季節性インフルエンザの予防接種を数年続けて受けた小児は、新型のインフルエンザ株を幅広く防御する抗体を有することが、新たな研究で明らかにされた。
しかし、このような抗体は成人では産生されないという。
マックマスター大学(カナダ)Michael G. DeGroote感染症研究所准教授のMatthew Miller氏らによるこの研究の詳細は、
「Cell Reports Medicine」に2月3日掲載された。
Miller氏は、「小児は、インフルエンザを広げる主な原因であるとともに、インフルエンザのハイリスク群でもあるが、
季節性インフルエンザワクチンの接種が小児の免疫応答に与える影響については、ほとんど解明されていない。
インフルエンザの効果的な予防のためには、毎シーズンのワクチン接種やさまざまなワクチン製剤が小児の免疫を形成する機序を理解することが重要だ」
と研究背景述べている。
今回の研究では、3シーズン(2008/2009〜2010/2011)にわたり注射または鼻腔スプレーにより不活化インフルエンザワクチンを接種した3〜15歳の小児37人と
ワクチン未接種の小児31人(対照群)を対象に、3年をかけて、両ワクチンが広域中和抗体(bNAbs)の誘導に及ぼす影響を調べた。
bNAbsは、幅広いウイルス株に対する感染予防効果を期待できることから、ユニバーサルインフルエンザワクチンの開発において有望視されている抗体だ。
その結果、いずれのタイプのワクチンもbNAbs産生の点では同等の効果を示すことが明らかになった。
しかし、加齢に伴い、感染やワクチン接種を通してインフルエンザウイルスに繰り返し曝露するうちに、その抗体産生能力は低下したという。
研究グループは、「小児はインフルエンザによる肺炎や脱水症などの重篤な合併症や死亡のリスクが高いことから、この結果は、
小児向けのユニバーサルインフルエンザワクチンを開発する取り組みにおいて、大きな意味を持つ可能性がある」と述べている。
Miller氏によると、小児と成人ではインフルエンザのウイルスやワクチンに対する免疫反応が異なるのだという。
同氏は、「成人がワクチンを接種しても季節性インフルエンザウイルスに特異的な免疫応答が生じるだけで、
小児のように、世界的な流行を引き起こす新型インフルエンザウイルスを防御できるような免疫応答は起こらない」と説明している。
Miller氏は、「ソーシャルディスタンスの確保やマスク着用などの新型コロナウイルス対策により、季節性インフルエンザの発症率は低下している。
しかし、インフルエンザは再び危険な形で流行する可能性がある」と警鐘を鳴らす。
その一方で同氏は、鼻腔スプレーと注射のいずれのワクチン接種も有効であったことは、子どもに痛みを与えたくない親にとっても好ましい結果であることを指摘。
「今回の研究により、小児の免疫系は成人よりもはるかに順応性が高いことが明らかにされた。
そのため、ユニバーサルワクチンの投与方法も柔軟に決めることができるだろう」と付け加えている。
https://dime.jp/genre/1323565/#:~:text=%E3%83%AF%E3%82%AF%E3%83%81%E3%83%B3
しかし、このような抗体は成人では産生されないという。
マックマスター大学(カナダ)Michael G. DeGroote感染症研究所准教授のMatthew Miller氏らによるこの研究の詳細は、
「Cell Reports Medicine」に2月3日掲載された。
Miller氏は、「小児は、インフルエンザを広げる主な原因であるとともに、インフルエンザのハイリスク群でもあるが、
季節性インフルエンザワクチンの接種が小児の免疫応答に与える影響については、ほとんど解明されていない。
インフルエンザの効果的な予防のためには、毎シーズンのワクチン接種やさまざまなワクチン製剤が小児の免疫を形成する機序を理解することが重要だ」
と研究背景述べている。
今回の研究では、3シーズン(2008/2009〜2010/2011)にわたり注射または鼻腔スプレーにより不活化インフルエンザワクチンを接種した3〜15歳の小児37人と
ワクチン未接種の小児31人(対照群)を対象に、3年をかけて、両ワクチンが広域中和抗体(bNAbs)の誘導に及ぼす影響を調べた。
bNAbsは、幅広いウイルス株に対する感染予防効果を期待できることから、ユニバーサルインフルエンザワクチンの開発において有望視されている抗体だ。
その結果、いずれのタイプのワクチンもbNAbs産生の点では同等の効果を示すことが明らかになった。
しかし、加齢に伴い、感染やワクチン接種を通してインフルエンザウイルスに繰り返し曝露するうちに、その抗体産生能力は低下したという。
研究グループは、「小児はインフルエンザによる肺炎や脱水症などの重篤な合併症や死亡のリスクが高いことから、この結果は、
小児向けのユニバーサルインフルエンザワクチンを開発する取り組みにおいて、大きな意味を持つ可能性がある」と述べている。
Miller氏によると、小児と成人ではインフルエンザのウイルスやワクチンに対する免疫反応が異なるのだという。
同氏は、「成人がワクチンを接種しても季節性インフルエンザウイルスに特異的な免疫応答が生じるだけで、
小児のように、世界的な流行を引き起こす新型インフルエンザウイルスを防御できるような免疫応答は起こらない」と説明している。
Miller氏は、「ソーシャルディスタンスの確保やマスク着用などの新型コロナウイルス対策により、季節性インフルエンザの発症率は低下している。
しかし、インフルエンザは再び危険な形で流行する可能性がある」と警鐘を鳴らす。
その一方で同氏は、鼻腔スプレーと注射のいずれのワクチン接種も有効であったことは、子どもに痛みを与えたくない親にとっても好ましい結果であることを指摘。
「今回の研究により、小児の免疫系は成人よりもはるかに順応性が高いことが明らかにされた。
そのため、ユニバーサルワクチンの投与方法も柔軟に決めることができるだろう」と付け加えている。
https://dime.jp/genre/1323565/#:~:text=%E3%83%AF%E3%82%AF%E3%83%81%E3%83%B3