ロシアによるウクライナ侵略を巡り、ウクライナのゼレンスキー大統領は20日、米国とウクライナが24日にサウジアラビアで代表団協議を行うと発表した。ゼレンスキー氏は、米代表団がウクライナと協議した後、現地で露代表団とも協議を開くと述べた。訪問先のノルウェーでの記者会見での発言をウクライナメディアが伝えた。
ゼレンスキー氏は、24日の対米協議では、ウクライナ・ロシア双方によるエネルギー施設への攻撃停止合意が議題になると説明した。米国を仲介役とするこの合意を巡っては、攻撃停止の対象に関し、米・ウクライナ側とロシア側が異なる見解を示している。ゼレンスキー氏は、攻撃停止対象を定めるリストを作成したい意向を示した。
米国のウィットコフ中東担当特使もこれに先立ち、次回のサウジでの米露協議に関し、エネルギー施設への攻撃停止合意や、将来的な「黒海での停戦」問題が議題になるとの見方を示していた。
一方、タス通信によると、ペスコフ露大統領報道官は20日、24日の米露協議では、ウクライナ産穀物を黒海経由で輸送する手続きを定めた「穀物合意」の再開問題も議題になると指摘した。
穀物合意は2022年7月、ロシアの侵略により停滞したウクライナ産穀物の輸出を再開し、国際的な食糧価格を下げることなどを目的に、トルコと国連が仲介してロシアとウクライナの間で成立した。しかし、ロシアは合意の見返りとして約束された利益が得られていないなどと主張し、合意の延長を拒否。ロシアの離脱で合意は23年7月に失効していた。(小野田雄一)
産経新聞 2025/3/21 01:19
https://www.sankei.com/article/20250321-CMCYXF2UKJI35J42UGBCCSAAMU/