新型コロナウイルス特別措置法に基づく緊急事態宣言の月内解除を受けて大阪、京都、兵庫の3府県では3月1日以降、飲食店への時短要請が段階的に解除される。
大阪府内で大阪市内のみ現在の午後8時までを同9時までとする要請が続くなど、地域差も生まれる。コロナ禍に苦しめられてきた店主らは、集客回復への期待や時短要請への不満など思いを口にした。
大阪府岸和田市。南海岸和田駅前の商店街に約15の飲食店が集まるが、早い時間にのれんが下りたあとは閑散とする。立ち飲み居酒屋「Dash賑(ダッシュにぎわい)」の足羽徹店長(60)は「来店数はコロナ前の3割程度。1割しかない日もあった」と肩を落とす。緊急事態宣言の期間中は通常の午後4時〜午前1時の営業を、午後2〜8時に短縮してきた。
時短要請がなくなる3月1日からは、通常の営業時間に戻す予定だ。「夜まで飲めるようになるので、ある程度の集客の回復は見込める」と期待するが、「すぐにコロナ前に戻るとは思えない。(解除直後でも)おそらく半分を切るだろう。ワクチン接種が進めばようやく元通りにお客さんが来てくれるかも」と厳しい見通しを語った。
同府東大阪市の近鉄布施駅周辺で、約400の小売商業者が加盟する布施商店街連絡会の加茂守一会長(70)も顔は晴れない。
「商店街の人通りを見ると例年の半分以下。客足が増えれば、コロナの感染リスクも増えるし…。複雑な気持ちやなあ」
× ×
一方、21日まで午後9時までの要請が続く大阪市内。大阪・ミナミにある串カツチェーン「串かつだるま道頓堀店」の中嶋隆晴店長(37)は「1時間延長する根拠は何なのか。(9時は)終電まで時間もある。せめて10時まで営業させてほしい」と不満げだ。営業時間は通常午後10時半までだが、宣言に伴い午後8時までに短縮。感染拡大前には1日800〜千人の来客があったが、現在は1日100〜200人まで激減。売り上げも前年同時期と比べて10分の1程度まで落ち込んだという。
大阪市は、要請継続に伴って国から支給される1日4万円の協力金に1万〜3万円を独自に上乗せして支給することを決定している。中嶋店長は「ないよりはある方がいい」としつつも「うちは従業員が50人以上おり家賃も高い。協力金はすずめの涙」とこぼした。
× ×
京都府でも、京都市内とそれ以外の府内で期間をわけて午後9時までの要請を行う。時短営業を続けてきた京都市下京区で居酒屋を営む男性(37)は「客数は通常の10分の1ほどまで減っているが、まだ協力金をもらえておらず不安に思う」と話す。市内では、昨年末の府独自の要請から始まった時短が2カ月あまり継続。男性は要請には従うつもりだが、「いつ協力金を受け取れるのかわからないなら、もう従わないでおこうかとも思う」と不信感をあらわにした。
兵庫県も午後9時までの要請を続ける。神戸市中央区ですし店「みわ寿司」を経営する三和たまこさん(74)は「午後7〜8時はお酒がよく出るかき入れ時。1時間の延長でも客の入りは変わってくる。店側にとってはありがたい」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。三和さんは「宣言中だとお客さんも時間を気にしてせかせかしてしまう。9時まで営業できると、もう少しゆっくり店で楽しんでもらえる」と話した。
https://news.livedoor.com/article/detail/19767000/
2021年2月27日 22時52分
産経新聞
大阪府内で大阪市内のみ現在の午後8時までを同9時までとする要請が続くなど、地域差も生まれる。コロナ禍に苦しめられてきた店主らは、集客回復への期待や時短要請への不満など思いを口にした。
大阪府岸和田市。南海岸和田駅前の商店街に約15の飲食店が集まるが、早い時間にのれんが下りたあとは閑散とする。立ち飲み居酒屋「Dash賑(ダッシュにぎわい)」の足羽徹店長(60)は「来店数はコロナ前の3割程度。1割しかない日もあった」と肩を落とす。緊急事態宣言の期間中は通常の午後4時〜午前1時の営業を、午後2〜8時に短縮してきた。
時短要請がなくなる3月1日からは、通常の営業時間に戻す予定だ。「夜まで飲めるようになるので、ある程度の集客の回復は見込める」と期待するが、「すぐにコロナ前に戻るとは思えない。(解除直後でも)おそらく半分を切るだろう。ワクチン接種が進めばようやく元通りにお客さんが来てくれるかも」と厳しい見通しを語った。
同府東大阪市の近鉄布施駅周辺で、約400の小売商業者が加盟する布施商店街連絡会の加茂守一会長(70)も顔は晴れない。
「商店街の人通りを見ると例年の半分以下。客足が増えれば、コロナの感染リスクも増えるし…。複雑な気持ちやなあ」
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一方、21日まで午後9時までの要請が続く大阪市内。大阪・ミナミにある串カツチェーン「串かつだるま道頓堀店」の中嶋隆晴店長(37)は「1時間延長する根拠は何なのか。(9時は)終電まで時間もある。せめて10時まで営業させてほしい」と不満げだ。営業時間は通常午後10時半までだが、宣言に伴い午後8時までに短縮。感染拡大前には1日800〜千人の来客があったが、現在は1日100〜200人まで激減。売り上げも前年同時期と比べて10分の1程度まで落ち込んだという。
大阪市は、要請継続に伴って国から支給される1日4万円の協力金に1万〜3万円を独自に上乗せして支給することを決定している。中嶋店長は「ないよりはある方がいい」としつつも「うちは従業員が50人以上おり家賃も高い。協力金はすずめの涙」とこぼした。
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京都府でも、京都市内とそれ以外の府内で期間をわけて午後9時までの要請を行う。時短営業を続けてきた京都市下京区で居酒屋を営む男性(37)は「客数は通常の10分の1ほどまで減っているが、まだ協力金をもらえておらず不安に思う」と話す。市内では、昨年末の府独自の要請から始まった時短が2カ月あまり継続。男性は要請には従うつもりだが、「いつ協力金を受け取れるのかわからないなら、もう従わないでおこうかとも思う」と不信感をあらわにした。
兵庫県も午後9時までの要請を続ける。神戸市中央区ですし店「みわ寿司」を経営する三和たまこさん(74)は「午後7〜8時はお酒がよく出るかき入れ時。1時間の延長でも客の入りは変わってくる。店側にとってはありがたい」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。三和さんは「宣言中だとお客さんも時間を気にしてせかせかしてしまう。9時まで営業できると、もう少しゆっくり店で楽しんでもらえる」と話した。
https://news.livedoor.com/article/detail/19767000/
2021年2月27日 22時52分
産経新聞