新型コロナウイルスの感染拡大を抑える切り札として期待されていたワクチンは、
異例のスピードで開発と臨床試験が進み、アメリカでは去年12月から接種が始まりました。
全米には12日までに1億3000万回分以上のワクチンが供給され、
決められた回数のワクチンの接種を終えた人はアメリカの人口の10.5%にあたるおよそ3500万人となっています。
重症化のリスクが高い65歳以上の高齢者だけでみると接種を終えた人の割合は32.4%に達しています。
ただ、アメリカ全体の接種を終えた人の割合は感染の拡大を継続的に抑えられる水準には達しておらず、
いわゆる「集団免疫」の状態になるまでにはまだ時間がかかる見通しです。
公衆衛生政策が専門のニューヨーク大学ダニエル・オムパッド准教授はアメリカが世界で最も感染拡大が深刻な状況に陥った理由について
「アメリカでは各州の保健政策に関する連邦政府の権限が限られていることに加え、マスクの着用が政治的な問題に結び付くなど、
政治的な分断が感染対策を難しくした」と分析しています。
また、現在、アメリカの感染者が減少している理由については「感謝祭やクリスマスによる人の移動や会食に伴う感染の急増期が過ぎたためだ」
としたうえで「アメリカは去年、経済活動の再開や行動規制の緩和を急ぎすぎて再び感染拡大を招いた。
このことを忘れずに、経済活動の再開は慎重に判断すべきだ」と述べました。
さらに、ワクチンの効果について「最初に効果が現れてくるのは重症化リスクの高い高齢者が住む介護施設などだろう」としたうえで
「今のペースで接種が進んでも、接種を終えた人が予防できる水準の免疫を獲得するまでには時間がかかるので、すぐに効果が現れるわけではない。
死者や入院者の減少が始まるとしたら春以降ではないか」と話しています。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210314/k10012914261000.html
異例のスピードで開発と臨床試験が進み、アメリカでは去年12月から接種が始まりました。
全米には12日までに1億3000万回分以上のワクチンが供給され、
決められた回数のワクチンの接種を終えた人はアメリカの人口の10.5%にあたるおよそ3500万人となっています。
重症化のリスクが高い65歳以上の高齢者だけでみると接種を終えた人の割合は32.4%に達しています。
ただ、アメリカ全体の接種を終えた人の割合は感染の拡大を継続的に抑えられる水準には達しておらず、
いわゆる「集団免疫」の状態になるまでにはまだ時間がかかる見通しです。
公衆衛生政策が専門のニューヨーク大学ダニエル・オムパッド准教授はアメリカが世界で最も感染拡大が深刻な状況に陥った理由について
「アメリカでは各州の保健政策に関する連邦政府の権限が限られていることに加え、マスクの着用が政治的な問題に結び付くなど、
政治的な分断が感染対策を難しくした」と分析しています。
また、現在、アメリカの感染者が減少している理由については「感謝祭やクリスマスによる人の移動や会食に伴う感染の急増期が過ぎたためだ」
としたうえで「アメリカは去年、経済活動の再開や行動規制の緩和を急ぎすぎて再び感染拡大を招いた。
このことを忘れずに、経済活動の再開は慎重に判断すべきだ」と述べました。
さらに、ワクチンの効果について「最初に効果が現れてくるのは重症化リスクの高い高齢者が住む介護施設などだろう」としたうえで
「今のペースで接種が進んでも、接種を終えた人が予防できる水準の免疫を獲得するまでには時間がかかるので、すぐに効果が現れるわけではない。
死者や入院者の減少が始まるとしたら春以降ではないか」と話しています。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210314/k10012914261000.html