https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2012/05/news004.html
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新型コロナウイルスの影響で打撃を受ける旅行業界。
その中で今、独自の取り組みを行っているのが加賀温泉郷(石川県)だ。
加賀市にある片山津・山代・山中の3温泉を総称したものを「加賀温泉郷」と呼んでおり
(小松市の粟津温泉が加わることもある)、年間約179万人が訪れている。GO TO トラベ
ルキャンペーンの影響はあるものの、現在、週末には多くの旅館で予約が埋まっている
という。多くの観光地が苦戦している中、なぜ加賀温泉郷に人は集まるのか。その背景
に、2018年の春から2年以上、SNS発のプロモーションを続けてきて、県内外から「こうい
うときだからこそ、加賀温泉郷にお金を使いたい」という根強いファンを獲得してきたことがある。
加賀温泉郷は18年春から観光大使として、モーニング娘。メンバーの加賀楓さんを起用
している。18〜19年は加賀温泉郷協議会からの任命を受けていたが、20年からは加賀市
からの任命を受け、加賀市にある3つの温泉の観光大使となった。実は加賀さんは石川県
が地元というわけではなく、名字が「加賀」という不思議な縁から観光大使を務めている。そ
のきっかけは、モーニング娘。ファンがSNSで盛り上がったと
ころにあった。
「このポスターが加賀さんだったらいいのに……という投稿がTwitterを中心に多く寄せられ
て。それを発見した僕が『次回の加賀温泉郷ポスターに加賀楓さん出てくれないかな』と投
稿したらファンの方が食いついてきて、そこから加賀さんの写真を使ってこの『その疲れに加
賀が効く。』のポスターを作ってみた画像なども出てきて、かなり盛り上がったことがきっかけです」
ファンの間での盛り上がりを受け、公式に加賀さん本人を広告キャラクターとして起用した
いと所属事務所に打診するときも、「怒られるんじゃないか」と恐る恐る行ったという。加えて
きっかけとなったポスターも、実は旅館の従業員をモデルとして使っていたほど、そこまで予
算があるプロジェクトではなかった。しかしモーニング娘。の所属事務所であるアップフロント
グループは、もともと「SATOYAMA&SATOUMI movement」と名付けた地方創生プロジェクト
に力を入れていることもあり、その流れで正式に18年春、加賀さんが観光大使になることが決定した。