トランプ大統領の陣営が「選挙で不正があった」などと各地で訴訟を起こしていることについて、専門家からは勝敗が覆る可能性は低いとの指摘が相次いでいます。
このうち、アマースト大学で法律を専門とするローレンス・ダグラス教授は「トランプ陣営が訴訟で勝つ可能性は極めて低い。すでに退けられている裁判を見ると保守派の判事であっても、トランプ陣営の主張を裏付ける証拠が示されていないと指摘している」と述べました。
そのうえで「ささいなミスや不正はあるかもしれないが、バイデン氏との票差をひっくり返すほどの規模の不正は見つかっていない」として、勝敗を覆すには至らないとの見方を示しました。
そして「トランプ陣営が主な法廷闘争を続けるのは、12月8日までだろう」と述べ、各州が選挙結果を確定させる期限として法律で定められている来月8日までは、法廷闘争が続く可能性があるとしています。
また、南部ジョージア州で行われることになった再集計についても、選挙制度などに詳しい非営利団体「フェア・ボート」のデブ・オティス上席研究員は「再集計で結果が変わったとしても、ほとんどのケースでは数百票が動く程度だ。ジョージア州では票差が1万以上あり、勝敗が覆ることは考えにくい」との見方を示しています。
フェア・ボートによりますと去年までの過去20年間に、州単位で集計が行われた選挙は全米で合わせて5778件あり、このうち再集計が行われた31の選挙のうち、勝敗が覆ったのは州知事選挙など3つだったということです。
この3つの選挙の票差は、いずれも0.05ポイント以下で、今回の大統領選挙でのジョージア州の票差は、およそ1万4000、0.28ポイントとなっています。
そのうえで、オティス研究員は「トランプ大統領が勝利するためには、複数の州で再集計をして結果を覆さなければならず、かなり難しい」としています。
また、法廷闘争についても「トランプ陣営が起こした裁判では、すぐに退けられているケースが多い。裁判所が証拠がないと判断しているからだろう」と指摘しています。
■トランプ陣営は5州で訴訟起こす
トランプ大統領の陣営は、これまでに激戦州のペンシルベニア、ミシガン、アリゾナ、ジョージア、そしてネバダの5つの州で訴訟を起こしています。
AP通信のまとめによりますと、訴訟の数は、少なくとも17件に上っていますが、このうち一部の訴えについては、裁判所が「十分な証拠がない」などとして、すでに退けています。
ペンシルベニア
郵便投票の透明性が確保されていないとして、州に対し、選挙結果を確定しないよう求める訴えなどを起こしています。
ミシガン
投票の監視にあたる担当者が、同じ票の束が複数回、機械に通されるのを見たと証言しているとして、州に対し、不正な票が集計されていないと確認されるまで、選挙結果を確定しないよう求めています。
アリゾナ
一部の地域で、投票所で投票された本来有効であるはずの票の多くが、インクのシミなどが原因で機械によってはじかれ、集計されなかったと主張しています。
ジョージア
トランプ陣営が「受け付け時間をすぎて届いた票が、時間内に届いた票の束に入れられたのを見たという証言がある」などと主張して、仕分けを徹底するよう求める訴えを起こしていましたが、裁判所は「受け付け時間以降に票が届いたという証拠はない」として、訴えを退けています。
ネバダ
トランプ陣営は有権者の女性が、投票所で票を投じようとしたところ、覚えがないにもかかわらず「郵便投票で、すでに投票している」として受け付けられなかったと指摘し、有効ではない票が混ざっているなどと主張していましたが、裁判所は「十分な証拠がない」として訴えを退けました。
一方、トランプ陣営は、ペンシルベニア州の郵便投票をめぐり、郵便投票をした人のうち、本人確認の書類が足りなかった人について、州務長官が書類の提出期限を3日間延長したことは違法だと訴えていました。
これについて、裁判所は12日、州務長官に期限を延長する法的な権限はないとして、トランプ陣営の訴えを認め、当初の期限までに必要な書類が届かなかった票については、集計しないよう命じました。
しかし、この判決で影響を受ける票の数は、ごくわずかにとどまるとみられます。
2020年11月13日 16時54分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201113/k10012709901000.html?utm_int=news-new_contents_list-items_001
このうち、アマースト大学で法律を専門とするローレンス・ダグラス教授は「トランプ陣営が訴訟で勝つ可能性は極めて低い。すでに退けられている裁判を見ると保守派の判事であっても、トランプ陣営の主張を裏付ける証拠が示されていないと指摘している」と述べました。
そのうえで「ささいなミスや不正はあるかもしれないが、バイデン氏との票差をひっくり返すほどの規模の不正は見つかっていない」として、勝敗を覆すには至らないとの見方を示しました。
そして「トランプ陣営が主な法廷闘争を続けるのは、12月8日までだろう」と述べ、各州が選挙結果を確定させる期限として法律で定められている来月8日までは、法廷闘争が続く可能性があるとしています。
また、南部ジョージア州で行われることになった再集計についても、選挙制度などに詳しい非営利団体「フェア・ボート」のデブ・オティス上席研究員は「再集計で結果が変わったとしても、ほとんどのケースでは数百票が動く程度だ。ジョージア州では票差が1万以上あり、勝敗が覆ることは考えにくい」との見方を示しています。
フェア・ボートによりますと去年までの過去20年間に、州単位で集計が行われた選挙は全米で合わせて5778件あり、このうち再集計が行われた31の選挙のうち、勝敗が覆ったのは州知事選挙など3つだったということです。
この3つの選挙の票差は、いずれも0.05ポイント以下で、今回の大統領選挙でのジョージア州の票差は、およそ1万4000、0.28ポイントとなっています。
そのうえで、オティス研究員は「トランプ大統領が勝利するためには、複数の州で再集計をして結果を覆さなければならず、かなり難しい」としています。
また、法廷闘争についても「トランプ陣営が起こした裁判では、すぐに退けられているケースが多い。裁判所が証拠がないと判断しているからだろう」と指摘しています。
■トランプ陣営は5州で訴訟起こす
トランプ大統領の陣営は、これまでに激戦州のペンシルベニア、ミシガン、アリゾナ、ジョージア、そしてネバダの5つの州で訴訟を起こしています。
AP通信のまとめによりますと、訴訟の数は、少なくとも17件に上っていますが、このうち一部の訴えについては、裁判所が「十分な証拠がない」などとして、すでに退けています。
ペンシルベニア
郵便投票の透明性が確保されていないとして、州に対し、選挙結果を確定しないよう求める訴えなどを起こしています。
ミシガン
投票の監視にあたる担当者が、同じ票の束が複数回、機械に通されるのを見たと証言しているとして、州に対し、不正な票が集計されていないと確認されるまで、選挙結果を確定しないよう求めています。
アリゾナ
一部の地域で、投票所で投票された本来有効であるはずの票の多くが、インクのシミなどが原因で機械によってはじかれ、集計されなかったと主張しています。
ジョージア
トランプ陣営が「受け付け時間をすぎて届いた票が、時間内に届いた票の束に入れられたのを見たという証言がある」などと主張して、仕分けを徹底するよう求める訴えを起こしていましたが、裁判所は「受け付け時間以降に票が届いたという証拠はない」として、訴えを退けています。
ネバダ
トランプ陣営は有権者の女性が、投票所で票を投じようとしたところ、覚えがないにもかかわらず「郵便投票で、すでに投票している」として受け付けられなかったと指摘し、有効ではない票が混ざっているなどと主張していましたが、裁判所は「十分な証拠がない」として訴えを退けました。
一方、トランプ陣営は、ペンシルベニア州の郵便投票をめぐり、郵便投票をした人のうち、本人確認の書類が足りなかった人について、州務長官が書類の提出期限を3日間延長したことは違法だと訴えていました。
これについて、裁判所は12日、州務長官に期限を延長する法的な権限はないとして、トランプ陣営の訴えを認め、当初の期限までに必要な書類が届かなかった票については、集計しないよう命じました。
しかし、この判決で影響を受ける票の数は、ごくわずかにとどまるとみられます。
2020年11月13日 16時54分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201113/k10012709901000.html?utm_int=news-new_contents_list-items_001