[北京 17日 ロイター] 北京で新型コロナウイルス感染症の拡大がピークに達していた頃、私立病院で多忙なシフトに入っていたある医師のもとに、
印刷された通知が救急部門から届いた。死亡診断書で新型コロナによる呼吸器疾患に触れることを「なるべく避ける」よう医師らに求める内容だった。
ロイターが閲覧した通知のコピーでは、死亡者に基礎疾患があった場合はそれを主な死因として記載するよう指示されている。
新型コロナ感染に伴う肺炎のほかに死因は認められないと医師が考える場合には、上長に報告しなければならない。
新型コロナによる死亡と認定されるまでには、さらに2段階の「専門家への諮問」を経ることになる。
取材した公立病院の6人の医師も、新型コロナを死因とすることを控えるよう口頭で指示を受けたか、勤務先の病院にそうした方針があると認識していたとのことだった。
新型コロナで亡くなった人々の親族からも、死亡診断書に死因として書かれていなかったという証言があった。
一部の患者は、呼吸器系の症状で病院に行ったにもかかわらず、新型コロナの検査をされなかったと報告している。
「昨年12月の規制解除以降、死因を新型コロナだと分類することはやめている」と語るのは、上海の大規模な公立病院に勤務する医師だ。
「ほとんど全員が新型コロナ陽性だから、分類しても意味がない」
中国東部の都市、浙江省寧波で働くベテランの医師は、死因を新型コロナとするに当たっては「慎重」な対応を指示されているとし、
そのように記載する場合には許可が必要になるだろうと話す。
このような「慎重さ」は、他の疾病を死亡診断書に記載する際には求められないと言う。
上海の大病院に勤務する医師は、今回の「波」が始まって以来、平年の同時期に比べ週単位での死亡率が3―4倍高くなっていると話す。
「死亡診断書では、主要な死因を1つ、副次的な死因を2つか3つ記載する。基本的に新型コロナは書かないようにしている」とこの医師は言う。
「病院からの指示は政府から来ているものであり、従う以外に道はない。私は何か決定できるような立場にはない」
https://jp.reuters.com/article/health-coronavirus-china-casualties-idJPKBN2TZ064?il=0
印刷された通知が救急部門から届いた。死亡診断書で新型コロナによる呼吸器疾患に触れることを「なるべく避ける」よう医師らに求める内容だった。
ロイターが閲覧した通知のコピーでは、死亡者に基礎疾患があった場合はそれを主な死因として記載するよう指示されている。
新型コロナ感染に伴う肺炎のほかに死因は認められないと医師が考える場合には、上長に報告しなければならない。
新型コロナによる死亡と認定されるまでには、さらに2段階の「専門家への諮問」を経ることになる。
取材した公立病院の6人の医師も、新型コロナを死因とすることを控えるよう口頭で指示を受けたか、勤務先の病院にそうした方針があると認識していたとのことだった。
新型コロナで亡くなった人々の親族からも、死亡診断書に死因として書かれていなかったという証言があった。
一部の患者は、呼吸器系の症状で病院に行ったにもかかわらず、新型コロナの検査をされなかったと報告している。
「昨年12月の規制解除以降、死因を新型コロナだと分類することはやめている」と語るのは、上海の大規模な公立病院に勤務する医師だ。
「ほとんど全員が新型コロナ陽性だから、分類しても意味がない」
中国東部の都市、浙江省寧波で働くベテランの医師は、死因を新型コロナとするに当たっては「慎重」な対応を指示されているとし、
そのように記載する場合には許可が必要になるだろうと話す。
このような「慎重さ」は、他の疾病を死亡診断書に記載する際には求められないと言う。
上海の大病院に勤務する医師は、今回の「波」が始まって以来、平年の同時期に比べ週単位での死亡率が3―4倍高くなっていると話す。
「死亡診断書では、主要な死因を1つ、副次的な死因を2つか3つ記載する。基本的に新型コロナは書かないようにしている」とこの医師は言う。
「病院からの指示は政府から来ているものであり、従う以外に道はない。私は何か決定できるような立場にはない」
https://jp.reuters.com/article/health-coronavirus-china-casualties-idJPKBN2TZ064?il=0