「アイアン・ドーム」資金に反対票を投じたラシダ・トレイブ下院議員(左)とイルハン・オマル下院議員。(AFP)
イスラエルを批判する米国議員、選挙区変更で苦境に
https://www.arabnews.jp/article/middle-east/article_55853/
・予定されている選挙区の変更によりパレスチナへの支持を表明している9名の議員に影響が及ぶ可能性がある。
レイ・ハナニア
シカゴ:イスラエルのパレスチナ人に対する政策を批判してきた9人の下院議員が、選挙区変更により再選が厳しくなる可能性があることがアラブニュースの分析で明らかになった。
多くの州では米国国勢調査による人口統計データに基づいて主要政党が10年ごとに選挙区を変更しているが、このデータにはアラブ系やイスラム系のアメリカ人のためのカテゴリーは設けられてない。
人口の移動によって境界線の変更があると、現職の議員は新しい選挙区での立候補を余儀なくされる場合がある。これこそが、パレスチナ系アメリカ人の有権者が最も多い第3議会地区で2020年の選挙に当選したイリノイ州選出のマリー・ニューマン議員が直面している課題だ。
ニューマン氏は、イリノイ州で2人しかいないヒスパニック系下院議員の1人であるジーザス・ガルシア氏との第4地区での対決ではなく、気候変動問題に強いショーン・キャステン氏との第6区での対決を選択した。キャステン氏はイスラエルを強く支持し、イスラエルによるパレスチナ人への暴力を黙認しているのに対して、ガルシア氏は昨年9月にイスラエルの「アイアン・ドーム」と呼ばれる防衛システムに10億ドルを提供する法案に反対票を投じるなど、ニューマン氏と共に親パレスチナ派を多く支持してきた。
「ニューマン議員はラテン系住民が影響力を持つ第2選挙区の創設を支持しており、そのためにはシカゴランド地域の既存の選挙区の境界線を変更する必要があることを理解していた」とニューマン議員の広報を担当するベン・ハーディン氏は話した。
ハーディン氏は、この課題を「避けられないもの」と表現し「ニューマン代表は、アラブ・イスラム系アメリカ人コミュニティからの強力な支持も含めて、ここシカゴの南西側と南・西郊外の多くの人々の支えに感謝している」と話した。
イリノイ州の新しい選挙区マップは、イスラエルの強力な支持者の一人であるプリツカー知事が11月に承認したものだ。プリツカー氏は、1998年の下院議員選挙で、テロリストを支援するイスラム教団体から資金を受け取っているとライバル議員を非難した発言を謝罪せず、アラブ系アメリカ人の怒りを買った人物だ。
アメリカ・アラブ商工会議所のハッサン・ニジェム会頭は、「パレスチナ人、アラブ人、イスラム教徒の権利を支持してきたニューマン氏をイリノイ州の民主党が貶めようとしていることは間違いない。パレスチナ人の権利を擁護し、拡大するコミュニティを認めているイリノイ州民主党員は彼女とチュイ・ガルシア議員だけだ」と話した。
イリノイ州の予備選挙は新型コロナのため、3月から2022年6月28日に延期されている。
ニューマン氏とガルシア氏の他にも、「アイアン・ドーム」資金に反対票を投じた7人の議員が今回の地区変更の影響を受ける可能性がある。
そこにはミズーリ州のコリ・ブッシュ氏、インディアナ州のアンドレ・カーソン氏、アリゾナ州のラウル・グリハルバ氏、ミネソタ州のイルハン・オマール氏、マサチューセッツ州のアヤナ・プレスリー氏、ミシガン州のラシダ・トレイブ氏、そしてケンタッキー州のトーマス・マッシー氏などが含まれる。上記の下院議員は、支援先にかかわらずすべての海外援助に反対する立場をとっている。
トレイブ氏、プレスリー氏とオマール氏は、ニューヨークの下院議員アレクサンドラ・オカシオ・コルテス氏を含む、進歩的な民主党員のグループ「Squad」のメンバーだ。だが、コルテス氏は「アイアン・ドーム」への資金提供に反対票を投じるのではなく、立場を表明しない「出席」に投票した。…
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