「抗原検査で陰性」ほど信用できないものはない
久住 英二 : ナビタスクリニック内科医師
率直に言って、新型コロナの「抗原検査で陰性」ほど怪しいものはない。
抗原検査はウイルス量が少ないと簡単に「偽陰性」(感染しているのに陰性)が出るからだ。
診療現場の体感的には、大目に見て3〜4割当たるかどうかだ。実はいかに抗原検査があてにならないかは、研究でも明らかになっている。
「アメリカ医師会雑誌」の研究では、225人のPCR陽性患者に抗原検査を行ったところ、正しく陽性と出る割合(感度)は
PCRと比べて、発症日は40%未満(そもそもPCRも発症日の感度は8割程度なので、実質的には30%程度だろう)、発症5日目にようやく77%となった。
しかも、15日間連続で抗原検査をしてもらった平均として、症状がある場合は感度65%だが、無症状だとわずか10%だった。
また、ワクチン未接種だと15日平均で感度67%だが、1度でも接種を受けていると感度は49%に下がった。
同研究では、1回ではまったく信用できないので、2日おいてもう一度抗原検査をすることで、感度はPCR比85%まで高められるとしている。
FDA(アメリカ食品医薬品局)も、抗原検査が陰性の場合は2日後にまた検査することとしている。
ところが、症状が軽ければ何度やっても信用ならない、というのが実情だ。
知り合いは微熱と喉の痛みで、発症から2日目と4日目に抗原検査を受け、いずれも陰性だった。
だが3日後、同時に受けておいたPCR検査の結果は、陽性だった。すでに発症から1週間たち、市販の解熱鎮痛剤でしのぎつつ外出もしていたという。
これでは当然、家庭内感染や職場内感染は防ぎようがない。高齢であれば、様子を見ているうちに重症化する可能性もある。
https://toyokeizai.net/articles/-/642554#:~:text=%E3%83%AF%E3%82%AF%E3%83%81%E3%83%B3
久住 英二 : ナビタスクリニック内科医師
率直に言って、新型コロナの「抗原検査で陰性」ほど怪しいものはない。
抗原検査はウイルス量が少ないと簡単に「偽陰性」(感染しているのに陰性)が出るからだ。
診療現場の体感的には、大目に見て3〜4割当たるかどうかだ。実はいかに抗原検査があてにならないかは、研究でも明らかになっている。
「アメリカ医師会雑誌」の研究では、225人のPCR陽性患者に抗原検査を行ったところ、正しく陽性と出る割合(感度)は
PCRと比べて、発症日は40%未満(そもそもPCRも発症日の感度は8割程度なので、実質的には30%程度だろう)、発症5日目にようやく77%となった。
しかも、15日間連続で抗原検査をしてもらった平均として、症状がある場合は感度65%だが、無症状だとわずか10%だった。
また、ワクチン未接種だと15日平均で感度67%だが、1度でも接種を受けていると感度は49%に下がった。
同研究では、1回ではまったく信用できないので、2日おいてもう一度抗原検査をすることで、感度はPCR比85%まで高められるとしている。
FDA(アメリカ食品医薬品局)も、抗原検査が陰性の場合は2日後にまた検査することとしている。
ところが、症状が軽ければ何度やっても信用ならない、というのが実情だ。
知り合いは微熱と喉の痛みで、発症から2日目と4日目に抗原検査を受け、いずれも陰性だった。
だが3日後、同時に受けておいたPCR検査の結果は、陽性だった。すでに発症から1週間たち、市販の解熱鎮痛剤でしのぎつつ外出もしていたという。
これでは当然、家庭内感染や職場内感染は防ぎようがない。高齢であれば、様子を見ているうちに重症化する可能性もある。
https://toyokeizai.net/articles/-/642554#:~:text=%E3%83%AF%E3%82%AF%E3%83%81%E3%83%B3