私立幼稚園連合会 使途不明金3億2500万円 内部調査結果を報告
2021年3月9日 19時09分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210309/k10012906391000.html
「全日本私立幼稚園連合会」は9日、都内で全国各地の幼稚園団体の幹部らを集めた会議を開き、使途不明金の総額が少なくとも令和元年度までの3年間で3億2500万円余りに上るとする内部調査の結果を報告しました。
幼稚園連合会は「個人的な流用は断じてしていない」などという香川敬前会長の弁解は極めて不合理だとして、今後、刑事告訴や民事訴訟をすることも視野に断固とした対応を取るとしています。
全国およそ7500の私立幼稚園が加盟する「全日本私立幼稚園連合会」をめぐっては、連合会の監査が行われた去年9月以降に多額の資金が使途不明になっていることが明らかになり、去年11月、香川敬前会長が使途不明金の存在を指摘されたあと辞任しています。
幼稚園連合会は内部に特別委員会を設置し、弁護士や公認会計士とともに調査を進めていましたが、9日午後、東京・千代田区で全国各地の幼稚園団体の幹部らを集めた会議が開かれ、調査結果が報告されました。
連合会によりますと、使途不明金の総額は平成29年度から令和元年度までの3年間で少なくとも3億2594万円に上ることが報告されたということです。
このほか、今年度も連合会の口座から8000万円を超える現金が引き出され、使途不明になっていることを確認したということで、使途不明金の総額は少なくとも平成29年度からの4年間で4億円を超えるということです。
連合会は、辞任した香川前会長らが関わって、使途不明金を隠蔽する目的で実際の残高を大幅に水増しした複数の銀行口座の通帳を偽造していたとしたうえで、香川前会長が監督不行き届きによる法的責任があることを認めて、辞任直後に1億5000万円を弁済したことも明らかにしました。
幼稚園連合会は「個人的な流用は断じてしていない」などという香川敬前会長の弁解は極めて不合理であり、少なくとも私文書偽造罪などに該当する違法行為であることは明らかだとして、今後、刑事告訴や民事訴訟をすることも視野に断固とした対応を取るとしています。
会議のあと幼稚園連合会の田中雅道会長代行は報道陣の取材に応じ「連合会は全国の幼稚園からの資金で運営しており、すべての子どもたちのために真摯(しんし)に取り組まなくてはいけない団体がこのような不祥事を起こし痛恨の極みです。大変申し訳ありません」と述べました。
幼稚園連合会の財源は
「全日本私立幼稚園連合会」は、幼児教育の振興を図る目的で昭和59年4月に設立された任意団体で、去年9月時点で全国47都道府県のおよそ7500の私立幼稚園が加盟しています。
幼稚園から集めた会費や寄付金などを主な財源に、おととし10月から始まった幼児教育無償化の実現などの振興策を国や国会議員などに要望していたほか、幼児教育に関する調査や研究、教職員の資質向上や福利厚生などの事業を行っています。
会費は、加盟する幼稚園1園当たり1万2000円に、園児1人当たり70円を加えた額を全国各地の幼稚園団体が「全日本私立幼稚園連合会」の口座にそれぞれ振り込む仕組みになっています。
ホームページで公表されている平成30年度決算の一般会計の収支報告によりますと、事業収入は幼稚園から集めたおよそ1億7500万円の会費など合わせて2億3700万円余りとなっています。
幼稚園団体の関係者「信じられない」
北海道から会議に参加したという幼稚園団体の関係者は「香川前会長はいい人だったので、きょう報告された使途不明金の内容は信じられな思いだ。組織として再発防止を図るしかない」と話しました。
2021年3月9日 19時09分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210309/k10012906391000.html
「全日本私立幼稚園連合会」は9日、都内で全国各地の幼稚園団体の幹部らを集めた会議を開き、使途不明金の総額が少なくとも令和元年度までの3年間で3億2500万円余りに上るとする内部調査の結果を報告しました。
幼稚園連合会は「個人的な流用は断じてしていない」などという香川敬前会長の弁解は極めて不合理だとして、今後、刑事告訴や民事訴訟をすることも視野に断固とした対応を取るとしています。
全国およそ7500の私立幼稚園が加盟する「全日本私立幼稚園連合会」をめぐっては、連合会の監査が行われた去年9月以降に多額の資金が使途不明になっていることが明らかになり、去年11月、香川敬前会長が使途不明金の存在を指摘されたあと辞任しています。
幼稚園連合会は内部に特別委員会を設置し、弁護士や公認会計士とともに調査を進めていましたが、9日午後、東京・千代田区で全国各地の幼稚園団体の幹部らを集めた会議が開かれ、調査結果が報告されました。
連合会によりますと、使途不明金の総額は平成29年度から令和元年度までの3年間で少なくとも3億2594万円に上ることが報告されたということです。
このほか、今年度も連合会の口座から8000万円を超える現金が引き出され、使途不明になっていることを確認したということで、使途不明金の総額は少なくとも平成29年度からの4年間で4億円を超えるということです。
連合会は、辞任した香川前会長らが関わって、使途不明金を隠蔽する目的で実際の残高を大幅に水増しした複数の銀行口座の通帳を偽造していたとしたうえで、香川前会長が監督不行き届きによる法的責任があることを認めて、辞任直後に1億5000万円を弁済したことも明らかにしました。
幼稚園連合会は「個人的な流用は断じてしていない」などという香川敬前会長の弁解は極めて不合理であり、少なくとも私文書偽造罪などに該当する違法行為であることは明らかだとして、今後、刑事告訴や民事訴訟をすることも視野に断固とした対応を取るとしています。
会議のあと幼稚園連合会の田中雅道会長代行は報道陣の取材に応じ「連合会は全国の幼稚園からの資金で運営しており、すべての子どもたちのために真摯(しんし)に取り組まなくてはいけない団体がこのような不祥事を起こし痛恨の極みです。大変申し訳ありません」と述べました。
幼稚園連合会の財源は
「全日本私立幼稚園連合会」は、幼児教育の振興を図る目的で昭和59年4月に設立された任意団体で、去年9月時点で全国47都道府県のおよそ7500の私立幼稚園が加盟しています。
幼稚園から集めた会費や寄付金などを主な財源に、おととし10月から始まった幼児教育無償化の実現などの振興策を国や国会議員などに要望していたほか、幼児教育に関する調査や研究、教職員の資質向上や福利厚生などの事業を行っています。
会費は、加盟する幼稚園1園当たり1万2000円に、園児1人当たり70円を加えた額を全国各地の幼稚園団体が「全日本私立幼稚園連合会」の口座にそれぞれ振り込む仕組みになっています。
ホームページで公表されている平成30年度決算の一般会計の収支報告によりますと、事業収入は幼稚園から集めたおよそ1億7500万円の会費など合わせて2億3700万円余りとなっています。
幼稚園団体の関係者「信じられない」
北海道から会議に参加したという幼稚園団体の関係者は「香川前会長はいい人だったので、きょう報告された使途不明金の内容は信じられな思いだ。組織として再発防止を図るしかない」と話しました。