2年ぶりに見つかったシカを麻酔で眠らせ、首にかかったタイヤを外すことに成功/Courtesy Dan Jaynes/Colorado Parks and Wildlife
(CNN) 米コロラド州デンバー郊外の自然保護区で、首にタイヤが巻き付いたアメリカアカシカが初めて目撃されたのは2年以上前だった。同州公園野生生物局(CPW)は11日、何度も試みた末に、ようやくこのシカをタイヤから解放できたと発表した。
首にタイヤが巻き付いたシカは、CPWが2019年7月、ロッキー山脈に生息するオオツノヒツジやシロイワヤギの個体数調査を行った際に発見された。しかし野生のシカに人間が近づくことは難しく、過去2年の間、なかなか発見できない状況が続いた。
山道に設置したカメラには何度か姿が映り、このシカがパーク郡とジェファソン郡の間を行き来していることが判明。CPWは観察を続け、タイヤが飲んだり食べたりする妨げにはなっていないことを確認した。
それでも木の枝やフェンス、別のシカの角などにタイヤが絡まる事態が危惧されたことから、住民の目撃情報を期待して映像や画像を公開していたところ、先週になって住民から情報が寄せられた。
2019年7月、首にタイヤがはまったシカが最初に見つかった時の様子/Courtesy Jared Lamb/Colorado Parks and Wildlife
この情報をもとにCPWの職員が9日、麻酔銃を使ってシカを捕獲し、タイヤを外すことに成功した。タイヤの金属部分が切断できなかったため、枝角は切り落とさなければならなかった。シカは4歳で、体重は約270キロ。タイヤには約4.5キロ分の残骸が詰まっていて、タイヤと枝角がなくなったことで16キロほど軽くなった計算だった。
首の部分は多少毛が抜け落ちていたが、小さな傷口が1つあったほかは良好な状態だった。シカは回復薬を投与すると、数分で立ち上がることができた。
タイヤがどうやって首にかかったのかは不明。まだ小さかった時か、枝角が落ちる冬の間にかかったのだろうとCPWは推測している。
2021.10.12 Tue posted at 14:12 JST
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