国は同時期に別の動きも見せている、
「中国は朝鮮戦争とほぼ同時進行で、ヴェトナム北部に大軍を送り、ミャンマー(当時はビルマ、以下同)北部・タイ・ラオス・中国南部の国境地帯で領土拡張の浸透作戦を行い、台湾に侵攻するための艦船の供与をソ連に求めていた。
しかも、前年の1949年にはすでにチベット東部を侵略していて、朝鮮戦争のさなかにも中央チベットまで侵攻し、チベット征服を完成させているのだ。まさしく貪欲そのものだ。
こういった中国の侵略的動きの全体を眺めてみると、朝鮮戦争への中国の参戦がこれまでとは違ったものに見えてくる。つまり、この参戦は、自衛というよりは、中国が周辺諸国に対して起こしていた一連の拡張主義的動きの一部だったと見ることができるということだ。事実この戦争のあと、中国はソ連に代わって北朝鮮の宗主国となる。
その後、中国はさらにヴェトナム、ラオス、ミャンマー、タイ、インドへとターゲットを変えつつ、侵略的動きを継続させていく。
近年の西沙諸島や南沙諸島の島々の強奪、そして尖閣諸島への攻勢は、この延長線上にあるのだ」
歴史が教えてくれるのは、少なくとも「中国」は誕生後、一貫して他国を侵略しつづけている、ということだ。これが、「正解」であり、決して偏った見方ではない。「チベット」「フリー」といった単語でネット検索をすれば、洋の東西、あるいは保守リベラル関係なく、多くの先進国の人達が中国の侵略あるいは人権侵害への懸念を表明してきたことがすぐにわかるはずだ。また、中国がどれだけ多くの国と国境で紛争を起こしているかも、調べればすぐにわかる。
(略)