2019年に傷害容疑で逮捕された熊本市の男性が、熊本区検の取り調べ中に顔面打撲を負わせられたとして、国に171万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、熊本地裁は30日、担当の副検事の過失を認め、国に慰謝料など1万6480円の支払いを命じた。
判決などによると、男性は19年6月、同居する女性に暴力を振るってけがをさせたとして県警に逮捕され、「洗濯かごの引っ張り合いが原因」と容疑を否認していた。熊本区検に送致後の7月11日、取調室にあったプラスチック製ケースで状況を再現させた際、副検事が手を離してケースが顔面にぶつかった。
品川英基裁判長は「再現性を高めるためとはいえ、注意せずに持ち手のないケースで再現させたことは原告の身体への危険性を相当程度伴い、副検事の過失が認められる」と判断した。
熊本地検の松永拓也次席検事は「判決内容を検討し、関係機関や上級庁と協議した上、適切に対応したい」とコメントした。
熊本地検を巡っては、嫌疑不十分で不起訴処分になった事件の証拠物を正当な理由なく還付しなかったとして、熊本地裁が28日、国に11万円の賠償を命じている。(植木泰士)
熊本日日新聞 | 2022年11月30日 21:52
https://kumanichi.com/articles/872671
判決などによると、男性は19年6月、同居する女性に暴力を振るってけがをさせたとして県警に逮捕され、「洗濯かごの引っ張り合いが原因」と容疑を否認していた。熊本区検に送致後の7月11日、取調室にあったプラスチック製ケースで状況を再現させた際、副検事が手を離してケースが顔面にぶつかった。
品川英基裁判長は「再現性を高めるためとはいえ、注意せずに持ち手のないケースで再現させたことは原告の身体への危険性を相当程度伴い、副検事の過失が認められる」と判断した。
熊本地検の松永拓也次席検事は「判決内容を検討し、関係機関や上級庁と協議した上、適切に対応したい」とコメントした。
熊本地検を巡っては、嫌疑不十分で不起訴処分になった事件の証拠物を正当な理由なく還付しなかったとして、熊本地裁が28日、国に11万円の賠償を命じている。(植木泰士)
熊本日日新聞 | 2022年11月30日 21:52
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