0001ごまカンパチ ★
2021/03/09(火) 23:28:38.82ID:b4HpoMJL9──フランスは欧州の中でも、大麻の取り扱いに厳しい国だが......
フランスのボルドーで、大麻の成分のひとつであるカンナビジオール(CBD)入りワインが初めて生まれた。
その背景から、フランスのワイン事情と大麻事情を紹介する。
■ ワイン離れが進む世代へのアプローチ
Burdi W<と名付けられたこのドリンクは、プティヴェルドと呼ばれる単一品種のブドウで生産された地元のワインにCBDを250mg組み合わせたもので、
ヘンプの香りにカシス風味がプラスされている。
この商品を世に出したラファエル・ド・パブロ氏は、「クラシックなアルコール効果にリラックス効果が追加された」ドリンクだと胸を張る。
同商品は、若い世代の目をワイン向けさせることも目的としている。
蛍光色を使って大麻の葉のデザインしたボトルラベルも、若い世代へのアプローチ効果を狙ったものだ。
実は、フランス人のアルコール消費量は、1960年以来減少傾向にある。
それでも2017年の発表によれば、経済協力開発機構加盟国34か国(調査当時)の中で6番目にアルコール消費量の多い国だ。
具体的には、15歳以上の国民1人につき1年に平均11.7リットルのアルコールを消費している。
余談だが、この統計が15歳以上でとられているというのは面白い。
というのも、フランスでもアルコール摂取は成人(18歳)になるまでは許されないはずのものだからだ。
フランス人が最も好むアルコール飲料1位は相変わらずワインだが、年代を区切るとこの限りではない。
若い世代はカクテルなどに用いられる蒸留酒を最も好み(67.3%)、それにビール(63.5%)が続き、ワイン(35.9%)は3位でしかない。
Burdi Wはそんな世代の目をワインに向けさせる役目を背負って誕生したというわけだ。
■ 大麻に厳しい国、フランス
カンナビジオール(CBD)は、麻から抽出できるカンナビノイドの一種だが、いわゆる麻薬のような精神作用は持たない。
それどころか「抗テンカン」「抗炎症」などの作用が認められており、2019年にはEUが、CBDを原料とする医薬品を承認している。
それにもかかわらずフランスは国内でのCBD使用を禁止していたため、2019年11月、欧州司法裁判所に違法であると裁定されている。
このことからもわかるように、フランスは欧州の中でも、大麻の取り扱いに厳しい国だ。
大麻は、たとえ自宅で一人で吸ったとしても、論理上は1年の懲役と3750ユーロの罰金を科せられる刑事犯罪なのだ。
ただし、実際にはほとんどの場合、2019年導入された200ユーロの定額罰金制度が適用されている。
大麻を栽培した場合はさらに厳しく、10年の懲役が刑法で規定されており、販売、流通、購入にかかわった場合も基本的には10年の懲役を科せられる(個人使用の場合は5年)といった具合だ。
ところが、厳しい取り決めとは裏腹に、フランスはヨーロッパでもっとも大麻使用の多い国で、時々消費する人は500万人、常習者は90万人を数える。
若者への普及率も高い。フランスの麻薬事情を扱う公的機関OFDTが2018年にまとめた調査によれば、17歳の10人に4人(39.1%)が大麻の使用経験を持っている。
■ 医療用、娯楽用ともに合法化への動き
上のような事情から、禁止は抑制にはつながらないという主張が定期的に唱えられ、大麻の合法化は何度も議論に上ってきた。
2021年3月1日にも大麻の娯楽的使用の合法化についての世論調査が発表されたところだ。
それによれば、80%以上が法規制内での大麻使用を認める案に賛成と答えており、今後何らかの動きにつながると思われる。
また、医療用大麻の使用に関しても、少しずつ進んでおり、今年3月31日から24か月間、大麻の医療使用が試験的に行われることが決まった。
対象となるのは、神経障害性疼痛や癌などの重い病を持つ病人約3000人。
既存の治療法で効果が見られない場合にのみ大麻が処方される予定となっている。
大麻の解禁は、財政的にも魅力的なものだ。
2020年6月オプス誌上に掲載された議員20人ら連名の投稿は、「(大麻の)合法化は、毎年20〜28億ユーロの財源を国にもたらし、
特に農業に3〜8万の雇用を生む」と見積もっている。